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<ビル業界に新風>ランドスキップ 空間の新たな付加価値を提供する「Landskip」とは

2017.05.22 17:10

「働き方改革」が叫ばれる昨今。長時間労働を避けることともに、ストレスとは無縁のオフィス空間を築いていくことは重要な課題と言えよう。ランドスキップ(東京都港区)が昨年6月より提供している風景の動画配信サービス「LandSkip」はひとつのソリューションとして注目を集めている。
 これまで風景の配信サービスというビジネスはなかったのではないか。そのような事業を始めるに至った理由について下村一樹社長に問うと、「開始の思いは私自身が必要だと感じたから」と話し、次のように続けた。
 「北海道出身で上京するまでは自然が身近にあることが日常でした。が、上京すると周りは高層建築物だらけのコンクリートジャングルで非常に息苦しく感じたことを覚えています。このような大都会でも自然を感じることはできないのか、と考えたのが、ランドスキップ創業へのきっかけとなりました」
 「LandSkip」は同社が提供する4Kのデジタルサイネージと組み合わせたバーチャル・ウインドウ、そしてすでにデジタルサイネージを導入しているオーナーに向けた風景動画配信サービスの2つで構成されている。
 現在では商業施設や駅ビル、会議室など約10の施設に導入。さらにはこれまでオフィス・商業施設向けに展開してきたが、LIXIL(東京都千代田区)のアクセラレータープログラムに選定され、一般家庭向けの展開も視野にいれている。が、ここまでの展開に結びつけるのには苦労もあったようだ。
 「『風景は無料』という考え方が多く、そこに料金を払うことには抵抗のあるお客様もいらっしゃいました。が、都会には自然の風景が少ないこと、加えて当社の『LandSkip』を導入することがストレス軽減、癒しの効果が出ることもわかりました。現在の健康志向も相まって徐々にですが需要の高まりを感じています」(下村氏)
 同社で用意している風景は現在2000以上。このなかには各地の風景や絵画を動画化したものなどがあるが、下村氏はこの数については「まだまだ」と話す。今後も国内のあらゆる景色を提供していく見込みだ。
 「音楽が有線放送によって広く消費者の手に渡っていったように、風景も将来はそうなるのではと思います。名勝と言われる風景を映し出せますので地方創生にも貢献することができると思います」(下村氏)
 全く新しい風景のサービス。ビル業界の新しい必需品として広まるか、注目される。

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