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不動産学会トップと物流不動産のパイオニアが対談

2019.02.12 18:13

 不動産学会(東京都千代田区)会長で千葉商科大学(千葉県市川市)学長の原科幸彦氏とイーソーコグループ(東京都港区)会長の大谷巌一氏の対談が、4日に行われた。
 対談は物流専門紙が企画したもので、その模様はマスコミにも公開された。会場となった千葉商科大学丸の内サテライトキャンパスには不動産、物流それぞれの業界紙、専門誌などから取材陣が集まった。
 環境工学・社会工学を専門とし、環境アセスメントや住民参加、合意形成を前提とした不動産開発を提唱する原科氏。不動産学を「持続可能な社会構築のための基盤学問」と位置付け、社会工学的な視点から持論を展開した。東京への一極集中は災害時の事業継続の観点から疑問を呈し、長期的な日本の発展には道州制も視野に入れた分散型社会の構築が必要ととなえる。
 一方、物流を基軸とした「物流不動産ビジネス」を創始し展開してきた大谷氏は、同じ社会基盤である物流と不動産のシナジーに言及。双方の接点が増えつつある現状をさらに進化させる必要を強調した。
 また原科氏は、昨今課題となっているSDGs(持続可能な開発)がこれからの不動産開発には必須とし、千葉商科大学の「自然エネルギー100%」へ向けた取り組みを紹介。イーソーコグループがリノベーションを手掛けた多目的施設「千葉商科大学THE University HUB」の設立の意義などと合わせて語った。
 社会課題の解決という見地に立脚した実学でビジネスパーソンを育成する千葉商科大学。物流という社会基盤に根差したビジネスで新しい社会の構築を目指すイーソーコグループ。双方ともにビジネスモラルとして掲げるのが「三方よし」だ。両氏は売り手よし、買い手よし、世間よしという思いが不動産には欠かせないと語り、対談は結びとなった。

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