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NTT西日本 旧本社所在地 ホテルを核とした施設を開発へ

2021.10.18 11:35

 西日本電信電話(大阪市中央区、NTT西日本)、NTTアーバンソリューションズ(東京都千代田区)、NTT都市開発(東京都千代田区)は13日、NTT西日本本社の移転にともない、大阪市中央区馬場町の旧本社所在地を含む街区の開発計画を発表した。
 開発街区は大阪都市計画特定街区「法円坂北特定街区」として指定されており、大阪市の都市計画決定を踏まえた基本的な開発内容に合意した。同街区は大阪城公園と難波宮跡公園の間に位置し、大阪城・大阪都心部を一望できる立地。NTT西日本の本社移転を契機にこの希少な場所を生かし、みどり豊かな歩行者空間および付加価値の高い高規格ホテル等を整備する。
 同街区中央のA敷地に整備されるホテルは、地上20階地下3階、客室数約220室で2025年春の竣工を予定。国際会議やパーティーに利用できる多目的ホールの他、高層階には大阪城や敷地西側に広がる難波宮跡を眺望できるレストランなど有したフルサービスホテルとなる。
 西側の史跡指定地は、難波宮跡の遺構を表現した形状の広場として整備して開放。大阪の都心部に残る貴重な歴史遺産である古代の難波宮を感じられる空間をめざすという。史跡跡地の西側に隣接する難波宮跡公園の整備計画等を踏まえ、関係行政機関と協議しながら具体的な整備内容を検討していく計画となっている。  また、東側のB敷地では既存ビルを地上1階地下2階に減築し、屋上に大阪城天守閣を正面に臨むオープンスペースを整備する。大阪城公園とつながる北側には周辺エリアの観光情報の発信を行うデジタルサイネージやシェアサイクル拠点を設け、周辺観光地への関心が高まる仕掛けをつくる予定だ。
新本社は今月末竣工 リモート前提の設計に
 NTT西日本の新本社ビルは今月末、大阪府大阪市都島区東野田町に竣工する。新本社ビル等が立地する大阪・京橋エリアの敷地は「NTT WEST i-CAMPUS」と名称を定め、リモートワークを基本とするオフィスレイアウトを計画している。また新本社ビルに隣接して共創施設を開設し、ビジネスアイデアの創出・開発・社会実装までを実現できるエコシステムを形成。大阪・京橋エリアにベンチャーが集うような地域貢献を目指す。
 新本社ビルは敷地面積3万1008㎡、延床面積3万8541㎡、建築面積3622㎡。鉄骨造地上12階地下1階。
 1階エントランスではマスクを着用したまま顔認証と体表面温度の測定を同時に行い、入館からエレベーターを経由し、自席に至るまで非接触での移動をICTで実現。ニューノーマル時代に即し、リモートワークを基本とする新しいスタイルを前提とする。
 オフィスは部門共有の打ち合わせスペースを広くとったレイアウトとし、無線LAN、モバイルフォンを基本としたICT環境のもと、オンラインミーティングスペース等を充実。また従業員の交流促進を狙いオフィスフロアを大部屋化し、上下階を結ぶオープン階段を設けるとともに、各フロアには多様な打ち合わせスペース、作業スペースを設けた。




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