不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2020.03.02 16:27

アパホテル 神戸エリア2棟目を「三宮」駅前にオープン オリジナル「新都市型ホテル」に最新型

 アパホテル(東京都港区)はこのほど、神戸市内2棟目となる全176室の「アパホテル〈神戸三宮駅前〉」をオープンさせた。
 同ホテルは、神戸市営地下鉄西神・山手線「三宮」駅徒歩1分、市営地下鉄を含め5社7路線が利用可能な県下最大のターミナル駅の駅前立地にあり、山陽新幹線の「新神戸」駅や神戸空港へも乗り換えなしでアクセスできる。また、縁結びで有名な「生田神社」に近接し、「東門街」や「神戸元町」などの繁華街へも近く、情緒ある「北野異人館街」へも徒歩圏と、ビジネスのみならず、国内レジャー、インバウンドなど幅広い宿泊需要を見込んでいる。 
 客室は同社オリジナルの「新都市型ホテル」の最新仕様で、全室50型以上の大型液晶テレビを設置し、館内案内をテレビ画面上に集約表示した「アパデジタルインフォメーション」を導入。
 自身のスマホからYouTubeの動画や写真などをテレビ画面に映すことができる「ミラーリング機能」やチェックアウト10分前にお知らせ画面が表示され、テレビリモコンでチェックアウト時間の延長手続ができるセルフ延長機能のほか、客室Wi―Fiに接続することで、アパグループ関連書籍やビジネス書籍、観光雑誌が無料で閲覧できる「アパライブラリ」機能を搭載している。 
 全予約経路対応のチェックイン機に加え、クレジット決済に特化した小型の卓上型チェックイン機を導入。また、ルームカードキーを投函するとリアルタイムでチェックアウト処理が行われるエクスプレスチェックアウトポストを設置し、チェックアウト処理の自動化も行っている。
 同社では今年、全国で25ホテル6875室を予定しているが、同ホテルは今年開業2番目のホテルとなる。
 オープンに先立ち、同グループ代表の元谷外志雄氏は、「日本はこれから観光大国へ向かうが、近隣諸国の所得増を背景に、東京オリンピックなどインバウンド需要は今後ますます増えていくと予測している。この先も直営・フランチャイズ・パートナーホテルとアパホテルネットワークを生かし、既存の需要を奪うのではなく、需要が旺盛な場所に出店し続けて行く」と話した。
 同社では現在、神戸市内で2ホテル378室、兵庫県内で3ホテル546室を展開。2025年に開催が決定した大阪万博による需要の拡大を見込み、大阪を中心に関西地区でのホテル開発に注力している。
 大阪地区では今年4月に「アパホテル〈なんば南恵美須町駅〉」、5月に「アパホテル〈新大阪駅前〉」の開業を控えており、2022年オープン予定で34階建て全1709室の「アパホテル&リゾート〈大阪梅田駅タワー〉」2023年オープン予定で39階建て全2064室の「アパホテル&リゾート〈大阪難波駅タワー〉」といった大型タワーホテルを含め 9ホテル5700室を現在、建築・設計中だ。
 現在コロナウイルスが大きく報道されている中、アパホテルでは過去の書籍騒動で中国国内からの予約が出来ない為、中国インバウンド減少での影響は少ないという。
 アパグループは2010年4月にスタートした「SUMMIT 5(頂上戦略)」では、東京都心でトップを取る戦略を推進、東京23区内の直営ホテル数だけで建築・設計中を含む75棟・1万8527室を達成した。2015年4月にスタートした「SUMMIT 5―2.(第二次頂上戦略)」では、国内は東京都心から地方中核都市へと展開を広げ、2020年3月末までにパートナーホテルを含むアパホテルネットワークとして10万室を目指していく。

「THE KNOT TOKYO Shinjuku」コンセプトルームを増設し4月稼働
 いちご(東京都千代田区)では、同社が展開するライフスタイルホテル「THE KNOT TOKYO Shinjuku」(東京都新宿区)に、コンセプトルーム「TERRACE SUITE テラススイート」を4月1日にオープンさせる計画だ。
 109㎡とテラス137㎡の計246㎡の占有面積を有し、収容人数6名のテラススイートには、650Lの冷蔵庫、3口IHコンロ、オーブン付き電子レンジ、鍋カトラリー類、10名用ダイニングテーブル、アウトドアファーニチャーとオーニングを完備する。
 「クラフトエクスペリエンス」を追求した空間は、非日常を味わう部屋ではなく、趣味性の溢れる個人宅に招かれたようなつくりを目指した。
 同社では、「宿泊目的だけではなく、多様なシーンで活躍する部屋とはどんな部屋だろうか。近隣の企業が利用するミーティングスペース、キッチンスタジオ、ヨガレッスン、ウエディングパーティー、アーティスト イン レジデンスなど、様々なシチュエーションを想像した時、この部屋はホテルというよりホームライクな雰囲気が合っているのではないか』と考えるようになった」という。
 家具や備品のセレクトは、日本のオリジナルクラフト、英国アンティーク、60年代から80年代の頃のモダンビンテージ。時代を映し出す代表的な作品から、オリジナルデザインのダイニングテーブルソファなど、アートとインテリアを融合させるよう工夫した。メインの作品のテキスタイルアートは、アーティスト黒田恭章氏が糸を一本一本草木染めし、機織りをして完成させている。
 2018年8月に開業した同ホテルは、目の前に広がる新宿中央公園との関係性を大切に、様々なライフスタイルが交錯し西新宿エリアの文化発信の拠点となるような空間を目指している。408室の宿泊施設以外にワークスペース、レストラン、ギャラリー、多目的に使えるバンケットを備え、宿泊客に限らず、近隣住民、様々な目的でこの地を訪れる人の利用を期待している。 

