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大林組 BIMを活用した建物維持管理ツール開発

2016.04.25 17:47

携帯タブレットで監理業務を効率化・高度化
 大林組(東京都港区)は顧客の建物維持管理業務を支援するBIM(Building Information Modeling)を活用した管理ツール「BIMobile」を開発した。
 建物維持管理業務には竣工時の最終図面や設備機器の取扱説明書などを収めた竣工図書が活用されることが一般的だが、量が膨大で点検時に携帯するには不向きでかつ必要な情報がすぐに引きだせないなど課題がある。
 このため、建設業での設計や施工管理で活用が進んでいるBIMを建物完成後の維持管理に用いてBIMが持つ躯体や仕上げ材、設備機器の属性情報(材質、仕上げ、サイズ、重量、機器の性能など)を活用することが期待されている。しかし、BIMは専用ソフトおよび操作の習得が必要なこと、データ容量大きく携帯タブレットでは属性情報を十分に表示できないことなどが障害となっていた。
 大林組がラティス・テクノロジー(東京都文京区)の協力のもと開発した「BIMobile」はXVL技術(BIMなどの3Dデータを軽量化する技術)を用いて軽量化したBIMの3Dモデルとモデルにひも付いた属性情報を携帯タブレットに表示することが可能。さらに写真や点検記録などの情報を入力することができる。
 大林組が提唱する、BIMデータベースを核とした新たな業務プロセス「スマートBIM」。それを支える柱の一つ「BIMobile」を顧客に積極的に提案していくとともに、さまざまなニーズに合わせてカスタマイズすることで顧客の建物維持管理業務の効率化に貢献していく。また、自由度が高く携帯性に優れたツールとして施工管理業務にも展開し、品質管理記録の蓄積や検査業務などの効率を飛躍的に向上させ、より安全・安心な建物の提供を実現していく。

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