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「天神ビジネスセンター」竣工

2021.10.11 11:15

 福岡地所(福岡市博多区)は、福岡市中央区天神で開発を進めていた「天神ビジネスセンター」が竣工したと発表した。
 立地は地下鉄「天神」駅と直結し、福岡空港まで約11分、JR「博多」駅まで約5分と、国内外への素早いアクセスが可能な場所。
 建物は敷地面積3917㎡、建築面積3234㎡、延床面積6万1100㎡、S造(一部RC造)地上19階地下2階。事務所、店舗、駐車場などを用途とするオフィスビルだ。福岡市が獲得した航空法高さ制限の緩和をはじめ、市独自の容積率緩和制度を活用するとともに、魅力あるデザイン性に優れたビルとして認定され、それに応じてインセンティブを付与する制度「天神ビッグバンボーナス」を適用している。
 オフィスフロアは2~19階を占め、総貸床面積は3万9279㎡、基準階貸床面積は2368㎡。天井高2800mmの整形・無柱空間は、ワークスタイルにあわせて様々なレイアウトが可能。オフィスエントランスやアトリウムには世界で活躍する現代美術作家によるパブリックアート作品を設置した。
 入居テナントは九州の主要拠点を移転・集約する日本電気(東京都港区)、ホールディングス機能の一部を東京から移転するジャパネットホールディングス(長崎県佐世保市)、福岡初進出となるボストンコンサルティンググループ(東京都中央区)などが入居。1階商業ゾーンには、アウトドアアパレルブランド「patagonia(パタゴニア)」が出店。地下2階にはバラエティ豊かなメニューが並ぶ飲食ゾーンが誕生。店舗数は11店で、「因幡町通り」の地下に位置することから「天神イナチカ」と名付けた。開業は2022年春を予定している。
 BCP対応では、福岡で供給されたオフィスビルの中で従来にない大規模免震構造を採用し、法定の1・5倍の耐震性能を実現。災害時のライフライン寸断に備え、72時間対応のデュアルフューエルガスタービン発電機を設置し、非常時においてもテナント専有部の電力供給、エレベーターや共用部照明の稼働、トイレの利用を可能とした。
 ビル周辺にゆとりある広場や歩行空間を確保するとともに、まちに潤いを与える花や目に映える緑の創出などにも取り組む。建物西側と東側のフィンは日射遮蔽効果があり、環境負荷軽減と快適性を高めるデザインになっている。また雨水利用、貸室内照度センサー等を採用し、「CASBEE福岡」Aランク、「DBJ Green Building認証」4つ星を取得している。

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