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JR東の開発計画 名称は「ウォーターズ竹芝」に決定

2019.02.12 18:15

 東日本旅客鉄道(JR東日本、東京都渋谷区)が東京都港区海岸で進めている地区開発の名称が「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」に決まった。JR東日本グループの経営ビジョン「変革2027」のもとに取り組む「ヒトを起点とした新たなサービスの創造」を具体化した開発で「CITY UP!」がスローガン。「つぎの豊かさを生み出すまち」を開発ビジョンに掲げ、文化・芸術の発信拠点の機能を核とし、竹芝の地域資源である水辺を活かしたまちづくりを検討していく。
 開発地はJR「浜松町」駅にほど近い約2万3000㎡。水路をはさんで浜離宮恩賜庭園に面し、都心にありながら水辺の豊かな環境を感じられる希少な立地だ。用地内に立つ劇団四季(横浜市青葉区)の専用劇場「自由劇場」は既存の建物をそのまま活用する。
 計画では延床面積6万2300㎡、地上26階地下2階の高層棟、延床面積2万8100㎡、地上6階地下1階の劇場棟、延床面積1万2200㎡、地上10階地下1階の駐車場棟を建設。高層棟はオフィスと商業施設のほか、上層階はJR東日本系列の日本ホテル(東京都豊島区)が運営するホテルとしてラグジュアリーホテルブランドを誘致する。劇場棟には劇団四季の劇場「春」「秋」が入り、低層部は商業施設となる。商業施設の概要は発表されていないがアトレ(東京都渋谷区)が運営する予定となっている。
 高層棟と劇場棟の間は、水辺の自然環境を感じられるテラスとして開放。オフィスやホテル、既存の「自由劇場」を含め劇場3館の集積と合わせ、観劇後の高揚感、風を感じながらの仕事、景色を眺めながらの食事など、多様なアクティビティや文化が生まれる環境の創出を目指す。
 また今回の開発計画では「ミズベリング竹芝」とのプロジェクト名のもと、水辺の可能性を広げる社会実験や環境調査なども実施している。国土交通省が推進する「ミズベリングプロジェクト」の趣旨に賛同したもので、エリア内のまちづくりをまとめる竹芝エリアマネジメント(東京都港区)や関係者と連携し、陸路と水路の高い結節性を活かした「舟運(しゅううん)の活性化」や、多様な生態系を活かした「環境再生・学習の場づくり」、「にぎわいの創出」などの可能性を検討する。
 高層棟および駐車場棟の開業目標は2020年4月。劇場棟は2020年内の開業を予定している。

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