不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2022.04.25 13:45

Tabist IT系企業との連携続々 観光・宿泊施設のDX化支援
 Tabist(東京都港区)は、中小ホテル・旅館のDX化をサポートする施策として、様々な企業との連携を進めている。
 この程、USEN―NEXT HOLDINGS(東京都品川区)のグループ会社であるアルメックス(同)と、宿泊管理システムinntoを導入。これにより、Tabistが支援する全国およそ230施設7000室以上に提供し、ホテル業務でのオペレーション効率化・最適化・自動化の実現をサポートする。
 同システムは、PMSとも呼ばれ、宿泊施設の予約や販売価格、残室数、料金といった客室に関する情報を一元管理できるもの。宿泊客のチェックイン、チェックアウト、精算などのフロント業務を支え、部屋の滞在や空室の状況把握、いつどれくらい予約が入っているかなどの予約管理が可能になる。更に顧客管理や売上管理、宿泊、予約のデータ分析など、集積されたデータを活かすことで、スムーズな顧客対応や販売戦略策定に役立てることが可能になる。
 また、マップボックス・ジャパン(東京都港区)との技術連携も締結。宿泊先のホテルや旅館周辺のオススメ情報を紹介するマップを搭載することが可能となった。ユーザーフレンドリーな地図インターフェースを活用することで、「Tabist」を利用するユーザーの宿泊体験向上を実現する。4月にウェブで初期バージョンをリリースし、今後はモバイルアプリもリリース予定。
 マップボックス・ジャパンは、2020年3月に米国Mapbox Inc.とソフトバンクの合弁会社として設立された。デジタル地図のリーディングカンパニーとして、地図情報サービスの開発プラットフォームを提供している。地図上のデータビジュアライゼーションやカスタマイズ性の高さに特徴があり、国内でもヤフーの「Yahoo!地図」や、PayPayの「PayPay」アプリ内で採用されるなど、グローバルに高精度な地図データと高品質なテクノロジー基盤に定評がある。
 同社はまた5月29日まで、登録者数4500万人超を抱えるキャッシュレス決済サービスのPayPayと連携し、「Tabist×PayPay」キャンペーンを実施。3000円以上の現地決済をした場合、最大30%のPayPayポイントが付与されるもの。
 キャンペーンを通じて、例えば、3000円のホテルに宿泊すると、PayPayポイント900円分が付与され、食事や買い物に利用できる。同キャンペーンを通じて、PayPayのユーザーがTabist加盟店を発見し、実際に宿泊する機会を創出する。
 同社は4月1日より、OYO Japanから社名変更し新たなスタートを切った。新ブランドでは、OYOのリソースを生かしつつ、日本の宿泊施設にあった宿泊システムやダイナミックプライシングにより、観光・宿泊施設のDX化を推進。また宿泊施設とともに、各エリアの特徴を生かした顧客体験を提案、「域内観光」を促進していきたいという。
 同社は加盟店に対し、売上最大化と利益向上、新たな需要創出による稼働率向上の2本立て戦略を推進していく。

古屋旅館 創業1806年の老舗がリニューアル
 創業1806年の熱海で最も老舗とされる温泉宿「古屋旅館」を経営する合資会社古屋旅館(静岡県熱海市)は、読書やリラックスタイム、ワーケーションなどに利用できるスペース「Second Lobby 書ヲ読ム旅人」をオープンさせた。昨年7月にオープンした全天候型「室内露天風呂」付き客室に続く、離れ棟リニューアルの第2弾となる。
 コロナ禍を経験したことにより、温泉旅館にはこれまでに無いあるべきサービスや設備が求められている。2020年春以降、業界ではいち早く、深紫外線LEDを搭載した空気除菌消臭装置「Aeropure(エアロピュア)」、医療機関でも使われるダウンライト型脱臭除菌装置「IonSupply」、大浴場の混雑情報配信サービス「AIセンサー 混まないさん」を設置するなどの感染症対策設備を導入してきた。更に、大浴場よりプライベート利用できる風呂へのニーズの高まりを受けて、離れ棟客室に室内露天風呂を導入するリニューアルを進め、2021年7月に全天候型「室内露天風呂」付き客室を4室オープンした。リニューアル後の新客室の稼働率は、ほぼ満室の90%以上で推移しているという。
 「Second Lobby 書ヲ読ム旅人」は、読書やリラックスタイムに、ワーケーションやテレワークなどに、新しい旅館滞在のカタチを提案する。宿泊者は無料で利用可能だ。本棚には熱海に関する本や雑誌、時流の本を用意する。北欧と和が融合した「Japandi」な空間、バング&オルフセン製スピーカーから流れるBGM、@アロマ監修の熱海産ダイダイを使ったオリジナルブレンドアロマの香りで癒されながら、読書や歓談を楽しむことができる。
 個人のテレワーク利用に限らず、企業やチーム単位での経営合宿、コミュニケーションワーク、研修、オンライン会議などに集中できる設備や機能を完備する。

