不動産トピックス

過熱する投資市場の現場から

2006.09.04 15:50

MIDリート投資法人 9物件を1464億5000万円で取得 8月29日東京証券取引所上場 初値は49万2000円の公募割れ
 MIDリート投資法人(大阪市北区)は、8月29日、東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場した。
 同投資法人は、大阪圏(大阪府・兵庫県・京都府)を重点的な投資エリアとして位置付け、オフィスビルを重点的な投資対象としているJ-REIT。MIDグループ(MIDリートマネジメント、MID都市開発及びそのグループ会社)の有するオフィスビルの売買・仲介・開発・運用・管理に関するノウハウやネットワーク等の総合力を最大限に活用する方針だ。
 8月31日、①昭和61年3月竣工、延床面積14万6034・98㎡の「ツイン21」、②平成2年2月竣工、延床面積8万4952・57㎡の「松下IMPビル」、昭和49年8月竣工、延床面積1万7143・04㎡の「松下電工ビル」、④昭和55年10月竣工、延床面積1万6289・44㎡の「御堂筋MIDビル」、⑤平成12年2月竣工、延床面積4833・88㎡の「東野田MIDビル」、⑥昭和56年5月竣工、延床面積6876・84㎡の「京橋MIDビル」、⑦平成7年1月竣工、延床面積2921・29㎡の「MID芝金杉橋ビル」、⑧平成11年6月竣工、延床面積9433・34㎡の「コナミスポーツクラブ京橋」、⑨平成15年9月竣工、延床面積9万5743・99㎡の「イオン津田沼ショッピングセンター」を総額1464億5000万円で取得し、資産運用を開始した。
 上場日当日は、公募価格51万円に対し、49万2000円の初値を付け、公募割れでのスタートとなった。

ケネディクス不動産投資法人 KDX東新宿ビルを29億5000万円で取得 1階は取得後コンバージョン予定
 ケネディクス不動産投資法人(東京都千代田区)は、「KDX東新宿ビル」の信託受益権を取得した。
 同物件は、都営地下鉄大江戸線「東新宿」駅徒歩1分に位置する、平成2年1月竣工、地上9階・地下1階建て、延床面積7885・40㎡の事務所・倉庫・駐車場用途のビルだ。
 同投資法人は、同物件について、職安通り沿いの立地という視認性の高さ、平成20年6月開業予定の地下鉄13号線「新宿七丁目」駅開設による交通利便性の向上、日本テレビゴルフガーデン跡地の大規模再開発が予定されていることによる、周辺地域の発展を見込む。建物についても、1階エントランスホール床や壁面一部の大理石張り等の高品質仕上げや、事務室スペースの無柱空間、OA床や個別空調等のスペックも評価している。現在、閉鎖・廃止済みの元給油所だった1階は空きスペースの状態となっているが、貸室へとコンバージョンし、テナントを誘致する予定だという。
 物件価格は29億5000万円。物件取得先は住友生命保険(大阪市中央区)、新日本石油(東京都港区)だ。

森トラスト総合リート投資法人 ホテルオークラ神戸を190億円で取得 観光地メリケンパーク内に立地 高い視認性とブランド力を評価
 森トラスト総合リート投資法人(東京都港区)は、「ホテルオークラ神戸」の信託受益権を取得すると発表した。
 同物件は、JR線・阪神電鉄「元町」駅徒歩10分に立地する、平成元年3月竣工、地上35階・地下2階建て、延床面積7万2240・49㎡のホテルである。
 神戸市を代表する観光地として、全国的にも知名度の高いメリケンパーク内という好立地、同エリアに存在するポートタワー、神戸海洋博物館などのシンボリックな建築物とともに高い視認性を有している点。そして、「ホテルオークラ」ブランドのもと、国際的な高級ホテルとして運営されており、関西エリアでも有数の規模を誇る大宴会場、チャベル、スポーツ施設のほか、多種多様な飲料施設を有していること等を同投資法人は物件取得にあたり、評価した。
 同信託受益権の想定NOIは9億7700万円。物件取得先はラムダ・プロパティーズ・ジャパン・インク(米国デラウェア州)で、取得価格は190億円となっている。

