不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2017.10.30 10:50

ナインアワーズがリノベーションでカプセルホテル×ロウリュオープン
 ナインアワーズ(東京都港区)はこのほど、独自のサウナと睡眠に特化した新しいサービス「ドシー(℃)」の展開をスタートさせる。1号施設として12月16日にJR「恵比寿」駅近くに「ドシー恵比寿(℃恵比寿)」(東京都渋谷区)をオープンするほか、2号施設として2018年上旬にJR「五反田」駅近くに「ドシー五反田(℃五反田)」(東京都品川区)をオープンさせる。
 同事業は不動産金融コンサルティングのビーロット100%出資会社ヴィエント・クリエーション(東京都渋谷区)との協業によるもの。 
 「ドシー恵比寿」は敷地面積125・122㎡、延床面積878・097㎡、客室数は男性102室、女性60室。一方、「ドシー五反田」は敷地面積127・44㎡、延床面積891・57㎡、客室数は男性のみ164室。いずれも所有はヴィエント・クリエーション。  恵比寿と五反田は交通の要衝であることに加え、ITベンチャー企業が多数集積する地域でもある。旅行や出張者の利用だけでなく、「多忙な日々を過ごすビジネスパーソンにも、24時間の中で必要なシーンを切り取って、よりアクティブな都市生活の道具としてご利用いただけると考え、新しいサービスを展開することとなりました」(同社)。
 同ブランドはサウナ体験の要である温度を表す単位「ドシー(℃)」をブランド名に据え、"ロウリュ"とウォームピラー(冷水)のセットによるサウナをメインにした24時間型のトランジットサービスを提供していきたいという。
 宿泊・仮眠スペースであるカプセルユニットは従来のものを活かしてリユースし、そこに高機能なサウナを加えた。同社は宿泊だけでなく、日中の自由時間でも手軽に利用してもらえることを期待している。
 「ドシー」は、サウナの本場フィンランドに倣い、室内は高めの90℃前後に定温管理しながら、熱したサウナストーンに利用者自身でミント水をかけて蒸気浴を楽しむ"ロウリュ"を提供する。また、クールダウンには水風呂ではなく、水流を制御した水の柱が頭上から流れるTOTOのウォームピラーを、冷水専用にコントロールして用意する。
 また「ドシー」では、従来型のカプセルユニットをリユースするのが特徴だ。
 ナインアワーズは、都市生活者や旅行者がよりアクティブに活動するために、宿泊だけではなくシャワーのみの利用や仮眠といった様々なシーンで効率的に利用できるサービスを提供。「アクティブに活動するお客様にとって、『ナインアワーズ』は今日と明日を繋ぐなだらかな通過点=トランジットでありたいという想いから提供するサービスをトランジットサービスとしています」(同社)という。

アパホテル 名古屋・京都でホテル開発に着手
 アパホテル(東京都港区)は、地方都市での直営ホテルを積極的に進めていく。このほど、京都・名古屋エリアでの開発計画を発表した。  京都エリアは京都駅前に市内6棟目となる。グループ会社のアパホーム(石川県金沢市)が土地所有者より事業用地を賃借し、アパホテルが「アパホテル〈京都駅東〉」として運営する。
 予定地はJR「京都」駅烏丸口側に位置し、敷地面積は1135・21㎡。完成すれば延床面積約8000㎡、11階建て、全400室規模のものとなる。
 同ホテルが位置する場所はJR地下鉄のほか、各社路線バス発着所にも近接していることから、観光やビジネスの拠点としてインバウンドなどの幅広い需要を取り込むことが期待されている。
 京都市内では、今年8月に全105室の「アパホテル〈京都駅北〉」が開業し、全515室の「アパホテル〈京都駅堀川通〉」のほか、「アパホテル〈京都駅前〉」、「アパホテル〈京都祇園〉EXCELLENT」などが稼働しているが、今回の計画により、京都市内のアパホテルは6棟・1505室になる予定だ。
 一方、名古屋エリアはJR「名古屋」駅前に市内6棟目のホテル開発用地を取得。取得会社はアパホームとなる。敷地面積808・33㎡で、完成すれば延床面積約5800㎡、全318室の「アパホテル〈名古屋駅前〉」として運営していく予定だ。
 同地はJR「名古屋」駅太閤口より徒歩4分。2027年のリニア中央新幹線の開業も控え、周辺エリアの再開発等も活発化しており、「今後更に観光客やインバウンドなどの増加が見込まれる中、特に発展著しい名古屋駅周辺エリアでの出店を決めました」(同)。
計画地は現在店舗として運営中であることから、20カ月間賃貸で運用後、ホテル開発に着手していく。
 アパホテルは名古屋市内で、350室の「アパホテル〈名古屋栄駅北〉」が2年後に開業を控えているほか、今年6月に全150室の「アパホテル〈名古屋栄東〉」、全400室の「アパホテル〈名古屋栄〉」などが稼働している。「アパホテル〈名古屋駅前〉」が完成すれば名古屋市内のアパホテルは6棟・1722室になる予定だ。
 アパホテルは現在、建築・設計中、海外、FC、パートナーホテルを含め433ホテル7万2212室を展開、年間宿泊数は1252万名にも及ぶ。今後、2020年3月までにパートナーホテルを含むアパホテルネットワークとして10万室を目指していく。

