不動産トピックス

今週の一冊

2018.05.21 17:17

築古マンションがお荷物になる時代 捨てられないならよみがえらせる

著者:小山友宏
発行日:2018年3月1日
発行所:幻冬舎メディアコンサルティング
価格:1500円(税別)

著者は通称「マンション再生請負人」という。老朽化した空室ばかりのマンションをよみがえらせ満室物件とするという、一体どんな謎があるのかとつい手に取ってしまう本。そして読みごたえはどうかというと、やはりプロの不動産業界人として、日本の少子高齢化・人口減少から解説が始まる。王道の不動産の現状解説本の面を持ちつつ、本書はまず、テーマである「築古物件をよみがえらせる」方法として基本原則を意外な面から語っている。いわく、「エントランスとゴミ箱をきれいに」「賃料を下げるのはもろ刃の剣」「女性目線を意識」など、意外にも普通のポイントである。そしてだんだんと上級メソッドに移っていき、管理会社選びのポイントは「提案力」「募集力」「対応力」「地域密着力」を挙げ、リフォーム・リノベーションの修繕ポイントもしっかりはずさず、やはり最後には金融資産としてのマンションを考えさせる計算された流れ。収益物件の買い方・増やし方で締める手腕は見事。

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