不動産トピックス

クローズアップ 販促ツール編

2020.02.03 18:02

 オフィスや部屋を選ぶ際の決め手ともなり得る「間取り図」。図面作成には手書きの見づらさや業者とのやり取りの面倒さがつきものだが、近年ではその風潮も変わりつつある。今回は、「間取り図」、「見取り図」の最前線をとりあげる。

システムエイト  手書きの間取り図データ化サービス
 不動産物件売買・仲介の販促ツールのひとつに「物件図面」がある。いわゆる「間取り図」、「見取り図」のことだ。インターネット上で不動産物件を検索する場合、写真と共にそれらの「物件図面」を参考にすることが多い。今では専用のソフトで制作することが当り前である図面だが、築古の物件では、昔の手書きの図面や、古くて劣化し読み取りにくくなった図面しか存在しない場合も少なくない。ネット上の物件紹介で公開するにも、顧客への物件資料に添付するにも、手書きの図面等が古く見にくいものであれば、かえって物件のイメージが悪くなってしまい、それだけ古さを強調してしまう。
 システムエイト(横浜市青葉区)では、手書きで作成された図面、また見にくい間取り図を1件1件、見やすく分かりやすく電子データ化するサービスを提供している。数十年経過しているのは建物だけではない、物件図面も経過している。データ化してあれば劣化はしないが、紙の図面では線も消えかけていたり、文字が薄れていたり、資料とするには不十分だ。そこで、同社では古い図面を1枚1枚、パソコン上で「清書」する作業(データ化)をサービス提供している。
 同社代表取締役の稲葉眞樹氏は、「売主が手元に持っている古い図面には余計な線や文字が書かれていることも多く、また、現況の間取と相違している場合も少なくありません。その場合は担当者から聞き取りを行ったり、写真を参考にしながら作成します。間取り図は不動産物件の売れ行きを左右する重要な資料の一部ですから、1枚ずつ、丁寧に仕上げています」と話す。都心だけでなく地方からの問い合わせも多く、2019年は前年より147%増の注文があったという。もともとは不動産業界で営業を担当していた同氏、「古く見にくい図面を綺麗にデータ化(作成し直す)する需要が増えてきたということは、売る予定のなかった古い物件を売りに出したということ。不動産所有者の新陳代謝が始まり、不動産中古売買の市場が活発になってきたということでしょうか。不動産の周辺産業ですが、そういった市況動向も垣間見ることができます。空家が増加傾向の昨今、今後の業界の動きに注目しています」(稲葉氏)。

1000円で叶うインテリア・エクステリアの3Dシミュレーションサービス
 CO2create(東京都杉並区)は、空間サービスの総合サイト「Lifes time(ライフズタイム)」を先月29日にリリースした。
 同社は「空間を想像する、もっと楽しく創造する」をモットーに、1年前から提供サービスを構想。多くの複雑なニーズを一元管理することでシンプルかつリーズナブルに手軽なサービスを提供したいという思いでスタートアップした。
 「Lifes time(ライフズタイム)」は住宅(戸建・マンション・賃貸)、店舗、オフィス、外構、展示会、インテリア・エクステリアの空間デザインサービスをプランニングから施工まで提供する空間サービスの総合サイト。同サイト内には様々なジャンルのニーズを、3D技術を用いた業界初のバーチャルショップとして表示している。ビジュアルでサービスが選択出来るため、個人顧客~法人企業まで直観的に希望のサービスへたどり着ける仕様となっている。
 3Dシミュレーションサービスは、1000円で使えるカラーシミュレーションや5000円からの内観・外観コーディネートパースまで、インテリア産業協会登録のプロコーディネーターが作成するリーズナブルかつハイクオリティなサービスを提供する。
 カラーシミュレーションサービスは空間づくりで迷いがちなカラーイメージを1000円で3パターン作成できる。住宅、店舗、オフィスなど様々な空間づくりの初期段階に利用できるサービス。間取り図・施工図面から対象の空間を3D再現し、床・壁・天井・設備等の希望の建材情報を反映する。学生でも手軽にプロコーディネートを体感できる程リーズナブルで手軽なサービスとなっている。3Dシム・住宅・店舗・オフィス・民泊・外構・展示会・家具販売、経験実績のある豊富なジャンルに対応した空間づくりのサービスを用意する事で「3Dイメージのみ」、「3Dイメージ+コーディネート」、「3Dイメージ+コーディネート+内装工事」といった、1つのサイト内で顧客ニーズに合わせた様々なサービスチョイスを実現した。

「オピアずめん」提供開始 1件2500円からの販売図面 チラシ作成クラウドサービス
 オピアエージェンシー(東京都港区)は、業界初となる不動産販売図面作成クラウドサービス「オピアずめん」のサービス提供を開始した。
 同サービスは「不動産業界にITを通してよろこびを創り出すこと」を目指し、不動産専門広告代理業、同社が開発したクラウド型の不動産販売図面およびチラシ作成サービス。不動産業界では従来、不動産販売用の販売図面を作成する際、まずは専門の業者に販売図面作成を依頼し、その販売図面をもとに、不動産販売用図面を作成する必要があった。「オピアずめん」では、この作業をクラウドシステム内で完結。簡単な操作で、高クオリティの不動産販売図面およびチラシを作成できる。
 料金は定額制で利用頻度やサービス内容に応じてベーシックプラン、スタンダートプラン、プレミアムプランの3つのプランが用意されている。
 ベーシックプランは月額料金5万円で20件の図面が作成できる。コストを抑えて手軽に利用したいユーザー向けのプラン。スタンダートプランは、月額料金8万円で80件の図面が作成できる。間取り図+区画図も全て作成できる。プレミアムプランは、月額料金25万円で200件の図面が作成できる。間取り図+区画図も全て作成でき、更新のみ自社で行いたいユーザー向けのプラン。

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