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<新規上場会社の事業戦略>アトリウム 不動産融資保証事業が急成長 ジャスダック市場に上場

2006.04.03 15:38

 クレディセゾングループの不動産会社アトリウム(東京都豊島区)は、先月28日ジャスダック市場に上場した。初値は公募価格を8%上回る9200円となり、高橋剛毅社長は「投資家に支持されて適正な株価をつけてもらった。期待に応え、信頼を裏切らずに成長したい」と話している。
 同社は92年に不良債権処理に絡む不動産競売事業(不動産流動化事業)を開始し、99年にサービサー事業(アトリウム債権回収サービス設立)、02年に不動産ファンド事業、04年に不動産融資保証事業、05年にアトリウム建設(旧・生研建設)を買収するなど、事業範囲を拡げてきた。競売市場を仕入先としていた創業期から一貫して、不動産を見極める査定力と、スペックや法的に問題のある不動産を再生して商品化する企画力で成長している。
 「月間数百件の競売物件を、たった10日前後で見極めるという経験を重ねてきた。物件を見極める力が当社の強み」(高橋氏)
 中でも不動産融資保証事業は、その「見極める力」を活かして急成長中。事業開始から1年半で累計1500億円の融資保証を実行し、現在の融資保証残高は950億円になった。金融機関が評価ノウハウを持たない不動産でも、最大限の担保掛目で融資に対応することが特徴である。06年2月期の連結売上高は715億円、今期は900億円を見込んでおり、高橋社長は「入口から出口まで、ワンストップのソリューションサービスを展開することで二桁以上の増収増益を維持したい」と目標について語った。

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