不動産トピックス

今週の一冊

2024.05.06 11:28

大阪がすごい―歩いて集めたなにわの底力
著者:歯黒 猛夫
出版:筑摩書房
発行:2024年4月10日
価格:1100円(税込)

 わが国第二の都市で年間1000万人もの外国人観光客が訪れる大阪。どのような発展の歴史を歩んできたのか。本書は大阪の地形や歴史、町の特徴、交通インフラなどの視点から今日の大阪を形成するに至った経緯を考察する。
 水の都と呼ばれる大阪は淀川など、大阪湾に注ぐ多くの河川に広がる土地につくられた街。発展の歴史は水害との闘いでもある。その中でも古くから陸地として存在したのが上町台地だ。北は大阪城に始まり、四天王寺を経て南の住吉大社に至る丘陵地には多くの史跡が集中し、大阪はこの丘陵地から広がり始めたのだと実感させる。
 また、大阪は大手5社が乗り入れる私鉄王国でもある。旧国鉄と私鉄、市営交通と私鉄とのし烈な集客合戦の歴史を振り返りながら、協調路線へと舵を切った現代についても触れる。

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