からくさホテルズ 「からくさホテルズグランデ新大阪タワー」高層階を改装
 からくさホテルズ(東京都中央区)が運営している「からくさホテルグランデ新大阪タワー」(大阪府大阪市)は、15階以上の高層階の客室10室を改装し、4月19日より「パノラマロイヤルグランデルーム」(22~24階・3室)、「ハイフロアロイヤルグランデルーム」(15~21階・7室)として販売を開始した。
 「パノラマ/ハイフロアロイヤルグランデルーム」は、15階以上の高層階に位置する42.5㎡のコーナールームに畳の小上がりスペースを設け、160cm幅のワイドベッドを2台、眺望を楽しめる窓際にはソファセットと座椅子を配した部屋。ビューバスや65インチの大型テレビ、長期滞在に便利な洗濯乾燥機も備えており、夫婦やカップルはもちろん、最大4名様まで利用可能だ。
 同ホテルは、新幹線や各種在来線、地下鉄御堂筋線が乗り入れる新大阪駅から徒歩約5分に位置する。
 地上24階の建物には同ブランド最大の全396室を備え、ダブルルーム、ツインルームのほか、3名まで宿泊できる客室200室、最大収容人数4名の客室20室など、多彩なラインアップを用意している。
 さらに、隣り合う客室を内扉でつなぎ、最大6名まで利用可能なコネクティングルームも160室備える。
 「からくさホテル」は、2016年3月に誕生した観光客向け宿泊特化型ホテルブランド。国際空港・ターミナル駅近くや観光都市に位置し、平均20㎡以上のツインルームを軸に、ファミリーやグループ利用に最適なコネクティングルームを全体の約5割設けているのが特徴。全館無料Wi―Fiや、各室のバスルーム、洗面所、トイレを独立させるなど、観光客向け機能・サービスが充実させた。
 現在、札幌に1軒、東京に2軒、関西に3軒の計6ホテルを経営・運営している。

西武・プリンスHWWが沖縄県内に初出店
 西武・プリンスホテルズワールドワイド(東京都豊島区)では、沖縄県宜野湾市に「沖縄プリンスホテル オーシャンビューぎのわん」を4月12日に開業させた。同ホテルは、同社として沖縄県内初出店となる。
 同ホテルは、那覇空港から車で約30分に位置、地上14階建て。敷地面積は約8003・49㎡、延床面積約2万9210・96㎡。客室数は340室。
 ケネディクスとの定期建物賃貸借契約で、運営を西武・プリンスホテルズワールドワイドが行う。
 同ホテルは那覇市街まで車で約20分、北谷エリアまで車で約10分の利便性が高い立地で、沖縄最大級のヨットハーバー「宜野湾港マリーナ」に面したリゾートホテル。コンサートやプロ野球キャンプでも有名な「ぎのわん海浜公園」、海水浴が楽しめる「トロピカルビーチ」、国際会議やコンサートが開催可能な「沖縄コンベンションセンター」へも徒歩圏内と、観光需要に加えリゾートMICEとしても賑わいを創出するエリアで、今後のさらなる発展が見込まれている。
 施設は、全340室がオーシャンビューのテラス付きで、館内にはレストランやスパの他、2階と最上階に2つのインフィニティプールを設け、ホテルの至る所から宜野湾の海の景色を楽しむことができる。
 また館内には沖縄にゆかりのある人々によるアートの展示や沖縄の若手クリエイターとコラボレーションしたサービスの提供など、ホテル滞在を通して沖縄の恵まれた自然環境や文化を体験でき、沖縄の魅力を発信する新たな拠点となることを目指していく。

チョイスホテルズジャパン アメニティ商材を環境仕様に
 全国に「コンフォートホテル」「コンフォートイン」「コンフォートスイーツ」を展開するチョイスホテルズジャパン(東京都中央区)は、プラスチック製消耗品の使用量削減に向け、新たな取り組みを開始する。
 4月1日の「プラスチック資源循環促進法」の施行に合わせ取り組むもので、全国のホテルでこれまで客室に設置していたアメニティのうち、ヘアブラシ、カミソリの設置を取りやめ、ロビーに新たに設置するアメニティコーナーより必要なものを宿泊者に選んでもらう方式に変更する。 
 アメニティ製品を含むプラスチック製消耗品全体について、利用製品の絞り込みや環境に配慮した代替品の検討等を進め、2022年度におけるワンウェイ(使い捨て)プラスチック製品の使用量を2019年度比較で31%削減を目指していく。 
 同社をを含む、グリーンズグループでは、2030年CSR宣言「『環境にも人にも優しいホスピタリティあふれる企業』を目指します」を掲げ、「環境」「コミュニティ」「人」「サービス」の4つの重点課題を設定し、SDGsも視野に様々な取り組みを行っている。
 重点課題「環境」では、「エネルギーと資源利用の最適化」と「環境や社会に配慮した調達」を重点テーマとしており、客室への節水バルブの設置やCO2フリー電力の導入、再生ベッドマットレスの導入などに取り組んでいる。 
 チョイスホテルズジャパンは、北海道から沖縄まで、全国各地でコンフォートブランドのホテルを展開している。

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