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日本初・補助金未活用でも無料で設置可能 新築向けEV充電設備の新プランを開始

2022.12.19 10:46

 Terra Motors(東京都港区、テラモーターズ)は、今年4月よりEV充電事業に新規参入を果たし、電気自動車向け充電インフラ設備と専用アプリ、管理クラウドサービスをパッケージ化したサービス「Terra Charge(テラチャージ)」を展開している。本サービスはこれまで主に既存の分譲マンションをターゲットに、補助金制度を活用して初期コスト無料での導入を提案してきたが、このほど、新築のマンションやビルに対し、補助金未活用でEV充電設備の無料設置が可能な新プランの展開を開始した。
 次世代のモビリティとして世界的に普及が進んでいるEVであるが、従前より高性能なハイブリッド車が普及している日本は海外に比べEVの普及率が低い。一方で国内各メーカーはEVの積極的な開発に取り組み、東京都が2025年度から新築マンションへのEV充電設備の設置を義務化するなど、今後はEVの一般化が急速に進むものと予測されている。こうした流れに対応するため、同社では今年4月から初期コスト不要でEV充電インフラを実現できるサービスの提供を既存物件向けに開始。初年度1000基の設置目標を大幅に上回る反響が同社に寄せられたという。しかしながら補助金の申請には必要書類の準備から採択まで手間と時間を要し、新築物件の竣工タイミングに合わせて補助金を活用することは極めて難しい。そこで今回、補助金を活用することなく初期費用無料でEV充電インフラ設備を設置できる新プランの提供を開始することで、同社は新築物件も含め幅広い設置ニーズに対応する。
 一般住宅向けのEV充電設備は家庭用コンセントのような形状で常に給電している状態であるが、マンションやビルなどでは外部の不正利用を防ぐ目的から一般住宅向けと同様の設備を設置することはできない。「Terra Charge」では、利用者は専用のアプリを用いてEV充電設備の利用を事前に予約。利用開始時にボックスが開錠され、内部の充電設備を使用することができるという仕組みだ。利用者は使用に応じた電気料金を同社に支払うのだが、利用料金は同社からオーナー側に還元されるため、導入から運用に至るまでオーナー側の負担がないというのが大きな特長。EV充電インフラ設備の導入に関して、補助金を活用せずにオーナー側の負担ゼロを実現する事業スキームは同社が初めての試みとなる。
 Terra Motorsでは従来プランと合わせ、受注ベースで今年度中に全国で3000基の導入を目指す。現在、日本国内では約3万基のEV充電設備があるとされ、国は2030年までに全国15万基まで充電設備を増やすことを目標としている。同社はこの目標達成に寄与するため、2023年は全国1万基の導入を目標に掲げている。

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