不動産トピックス

商業ビル最前線

2007.05.28 10:11

<イベント情報>小田急電鉄 700年の歴史あるフラッグショーの本場よりイタリアン伊達男たちによる壮麗な旗振り演技 丁寧な指導による体験演技で観覧者も旗振り
 小田急電鉄(東京都新宿区)を中核とする、小田急新宿西口〜南口の小田急グループ6施設のエリア総称「新宿テラスシティ」は、5月18日から20日にかけて、フラッグショーの本場№1チーム来日による「新宿テラスシティイタリアン・フラッグショー」を開催した。
 「フラッグショー」は約700年もの歴史あるイタリアの伝統芸能で、イタリア全土に約400のチームがあるといわれ、競技リーグ組織も形成されている有名な競技。中世イタリアの色鮮やかな衣装を身にまとった「イタリア旗振り選手権」最強の精鋭6名のチーム「モンタニャーナ・チッタ・ムラータ」が、ラッパと太鼓の音に合わせて最大10本以上の旗を操る壮麗なパフォーマンスを次々と披露した。シングル競技では、「イタリアン伊達男から、アモーレ!」と題し、特別演技となる来日記念演技も行われた。
 演技後は演技観覧者の中から旗振り体験者を募り、旗振りを体験した女性は「少し重たい」「風で旗がまとわりついて上手く振れない」と苦戦しながらも、本場イタリアの選手から丁寧な指導を受けて演技を楽しんだ模様。
 今回のイベントは「WelcomtoSHINJUKU」キャンペーンの一環として「日本におけるイタリア2007・春」を機とし、イタリア大使館商務部、イタリア政府観光局、イタリア旗振り連名の後援のもとで開催された。

<商店街活動>新宿中央通発展会 蓬莱薬品 代表取締役 古澤孝氏 ソフト・ハード面より地域商店街の新興を図る取り組み 海外旅行客を対象に4カ国語に対応したマップも作成
 新宿3丁目の中央通りに面する店舗等が加盟する商店会「新宿中央通発展会」は、長期に渡る地域商店街の振興を図るため、ソフト・ハード面より様々な活動を行っている。
 中央通り沿いには無線LANで繋がる防犯カメラが設置されているが、これも同会の活動によるものだ。平成13年11月、防犯カメラネットワークを導入。IT管理によるこの防犯装置は全国初の取り組みだった。今年3月末には新しいネットワークカメラに入れ替え最新設備とし、その影響もあり繁華街にあって路上犯罪は非常に少ないエリアとなっている。
 中央通沿いは路面店で坪10万円前後となる一大商業エリアであり、店舗は全国チェーンの飲食店になりがちとなっている。チェーン店が連なるエリアに、果たして人が足を運ぶだろうか、と同会会長古澤氏は懸念する。今後は少子化による購買層の減少なども想定されており、長期に渡る経営戦略が求められる。
 「3年5年の間は、何をしなくとも経営は成り立ちます。しかし10年20年後には商業環境や購買層、そのニーズも変容してくるでしょう。先を見越した街の振興策を講じることが肝要です」
ここ新宿界隈は1日あたり1万人もの海外客が足を運ぶエリアでもある。そこでそれらの海外客を囲い込むため、同商店会に加盟する飲食店のメニューを4カ国語に翻訳。また、同エリアのマップも4カ国語に対応させ4種類作成した。
 「店舗が活性化しないと街は活性化しません。景気が下降してからではなく、景気が昇り調子の内から常に振興策を考えていく必要があります」

<新規開発>ニューパラダイム 新手法の空地活用を神宮前でトライアル 一等地に建つプレハブ小屋個性豊かなテナントが出店
 5月1日、渋谷区神宮前6丁目に新規店舗がオープンした。同店舗は「キャットストリート」に連なり、地価相場で坪2000万円ともいわれる好立地にある。敷地面積約185㎡となる同地には、高層ビルではなくプレハブ小屋が建てられている。テナントはドッググッズブランド「CANERICCO」をはじめ、犬のマッサージ店や小物店が並ぶ。「CANERICCO」と業務提携し店舗内装などを手がけたニューパラダイム(東京都中央区)の代表取締役社長である石川保氏は、「表参道はニュース性のある立地として、サテライト的な店舗展開をするにあたり新ブランドの話題作りにちょうどよい立地です」と語る。
 同地は、新規物件の方向性を決めるため、オーナーの意向によりここ1年間様子を見るため更地にしたもの。空き地活用方法として駐車場などにするケースが多いが、今回のケースはプレハブ小屋を提供しテナントにある程度自由に改装し利用してもらうという特殊な方法だ。店舗面積は一店約2・5坪だが、プレハブ以外の敷地は共有部として自由に利用できる。同地は空物件情報が非常に少なく、また物件が出ても坪10万円以上に加え保証金12カ月分という、個人が出店するには手が出せない土地となりつつある。この物件は保証金代わりに敷金1カ月礼金1カ月のみとし、新規出店をしやすいしくみとなっており、個性豊かな店舗の出店に繋がった。
 「今回の事例は、幅広い空地活用の周知に繋がるものです」と石川氏は語る。空地活用を兼ねた今回の試みは来年5月31日まで継続し、今後の用途を決定する。

