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日本郵政不動産 大規模複合開発各地で着々 五反田・ゆうぽうと跡地、蔵前・郵政体育館や従業員寮跡地など

2022.12.19 10:50

 日本郵政不動産(東京都千代田区)は、東京品川港区五反田で運営していた複合施設「旧ゆうぽうと」跡地で開発を進めている「五反田計画(仮称)」が上棟したと発表した。竣工は2023年12月を予定している。
 同施設は、敷地面積約6700㎡、延床面積約6万9000㎡、鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)地上20階地下3階。オフィス、飲食施設、カンファレンス、ホテルなどからなる複合施設。
 3~12階のオフィスは基準階フロア約1000坪の無柱空間。
 1階にはフードホールを備え、多種多彩な食を提供する。テイクアウト等地域のニーズに応え、アイドルタイムなく何時でも利用できる「マチの食堂」として、ワーカーのランチ対応だけでなく、朝のコーヒーから夜はアルコールも楽しめる。
 2階には、春蒔プロジェクト(東京都渋谷区)が運営する約500坪のシェアオフィスを備える。コワーキング・個人利用できる専用デスクやブース、3~30坪の個室を有し、フリーランスやスタートアップなどのニーズに応えたスペースを提供するほか、プロジェクト単位で利用できるサービスなどにより多様な働き方に対応。館内および近隣エリアの関係者との多様な交流プログラムや公開空地(五反田の森)を利用したイベントなども企画する予定。水風呂完備の本格サウナも併設し、健康的でオフラインな交流を促す。
 3階には、席数約400席のホール、席数約80席のカンファレンスを備える。企業の株主総会や式典行事等のビジネスユースにも対応可能。他にも、フードホールで軽食をとりながらのカジュアルな打合せ等、ワーカーのその日の業務に合わせた多様な働き方をサポートする。
 14~20階は、星野リゾートが運営するホテル。ホテルと街とをつなげる運営企画も計画している。
 建物は旧ゆうぽうとの既存地下躯体を空間および構造体として活用し、ストック型社会の実現とともに、建物解体に伴う廃棄物削減などによりSDGs達成にも貢献する。加えて、LowーEガラスの採用、再生水の洗浄水利用等を通して、環境負荷の軽減に取り組み、CASBEE-建築のSランク取得を目指す。
 また、制震構造や専用室内への非常電源供給(最大72時間)など万全のBCP対応を有する。

蔵前はオフィス、物流、住宅の3棟
 東京都台東区蔵前一丁目では、旧郵政公社の体育館、従業員寮、業務ビル等の跡地で大型複合開発を推進している。このほど、街区全体の名称が「蔵前JPテラス」、ライオン(東京都墨田区)の本社となるオフィス棟の建物名称を「JPライオンビルディング」に決定した。街区全体の竣工は2023年3月を予定している。
 同計画は、敷地面積約1万4400㎡、総延床面積9万9700㎡。オフィス棟(JPライオンビルディング)、物流棟、住宅棟で構成され、貸し菜園を有する屋上庭園や、敷地内通路「蔵前の小径」なども整備する。
 ライオングループ各社が入居するオフィス棟(JPライオンビルディング)は、地上13階地下1階、延床面積約2万9900㎡。地上1階にはベーカリーや、くらまえ橋郵便局が入居する。
 地上9階の物流棟は、延床面積約2万9000㎡。日本郵便の物流施設として使用される。1階にはトラックバース、3~6階は各階に駐車場が付く。
 住宅棟は、地上23階地下1階、延床面積約4万900㎡。9~17階は住戸数154戸の高齢者住宅「ブランシエール蔵前」、18階~23階は住戸数128戸の賃貸住宅「JP noie 蔵前」となる。3階には保育所「にじいろ保育園蔵前」、8階にはアッシュコンセプト(東京都台東区)の本社が入居する。

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