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都市未来総合研究所 空室率の改善に対し弱含みの賃料動向に着目

2015.07.13 17:50

 都市未来総合研究所(東京都中央区)は6日、月例レポート「不動産トピックス2015年7月号」を発表した。
 このレポートでは、東京都心5区のオフィス空室率が改善傾向にあるものの賃料上昇の動きが弱いことに着目。その要因について考察している。オフィスビルの賃料上昇力が弱い主な要因として同レポートでは、「空室率が5%台とはいえ空室が39万坪あり、ビルの貸し手はテナント誘致を優先するため、高めの賃料条件提示には慎重な態度である」、「大規模・高スペックビルの供給増加により希少性が低下したため、差別化による競争力が弱まっている」、「高額賃料をけん引するテナント業種が不在である」、「今後、大規模オフィスビルの供給が見込まれるため、ビルの貸し手は強気な賃料設定が行いにくい」と、4点の可能性を指摘している。
 都心5区では、大規模プロジェクト(延床面積3万m2以上)による新規供給面積が今年から平成31年(2019年)の間に210万坪と見込まれる。年平均にすると42万坪にのぼり、平成12年(2000年)から昨年までの平均に比べ30%以上の増加となる。市況面では今後、オリンピック後のオフィスマーケットが不透明であり、大幅な景気拡大や外資系等の新たなテナント属性の大量導入などがない限り、オフィスビルの賃料相場が大きく上昇する可能性は低いと考えられる。

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