不動産トピックス

クローズアップ 不動産情報共有編

2019.12.02 11:11

 不動産売買などの業務では機密性の高い情報を扱うこともある。紙では万一の場合のリスクもある。それに対するソリューションとしてクラウド上での共有という方法がある。単なる共有は多くのサービスがあるが、漏洩リスクを避けるため、セキュリティにも注意したい。

「AOSデータルーム 不動産」を提供開始 機密情報の共有を円滑かつセキュアに
 リーガルテックは10月24日から「AOSデータルーム 不動産」のサービス提供を開始した。
 同社はAOSテクノロジーズ(東京都港区)の100%子会社。もともと沿革をさかのぼると、1995年にソフトウェア会社として誕生。消えてしまったデータを後から復元できるシステムメンテナンス分野のデータ復元ソフト「ファイナルデータ」を主力製品として展開していて、2000年から19年連続で日本市場にて最大のマーケットシェアを獲得してきた。
 クライアント先としては官公庁などや大手企業が並ぶ。情報漏洩対応のスペシャリスト集団としての認知を高めるとともに、2001年には日本の警察機関から依頼を受けて犯罪捜査に使う警察機関専用のプロフェッショナル版のデータ復元ソフトを提供。デジタル証拠の分析を行う「デジタルフォレンジック」に関するソフト、サービスも提供し、民間企業でも不正が合った場合の調査手法として活用されている。その後、事故後の対応サービスだけでなく、予防ニーズも高まった。そこで出てきたのが「VDR(バーチャルデータルーム)」だ。
 VDRは機密性の高いデータを万全のセキュリティを構築しているクラウド上で保管しいつでも承認した相手と共有することのできるもの。「オンライン貸金庫」とも言えるものだ。国内ではまだまだ認知が薄いが、金融機関等は先行して利用している。VDR&フォレンジックカンパニーVDRチーム長の吉木政人氏は「2年前からVDR事業を展開しています。国内企業で提供しているのは当社のみです」と話す。
 社内や社外の取引先・協力企業との円滑な情報のやり取りを機密性の高い形でできることがメリットとなっている。コピーなどを防ぐために透かしをいれる機能があるなど多機能だが、操作性は「パソコンを使用している方であれば、直感的に操作できる」もの。
 「AOSデータルーム 不動産」では契約書や図面などのやり取りでの利用を想定している。不動産関係の書類ではCADやイラストレーターなど専用のソフトウェアを利用して作成したデータも多い。通常であればソフトをインストールしていなければ閲覧することができないが、「AOSデータルーム 不動産」のなかでは各ソフトのビューワー機能が整っている。パソコンだけでなく外出先でタブレットなどから確認することも可能だ。
 また画像データやPDFなど画像化された文字を認識するOCR機能も搭載。「単語を検索して、当該の書類を探すことも可能」だという。
 アクセス権限は細分化されている。たとえばダウンロード権限を付与する人や、アップロードできる権限を付与するなど、その人の役割に合わせた共有の仕方が可能。それらの権限に対して有効期限を設けられる。ペーパーレスも実現できるので、膨大な紙資料からも解放される。
 「またアップロードした書類を誰が閲覧したか確認できるログ機能もあります。ログを確認することで見てほしい人がちゃんと見ているかも確認できます。メールなどでしばしば起こる、送付したのに確認していないという問題もクリアにできます。情報共有の効率化が実現することで、各社が課題として抱えている業務の効率化にも資することが可能です」(吉木氏)
 同社では現在、「AOSデータルーム」のスタートアップ企業版や人事管理版など、それぞれの業務・業界に合わせたバージョンを展開している。それらの共通点はこれまで機密性が高いことからこれまでデジタル化しづらかった分野だ。VDRによってデジタル化の機運がもたらされそうだ。

「いえらぶCLOUD」に「ファイル保存」機能
 いえらぶGROUP(東京都新宿区)が展開する「売買版顧客管理機能(CRM)」に新たに「ファイル保存」機能を実装した。クラウド上で顧客に紐づかせてファイルを保存でき、業務効率化と安全性の向上に貢献する。
 不動産売買業務では「物件チラシ」、「重要事項説明書」、「売買契約書」、「営業活動報告書」など様々な書面が利用される。これまでの紙やローカルサーバーでの管理では顧客と紐付けができていないことによる不便、保管場所・保存領域のコスト、紛失や破損などのリスクがあった。
 今回実装されたオンラインストレージの「ファイル保存」機能は顧客とファイルの紐づけによる業務の効率化やクラウド管理による安全性の担保など、不動産売買業務におけるデータの一元管理に最適化されたサービスとなる。


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