ヒルトンホテル 沖縄に5棟目開業
 ヒルトン・ホテルズ&リゾーツでは、ヒルトン沖縄瀬底リゾート(沖縄県国頭郡)を7月1日にオープンさせる計画だ。同ホテルはヒルトンが運営を行う沖縄で5軒目の、日本初のビーチリゾートホテルとなる。
 同ホテルは、那覇空港より車で沖縄自動車道経由約90分。敷地面積12万4313㎡、延床面積約2万1000㎡、地上9階建て、客室数は298室。屋内外プールのほか、3か所のレストラン、ロビーラウンジ&バー、ビーチハウス、スパ、フィットネスセンター、宴会場などを併設する。
 客室の広さは36㎡を中心とし、多くの客室からはパノラマに広がる瀬底島の海と星空を眺めることができる。さらにゆったりした滞在希望者のために、大型テラス付きの部屋なども用意する。その他、南国の自然を一望できるオールデイダイニング、イタリアンレストランなど5つの飲食施設、スパ、フィットネスセンターのウェルネス施設、多彩なスタイルに活用できる宴会場などで、立地を活かした旅の楽しみ方やサービスを提供する。

「蓼科親湯温泉」バリアフリーに
 「蓼科親湯温泉」を経営する親湯温泉(長野県茅野市)では2019年4月の全客室リニューアルに加え、2020年1月30日に全52部屋の客室全てに手すりをつけ、シニア層にもより使いやすいよう改装した。
 同社はシニアにも使いやすい環境作りに注力、2019年の客室リニューアル工事では、スイートルーム客室「蓼科倶楽部」の一部を幅広い宿泊者に利用できるようユニバーサルデザイン客室に改装。同時にベッドタイプの客室も新たに15部屋新設し、ベッドタイプの客室には全て手すりを設置した。
 今後より多くのシニアに使いやすく利用してもらえるよう今回和室タイプの客室にも手すりを設置し全客室に手すりがつくようになった。
 同社は客室だけでなく、共用スペースなどの施設やサービス面でも幅広い方に利用してもらえるよう、車椅子の貸し出しや離乳食・介助食の提供などを行っている。

大和リゾート 雅雰囲気醸し出す「D-PREMIUM」
 大和ハウスグループの大和リゾート(東京都江東区)は3月1日、奈良県のJR駅前に、雅で文化的な雰囲気のデザインと自家掘りの源泉を設えた都市型ホテル「ダイワロイヤルホテルD―PREMIUM奈良」をオープンさせた。 
 同ブランドの大きな特徴は、その地域の伝統や文化を生かしたインテリアデザインを採用していること。同ホテルも約1300年前の平城京を想像するデザインを随所に採用している。 
 ホテルロビーへの入口は唐招提寺の文様を描く几帳をモチーフにした門柱を模し、夕刻の灯りは万葉集にも詠われる真朱(しんしゅ)のカラーになるほか、フロントカウンターの背景の中にも吉野の山並みや“鹿”が描かれている。 
 ホテル地下から湧出した温泉の泉質は身体に優しい「単純温泉」。万葉集の言葉を語る壁面は吉野桜が描かれ、浴槽がLEDライトに映されて鮮やかなモザイクを表現した女性浴場には、広々としたパウダールームも設置する。もちろん、男性浴場の壁面にも万葉集に詠まれた松が枝をモチーフにしている。
 客室は万葉集に詠まれる“真朱”(しんしゅ)(やや黒みのある鈍い赤色)や“青丹”(あおに)(暗く鈍い黄緑色)などの色を採用する。新型冷暖房システム「眠リッチ」も導入。赤外線を利用した放射冷暖房システムを採用し、風を感じず、最適な睡眠環境を提供する。
 スタッフは英語・中国語・イタリア語・ロシア語・スペイン語など外国人を配置。世界中の48ヵ国語に対応する最新の外国語翻訳機も導入し外国人利用客の需要獲得を目指す。

女性も泊まれるカプセルホテル
 大王興業(東京都墨田区)は、東京都台東区・上野駅前に、女性も泊まれるスタイリッシュカプセルホテル「Smart Stay SHIZUKU 上野駅前」を2月4日にオープンさせた。
 同施設はJR「上野」駅不忍口より徒歩約3分に位置、客室は男性フロア134室、女性フロア76室、男女大浴場・サウナ、ラウンジ、レストラン、ランドリーを併設する。
 コンセプトは「プライベートオアシス」で、「利用客の実りの多い旅を、高いクオリティでサポートすること。身体の疲れを癒し、心からくつろげること。心と身体の滋養となる、質の高い睡眠をとれること。一日をアクティブにスタートするための心と身体の潤いをチャージできること」に重点を置いた作りとなっている。

PAGE TOPへ