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日立製作所/日立ビルシステム エレベーター内の異常行動を検知 動きの小さな威嚇行為などにも対応

2006.04.03 15:36

 日立ビルシステムが運用する24時間365日、エレベーターを遠隔で監視・診断し、エレベーターの予防保全を行うメンテナンスシステム「ヘリオス」に安全性を高める機能が加わった。新技術はエレベーター内での暴行や急病を検知できるものだという。
 日立製作所(東京都千代田区)と日立ビルシステム(東京都千代田区)は、エレベーター内の異常行動を検知するシステムを開発し、エレベーターメンテナンスサービスの新機能「ヘリオスウォッチャー」として、4月1日より販売を開始した。
 検知するのは、暴れ・威嚇行為といった異常行動や、急病によるしゃがみ込み・倒れ込みなどの滞留状態。これらを、事前に取り込んである正常な行動情報と照らし合わせる仕組となっている。一般的な異常行動検知技術では、あらかじめ行動モデルをデータベース化しておき、任意の画像とマッチングさせて異変を把握しているが、サンプルが少なく、適用範囲が狭まる傾向にある。しかし、今回の技術では、入手しやすい正常行動画像の特徴を学習させておくだけで異常を検知できるため、緊急事態にも気づきやすく、汎用性が高い。
 乗りかご内に設置したカメラ映像が異常をとらえると、音声で注意を喚起し、最寄り階・指定階に緊急停止する。なお、検知が困難とされる動きの小さな異常行動にも対応しており、検知率は95%以上を誇るという。
 また、エレベーター内に閉じ込められた際に、日立ビルシステムのカスタマーセンターから故障原因を解析し、遠隔操作で救出するシステム「ヘリオスレスキュー」と連携しているため、ドアの開閉状態を確認した上で、利用者に対して適確な誘導を行うことが可能となっている。
 なお、「ヘリオスウォッチャー」に用いた異常行動検知技術については、今後、エントランスや駐車場、駐輪場といったビル・マンション共用部などへの展開を図り、セキュリティソリューション事業を拡大していく予定だ。

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