不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2006.09.04 16:11

<コンクリート機能化>飛島建設 コンクリートに撥水機能付与する新技術 劣化因子の抑制層を形成 中性化やカビ発生を防ぐ
飛島建設(東京都千代田区)と恒和化学工業(東京都大田区)は、共同でコンクリート面に塗布するだけで、撥水機能を付与し、劣化因子の抑制効果を兼ね備えたコンクリート構造物の耐久性向上に有効な高性能表面含浸材「コンフィックスSM-9」を実用化した。
同商品は、特殊シラン系化合物とシリコーン樹脂をハイブリッド化した表面含浸材で、コンクリート面やモルタル面に塗布、含浸させることで、優れた撥水作用を発揮し、劣化因子の抑制層を形成し、中性化進行に代表される劣化に対する耐久性向上を実現した。壁面でのカビ・藻類の発生による汚れ抑制も期待できるという。
この「SM-9」をあえて区分するならば、従来の「撥水材」・「浸透性吸水防止材」として扱われる材料に分類される。コンクリートモルタルなどの表面に、塗布・浸透させて撥水性を付与して、水の浸入を防止し、水に関わる劣化や汚れを抑制する。さらに、「SM-9」は撥水性に基づく性能に加え、コンクリートやモルタルの中性化進や塩化物イオンなどの劣化因子の侵入を抑制するという効果も持つ。
従来では、撥水処理と劣化抑制を行うには、撥水材を塗布して乾燥させ、後にその上に抑制層となる皮膜を再塗布するために複数の材料が必要であった。
しかし、「SM-9」は両方の処理を1種類の材料で施工処理ができ、従来のものと比較して同等以下のコストで、高性能化を実現した。
また、新築であっても、使用中の構造物であっても、比較的容易な塗布処理だけでコンクリート構造物の耐久性を向上させ、構造物の長寿命化や維持・保全を実現する。

<オフィスビル緑化新技術>トヨタ自動車 芝と基盤材を一体化した屋上緑化 草丈が低い芝を使用 施工後の管理を軽減
トヨタ自動車は、省管理型コウライシバ「TM9(ティーエムナイン)」を屋上緑化用の基盤材に活着させたマット芝「TM9ターフマット」を開発し、子会社であるトヨタルーフガーデン(愛知県西加茂郡)を通じて受注を開始した。
今回開発したTM9ターフマットは、芝生、育成基盤、排水層を一体化させ、防根用のシートの上に置くだけで芝生の緑化が完成する。TM9は草丈が低いため芝刈り回数を低減(年1〜2回)でき、緻密であるため緑色が濃いのが特徴。施工後の省管理を実現する。
自動散水装置としてドリップチューブを基盤材と芝生の間に設置することができ、風や水圧の影響を受けずに散水可能だ。重量は1㎡当たり湿潤重量35㎏と軽量であり、ルーフバルコニー等にも設置できる。
なお、ドリップチューブは、マット設置後にカッターなどで芝生にスリットを入れるだけで簡単に施工することができ、水分ムラのない灌水が可能だ。
当面は受注生産による販売を行なう。納期は季節によって異なるため、問合せが必要。希望小売価格は平米当たり1万5000円である。

鹿島 キャットウォークと一体化した壁面緑化 建物内外からの美観向上 安全・容易な管理を実現
鹿島(東京都港区)は、高層ビルなどの高所での壁面緑化においても安全に管理できる新しい壁面緑化工法として、キャットウォークと面格子を一体化させた「バーティカル・グリーン・システム」を開発した。
このシステムでは、室外に設置されたキャットウォークの下にプランターを組み込み、面状の格子にツル植物などを這わせて緑化する。植物の維持管理の作業は十分な強度を有する面状の格子の内側に設置されたキャットウォークから行えるため、高所作業車などは必要なく、高層ビルでも安全・容易に管理を行うことが可能だ。導入植物は採光を過度に妨げないような植物を数十種類の中から選択し、質感の高い面状格子とつる植物のマッチングを楽しめるように配慮。プランターは視界に入らないようにキャットウォークの下部に格納されるため建物内外からの美観を向上している。
潅水工事まで含めた施工コストが、従来システムで13〜20万円/㎡に対し、本システムは10万円/㎡を実現した。既に日本工業大学に導入している。