ジャパンリアルエステイト投資法人 名古屋の2物件を取得しポートフォリオ拡充 物件取得価格は総額55億3000万円
 ジャパンリアルエステイト投資法人(東京都千代田区)は、東京海上日動火災保険(東京都千代田区)より「広小路東京海上日動ビルディング」を16億8000万円、また三菱地所(東京都千代田区)より、「錦パークビル」を38億5000万円で取得すると発表した。
 「広小路東京海上日動ビルディング」は、地下鉄東山線・鶴舞線「伏見」駅徒歩5分に立地する、昭和62年9月竣工、地上9階・地下2階建て、延床面積6445・08㎡の事務所・店舗複合ビル。「錦パークビル」は、地下鉄桜通線・鶴舞線「丸の内」駅徒歩1分に位置する、平成7年8月竣工、地上22階・地下1階建て、延床面積2万5091・91㎡の事務所・店舗・住宅複合ビルだ。
 今後も底固いオフィス需要が期待される名古屋エリアにおいて、今回取得する2物件に加え、同投資法人が保有している「名古屋広小路ビルヂング」及び「名古屋御園ビル」と合わせて合計4物件とラインアップが充実することで、賃料水準、グレード、規模等の選択の幅が広がること等を、物件取得の理由に挙げた。

歌舞伎座 松竹より賃借中の土地の一部を取得 経営基盤の充実・強化を図る
 歌舞伎座(東京都中央区)は、今後の事業展開を考慮し、経営基盤の充実および強化を図り、松竹(東京都中央区)より賃借している土地の一部を取得した。
 同社は、既に機能性、バリアフリーの観点から、鑑賞環境の改善を図り、歌舞伎座の建て替えを決定しているが、今回の土地取得もその建て替え事業の一環と位置付けられる。
 今回取得したのは、土地2644・63㎡で、取得価格は35億6000万円となっている。
 ちなみに、同土地の簿価及び譲渡費用は200万円だったため、松竹には30億4900万円の譲渡益(連結決算)が発生した。

日本ビクター 遊休資産の売却で財務体質を健全化 築地・神戸の物件を計81億6900万円で譲渡
 日本ビクター(横浜市神奈川区)は、遊休資産の売却を進め財務体質の健全化を図り、東京・築地の土地(東京都中央区築地三丁目)、神戸の土地・建物(兵庫県神戸市中央区磯上通三丁目)を売却すると発表した。
 築地の土地は、2427・39㎡の現況、駐車場として利用されており、帳簿価格は6億7100万円となっているもの。8月31日、(財)聖路加国際病院に68億円で譲渡した。
 また、神戸の土地建物は、同社の旧営業所で土地面積は1131・44㎡、建物面積は1054・18㎡からなる。帳簿価格は土地1億300万円、建物900万円となっており、ノバック(兵庫県姫路市)に13億6900万円で9月下旬に売却する予定だ。
 日本ビクターと聖路加国際病院、ノバックの関係性については特にない。
 なお、今回の固定資産譲渡による業績への影響については、確定後に改めて発表するという。

プレミア投資法人 築浅物件「アクロス湯島」を取得 物件取得価格は18億300万円 5駅5路線利用可能 単身者の需要見込む
 プレミア投資法人(東京都港区)は「アクロス湯島」の信託受益権を取得した。
 同物件は、東京メトロ千代田線「湯島」駅徒歩1分に立地する、平成18年3月竣工、地上14階建て、延床面積2527・46㎡からなる全70戸ワンルームの共同住宅だ。
 物件取得にあたり、徒歩10分圏内に、銀座線「上野広小路」駅、都営大江戸線「上野御徒町」駅、JR山手線・京浜東北線「御徒町」駅など、5駅5路線が存在する交通利便性の高さ、そして上野公園内の文化施設、東京医科歯科大学付属病院等の各種施設も徒歩圏という生活環境面の充実から、都心の近接性を重視する単身者の需要が見込めることを評価した。
 物件取得先は、ティーピーエーデベロップメント(東京都品川区)で、取得価格は、18億300万円となっている。

日本レジデンシャル投資法人 パシフィックレジデンス東品川を取得 価格は23億1700万円 運用資産の安定成長見込む
 日本レジデンシャル投資法人(東京都千代田区)は、パシフィックレジデンス東品川を取得した。
 同物件は、京浜急行本線「北品川」駅徒歩7分に立地する、平成18年8月竣工、地上11階建て、延床面積3433・30㎡の共同住宅である。
 同投資法人は、物件取得にあたり、JR線「品川」駅からも徒歩圏に位置し、都心の主要オフィスエリア、商業中心地へのアクセス性に優れ、都心への近接性を重視する単身者の需要が高いと評価。また、新築物件の取得により、ポートフォリオの平均築年数の低減を図れることから、運用資産の安定成長も見込めると判断している。
 なお、物件取得先はニチモ(大阪市北区)で、取得価格は23億1700万円だ。  

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