「泊まれる公園」をコンセプトに自治体との連携で”新宿泊施設”
 リノベーション事業を手掛けるオープン・エー(東京都中央区)は、静岡県沼津市の旧沼津市立少年自然の家跡地を開発、「泊まれる公園」をコンセプトにした「INN THE PARK(イン・ザ・パーク)」を開業させる。
 同施設は敷地面積9000㎡で、自然環境を活かした体験型アクティビティと宿泊・飲食施設を融合させたもの。沼津市とオープン・エーによる公民連携の"パークリノベーション"となる。施設は宿泊棟4棟、ドームテント3棟、吊テント1棟のテントエリア、本館にはフロント棟、屋外ダイニング、浴室棟、工芸館、芝生広場、キャンプファイヤー場を備える。種別は簡易宿泊所。
 既存の宿泊棟の建屋を活かし、内装をリノベーションし、公園の森の中には球体型テントを4棟新設した。管理棟として運営されていた建屋内を改修し、サロンとカフェを設置する。これらの施設は宿泊者への朝夕の食事提供だけではなく、将来的には一般へも開放をしていく計画だ。
 "少年自然の家"の開業時に提供されていた星空観察、野草・山菜の採取調理、昆虫採集などの自然体験アクティビティはだけでなく、写真教室、ヨガ、アロマ、ネイチャークラフトなど地元の有識者や講師を招いたワークショップ、地元生産者と連携したマルシェ、飲食店と連携したケータリングイベントや料理教室等多様な展開を予定しているという。
 この事業では、施設のリノベーション以外にも、沼津市と協議し設置許可等を得ることで、公園敷地内にテントや移動式カフェを新設するほか、芝生広場を利用したイベントの開催など、公民連携のスキームを最大限に生かした事業を進めていく。
 オープン・エーは、公募型プロポーザル方式の運営事業者公募に応募し、優先交渉権者として選定され、その後、沼津市と基本協定を締結し、4月よりリノベーション工事に着手した。

「スマイルホテル徳島」開業 「東急REIホテル」改装
 「スマイルホテル」ブランドを全国で展開しているホスピタリティ オペレーションズ(東京都千代田区)は、2018年4月1日より「スマイルホテル徳島」(徳島県徳島市)としてリブランドオープンする。
 同施設は2016年4月1日より運営していた「徳島東急REIホテル」の改装するもの。JR「徳島」駅より徒歩約5分に位置し、客室はシングルからデラックスツインルームまで6タイプの全138室。
 主な設備は朝食会場、インターネット接続無料、VOD、コインランドリー、コイン式パソコン、飲料自動販売機、製氷機など。客室にはテンピュール社製枕、デュベスタイルの羽毛布団、加湿機能付空気清浄機、ズボンプレッサーを備える。
 同社は全国でホテルをはじめ、スキー場、ゴルフ場などのホスピタリティ事業を展開。近年、ホテル事業を積極的に拡大させており、8月には「スマイルホテル川口」(埼玉県川口市)、10月には「スマイルホテル奈良」(奈良県奈良市)をリブランドオープンさせる。
 また、12月には新ブランド「スマイルホテルプレミアム」の第1号店として「スマイルホテルプレミアム 大阪本町(大阪府大阪市)をオープンさせる計画だ。
 「スマイルホテルプレミアム」ブランドは、スマイルホテルのアッパーブランドとして、シックで落ち着いた色合いの内装に、使い心地や機能性にこだわった備品と上質なアメニティを取り揃える。

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