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戸田建設 ビルメディカルシステム「ユレかんち」を開発

2016.03.28 14:57

 戸田建設(東京都中央区)は、地震時の建物をモニタリングできるビルメディカルシステム「ユレかんち」を開発した。IoT技術の応用とクラウドシステムを活用した構成となっており、現在、自社保有施設15カ所に展開検証を行っている。
 同システムは、地震が発生した際に建物のオーナーや管理を行う立場の人に建物が受けた震度とそれに伴う被災度(健全性)をリアルタイムに正確に伝えることができる。
 開発の背景として同社は「ビルメディカルシステム」を平成24年に発表して以来、改良を繰り返してきた。「ユレかんち」はこれまでのシステムと比較してハードウェア構成をシンプルにすることにより、ローコスト化を実現。顧客が採用される際の障壁である初期の費用負担を軽減。
 同システムの特長としてクラウドシステムを活用している点にある。建物震度等の情報は即時に建物管理者へメール配信されるため、建物管理者は地震後の通信困難な状態に巻き込まれる前に情報を把握できる。クラウドサーバーと接続されていることで、感震器の常時動作監視ができ、プログラムのアップデートも沿革で可能。
 また、情報を受ける側の機器を選ばず、クラウドサーバー側で建物震度の計算や健全性の判定を行うので、情報を受ける側はパソコン、スマートフォン、タブレットなど機器を選ばない。世界中どこでもデータを受け取ることが可能だ。
 同社は今後、今月末までに自社施設での検証を終了した後、同社が施行する建物に「ユレかんち」の設置を積極的に提案。社会基盤である橋梁や土木構造物等への設置も視野に入れた営業展開を行う予定。

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