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東京建物/サンケイビル 豊島区旧庁舎建て替え前のイベントで最期を飾る

2016.03.28 14:56

開発コンセプトにちなんが「芸術文化」を発信
 東京建物(東京都中央区)、サンケイビル(東京都千代田区)は20日、21日、「豊島区旧庁舎跡地活用事業」において豊島区およびアニメイトホールディングスと共同で「豊島区旧庁舎・豊島公会堂 サヨナラ・アリガトウ記念イベント『としまミュージアム』」を開催した。「としまミュージアム」の館長には高野之夫豊島区長が就任。同時開催として、池袋では初となる「としまラーメンミュージアム」を豊島区旧庁舎・豊島区公会堂に近隣する中池袋公園で行われた。
 旧庁舎4フロア全てを使い、アート・アニメ・キッズプログラム、マルシェ等、家族連れで楽しめるユニークなコンテンツを用意した。1階は旧庁舎跡地活用事業における新施設の紹介コーナーが中心。2階はアニメフロア、3階は8組のアーティストが建物躯体や空間を生かした作品展示、4階は豊島区の歴史をはじめ、文化・演劇・アート等の展示とワークショップ、さらにグリーン大通りの将来像、マルシェを実施した。豊島公会堂では、ご当地キャラバンドのライブ、落語、アニメ落語、ラジオ公開生放送等が行われ、公会堂の最後を飾った。
 同開発プロジェクトは、平成27年5月の豊島区新庁舎への移転を契機に現庁舎地(本庁舎敷地及び公会堂敷地)を民間活力によって新たな賑わい拠点として再生し、現庁舎地を借り受けたうえで新ホールと民間施設を一体的に整備するもの。新ホールについては建物竣工後豊島区が取得し、運営・管理を行い、民間施設については70年間の事業期間にわたって民間事業者が維持管理・運営を行うことになる。東京建物とサンケイビルが定期借地権者、不動産開発および民間施設等のマネジメントを担い、鹿島建設が設計・施工を担う。大規模オフィスが中心になるが、シネマコンプレックス等の多様なアート・カルチャーを発信する7つの「劇場」も整備する。開発コンセプトは「誰もが輝く劇場都市」だ。元々、池袋には多くの芸術家が暮らしたアトリエ群「池袋モンパルナス」、才能ある漫画家たちが巣立っていった「トキワ荘」が存在し、古くから文化的な土壌を醸成してきた。現在では、演劇、映画、そしてアニメの街へと、常に新しい文化を発信し続けており、今回池袋のシンボルである豊島区旧庁舎、豊島公会堂の取り壊しを前にアートを主眼にしたイベントを実施し、参加者には同プロジェクトが竣工する平成32年(2020年)に向けた池袋の未来を考えてもらうことが狙いともいえる。

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