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三井不動産リアルティが個人間の賃貸借契約を電子化 LIFULL、弁護士ドットコムと共同で

2019.10.07 14:34

 三井不動産リアルティ(東京都千代田区)は10月1日から、個人の貸し主と借り主で締結する不動産賃貸借契約について、電子契約サービスの運用を開始する。双方の契約手続きにかかる負担の軽減と利便性の向上、ペーパーレス化の推進を目指す。
 電子契約サービスの開発には、弁護士ドットコム(東京都港区)のウェブ完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」が、LIFULL(東京都千代田区)を通じて提供された。
 「クラウドサイン」は従来の契約に不可欠だった「紙の契約書と印鑑」をクラウドに置き換え、契約作業をパソコンだけで完結できるサービス。すべてがウェブ上のため、契約締結のスピード化を実現するとともに輸送代や紙代、インク代、印紙代なども不要。コスト削減にもつながる。またクラウド上で契約が一元管理できるため、業務の透明性がアップして契約の「抜け」や「漏れ」といったミスも防止できる。電子契約サービスではトップとなる現在5万社以上が導入しており、法律事務所や上場企業、金融機関でも利用されている。
 三井不動産リアルティではこれまで契約書を製本し、来店した借り主が押印。押印された契約書は貸主に郵送され、今度は貸し主が押印。ふたたび三井不動産リアルティに郵送という手順で行われてきた。
 契約書が最終的に借り主に届くまで約2週間を要したという従来の手順に比べ、「クラウドサイン」は同じ手順が最短1日で完了する。まずは貸主、借主双方が三井不動産リアルティのウェブサイトから「クラウドサイン」に登録。クラウド上でPDF形式の賃貸借契約書を確認したら、画面上の同意ボタンをクリックするだけで手続きが完了する。貸主、借主双方が同意ボタンをクリックした時点で契約締結となり、弁護士ドットコムが電子署名を付すことで契約締結の証跡とする。契約書類は三井不動産リアルティのウェブサイト上でいつでも確認できる。
 三井不動産リアルティとLIFULL、弁護士ドットコムでは本サービスについて、賃貸借契約に限らず契約更新や管理委託契約など、不動産賃貸取引におけるさまざまな手続きへの応用をすすめ、顧客の負担を減らし利便性の向上に生かしていくとしている。

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