三菱電機 熱交換率65%以上を達成省施工・省メンテを実現 「設備用ロスナイ床置形」の新商品
三菱電機(東京都千代田区)は、ビル・ホールなどの大空間の快適・省エネ換気を実現する全熱交換形換気機器「設備用ロスナイ床置形」の新商品16機種を12月1日から発売する。
新商品は、独自の全熱交換器「ハイパーエレメント」の搭載により、熱交換率は全機種で65%以上を達成、従来比で最大9・6%改善した。また、風路構造の見直しによる圧力損失低減と、専用モーターの採用により、大半の機種で消費電力を削減している。配管長の目安となる機外静圧(空気が静止した状態で周囲を押す力のこと)も最大で115Pa増加するなど、基本性能が向上した。
また、6人乗りエレベーターでの搬入が可能になり施工性が改善。従来、ダクトの接続位置が本体の上部と側面に分かれていたものを全て上部に統一することで、設置やメンテナンス用のスペースを従来品比で最大30%削減した。

三洋電機 ウイルスウオッシャー搭載商品を発売 広い空間の空気清浄が可能 三洋電機(大阪府守口市)は、電解水を使用して空気中のウイルスを除去する「ウイルスウォッシャー機能」搭載商品の販売を開始した。
今回発売するのは、家庭用の「空気清浄機」「加湿器」「加湿セラミックファンヒーター」3種であるが、10月末にはコマーシャルユースの空間清浄システムを発売、11月末には天井カセット室内機組込型の受注を開始するなど、順次予定している。
特長である「ウイルスウォッシャー機能」は、水道水を電気分解することにより、除菌効果が高いとされる2種類の活性酸素を含む電解水を生成し、利用するもの。大空間用途の業務用空間清浄システムにおいては、電解水と空気を高い効率で接触させる除菌電解エレメント技術を用い、フィルター捕集なしで高い除菌効果を発揮する。
コマーシャルユースの空間清浄システム「VW VF10B」では、電解水を浸透させた「除菌エレメント」に室内の空気を通過させ、その中に含まれるウイルスの表面蛋白に作用し、ウイルスを除去する方式を採用しており、「除菌エレメント」に室内の空気を通過・循環させることで、広い空間の空気清浄が可能である。

日本無線 性能を向上させたRCレーダーを発売
日本無線(東京都新宿区)は、高精度の非破壊検査機器の要求の高まりを受けて、コンクリート内鉄筋探査機RCレーダーの性能アップモデルとして、NJJ95Bを9月15日より販売開始する。
RCレーダーは、コンクリート構造物鉄筋探査機として非破壊により電磁レーダー方式にて鉄筋位置、かぶりを探査するが、本モデルでは測定対象深度が今までの20㎝から30㎝へと、より厚い部位の測定が可能となり、さらに浅い部位の鉄筋の深度を1㎜ステップで表示するなど性能が向上した。また、操作ボタンは、暗い場所での作業性を向上させるため、軍手をはめていてもクリック感のある蛍光スイッチを採用している。
販売価格は180万円、平成18年度は300台の販売を見込んでいる。

長谷工コーポレーション 新型乾式通気管キャップ「Rハット」を発売
長谷工コーポレーション(東京都港区)とニチアスセムクリート(東京都港区)は、マンションなどの住戸から屋上に突出する通気管の屋上端部の防水を保護する新型乾式通気管キャップ「Rハット」を共同開発・商品化した。「Rハット」は、強度や耐久性に優れたGRC(ガラス繊維補強セメント)を採用した小型・軽量の通気管キャップで、従来の乾式工法と比較して約30%コストダウン、また、1本11㎏と軽量なため湿式工法と比較して施工省力化を可能にする。
Rハットの施工に対しては、設備業者や専門工事業者から「工程に余裕ができる」「省力化されるので労務の負担が減る」といった評価を受けているということで、長谷工コーポレーションでは、今後東京地区で設計・施工する物件に標準装備していくことを決定した。
また、日本管材センターを通じて「Rハット」の外販(オープン価格)を行う予定である。

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