週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

<銀座不動産市況>小寺商店 坪1億3000万円がスタートラインになる可能性も 銀座1丁目から8丁目までビル建築活発化

2006.03.27 17:06

 先日、坪1億3000万円の取引が出た銀座中央通り。都心商業地の地価は上がる一方だ。バブル全盛期には平米1億円とも言われた日本一の繁華街。果たして、この状況はどこまで続くのか。創業101年を誇る銀座の老舗仲介会社小寺商店に話を聞いた。
 銀座1丁目から8丁目まで歩いてみると、建築工事の多さに目を奪われる。三井不動産、三菱地所等、銀座の土地が活発に動く状況を説明するに充分の光景だ。
 「坪1億3000万円の銀座シャディビルの取引については、あくまでも特殊事例だと思います。ただ、次に中央通りで取引がある場合、売主側が強気になることは考えられます」
 小寺商店代表取締役の児玉裕氏は語る。現在、銀座エリアの賃料は中央通りであれば、坪あたり15万円〜20万円、晴海通りも15万円〜20万円、並木通りで10万円から15万円、といったところが相場。これが単純に当てはまれば、収益還元で見ても坪1億3000万円が成り立たないでもない。しかし、あくまでもそれは1階店舗に限った賃料であることを忘れてはならない。
 「銀座であっても、上層階に関してはそれほど高い賃料は望めません。3万円が限界でしょう。特にオフィスであれば、何も銀座でなくて良いという話しはよく耳に入ります」
 つまり、収益を1棟平均しで考えれば、坪1億円以上で買っても利回りは極度に低い。収益ではなく広告、もしくはステータス料を加味すればこその取引価格と言えるのである。
 今、銀座の売物件を見ると、3度以上転売されているものが多く、最低でも2回転はしているものが見られる。建築計画の看板が設置されながら、工事に未着手の土地もあるが、これは転売目当てで、寝ている土地と予想される。
 「いわゆるトランプのババ抜きの『ババ』を掴んでしまっている業者もいるかもしれません」

PAGE TOPへ