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三井住友トラスト基礎研究所 海外不動産投資評価ランキング発表 中長期的投資に向けた目安に

2017.11.20 17:40

中長期的投資に向けた目安に
 「分散投資」という言葉が根付いている。株式投資においても、不動産投資においても同様で、ひとつのテーマやアセットに絞らず、また通貨も分散させることで将来の為替リスクを回避する。不動産投資においてもにわかに海外への視線が熱くなっているが、投資しようとしている国やエリアが中長期的に安定するかは気がかり。その指標となるランキングが発表された。

 三井住友トラスト基礎研究所(東京都港区)は9日「海外不動産投資における国、地域、都市の評価とランキング2017」を発表した。  このランキングでは「成長性」、「安全性」、「企業活動」、「不動産市場」の4つの分野を設定し、不動産市場を見る上で重要となるマクロ統計、不動産投資関連のデータから各分野5つずつの評価項目を選定した。
 国・地域の総合評価(4・0満点)では1位米国、2位オーストラリア、3位英国、4位ドイツ、5位シンガポール。各評価項目を見ると、総合4位のドイツや総合6位にランクインしたカナダは「安全性」において他国・エリアを圧倒。一方、総合7位の香港は「企業」項目での評価の高さが際立った。
 また個別の都市においてのランキングも同様に発表している。4つの分野を設定し、5つずつの評価項目を選定したことは国・地域と同様だが、都市においては「成長性」、「企業」、「オフィス賃貸市場」、「オフィス投資市場」の4分野を設定。 4・0満点で1位はロンドン、2位ニューヨーク、3位ロサンゼルス、4位メルボルン、5位東京。
 同社では2018年以降も改良を加えながら評価を継続する予定。海外への投資も気軽に行える時代となったが、一方で情報不足のままに投資する例も多い。業者の「甘い言葉」に踊らされず、中長期的な投資計画の策定に役立てたい。

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