ダイエー 都城店をイオンモールへ売却 複合商業施設へ新規出店予定
 ダイエー(東京都江東区)は、5月17日にダイエー都城店の建て替えを実施することを発表した。
 イオンモール(千葉県千葉市)に同社所有の土地・建物(敷地面積5万7389㎡、建物面積1万7851㎡)を売却し、イオンモールが平成20年秋を目処にオープンを予定している複合商業施設に、核店舗として新たに出店する予定だ。
 ダイエー都城店は、昭和48年11月のオープン以来、地域密着の営業展開を進めてきたが、開店より33年が経過し、商圏の変化や建物および設備の老朽化が著しくなってきていた。そのため、広大な敷地を郊外型大型SC開発で実績のあるイオンモールに売却。イオンモール集客力との相乗効果により、地域のニーズに対応する店舗の再構築を目指す。
 既存の店舗については、平成20年6月頃まで営業する予定。

スウォッチグループジャパン 世界初となる時計のランドマークセンター 1階から14階まで全開可能なガラス製
 スウォッチグループジャパン(東京都中央区)が手掛ける、世界で初となるウォッチ・ランドマーク「ニコラス・G・ハイエックセンター」が、5月24日、中央区銀座7丁目中央通りにオープンした。
 地下2階地上14階建て、2階から4階まではスウォッチグループが擁する6つの高級時計ブランド、地下1階にはスウォッチのフラッグシップブティックがオープンする。5階から7階にはカスタマーサービスセンターおよび同社本社オフィス、最上階にイベントホールを備える。
 1階から14階まで全開可能なガラス製の外壁となっており、外壁を解放すると「アベニュー・ドゥ・タン」が出現。同ビル内でブティック展開する7つのブランドショールームとして、全てのブランドをエントランスにて一堂に会せる空間となっている。このショールーム自体がブランドブティックへと導くエレベーターとなっているのも大きな特徴だ。

丸井 大井町店を8月に営業停止全国店舗網の効率化を図る
 丸井(東京都中野区)は、5月15日、品川区東大井5丁目にある「丸井大井町店」をパシフィックマネジメント(東京都千代田区)に売却することを決定した。
 今年秋の有楽町店(仮称)のオープンにあわせ大井町店は8月に営業を停止し、9月下旬に引き渡す予定。パシフィックマネジメントは取得物件の利用方法を明らかにしていない。大井町店は平成元年9月に開業、2館構成となる売り場面積は約1万9600㎡。帳簿価格にして7866万円となるが、売却価格は未定だ。
 丸井はこれまでにも店舗のスクラップアンドビルド政策として、新店を積極的に展開する一方で、不振店は閉鎖する方針で進めてきた。今年中には中野店、来年早々には郡山店の営業停止を予定しており、そこで店舗のスリム化はひとまず終了することとなる。

ユニクロ 売場面積約900坪の日本最大規模シ ーズン毎1000商品ラインアップ
 5月25日、ユニクロ(山口県山口市)は、世田谷区千歳台3丁目に売り場面積が約900坪となる「ユニクロ世田谷千歳台店」をオープンした。新規開発されたロードサイド商業施設の1階店舗部分にテナントとして入居する。
 ユニクロの売り場面積としては日本最大級となるこの世田谷千歳台店は、オープンにあたり、米国・英国・日本の各国ユニクロビジュアルマーチャンダイジングチームが集結して設計。その売り場面積の広さを活かし、シーズン毎に1000アイテムの商品をフルラインアップ。
 また、今回の新店舗には新しい試みとして「SHISHU&PRINTLABO」を設置。店舗内で刺繍とプリントサービスを受けられる。
 同社は今後も全国的に500坪から1000坪規模の大型店舗を新規展開していく姿勢を見せている。

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