不動産トピックス

クローズアップ 置き配編

2023.11.13 11:26

 荷物を受け取ることができないときに便利な置き配。再配達の解消にも役立つことから普及して久しいが、盗難や紛失、いたずらなど新たな課題も生まれている。

ライナフ/三井住友海上火災保険 「置き配保険」協業で提供開始
 スマートロックなど不動産管理ソリューションを展開するライナフ(東京都文京区)は、三井住友海上火災保険(同千代田区)および同社の子会社、三井住友海上エイジェンシー・サービス(同)と「置き配の盗難リスク補償」提供の協業を開始したと10月24日に発表した。
 「置き配」盗難保険は運送会社を対象とした保険で、正式名称は「動産総合保険 商品付帯契約」。ECサイトを通じて購入した置き配をした物品すべて補償の対象となる。
 注文者の指示により置き配後、受取人が荷物を回収する前に盗難事故に遭った際、受取人に対して購入金額の補償を行う。警察へ被害届を提出することが支払いの条件。ライナフの滝沢潔社長は「当保険により普及が見込まれ、再配達、労働時間解決に期待が持てる」と話す。
 標準的な支払い限度額は1配送あたり1万円。保険料は年間の置き配利用4000~5000件あたり保険料は10万円程度(年間)。契約は各運送会社ごとにオーダーメイドで設計されるという。
 ライナフが代理店になるわけではなく、紹介を行うのみ。三井住友海上火災保険 公務第二部 町田雄一課長は「当社のグループ、三井住友海上キャピタル(同中央区)がライナフ社に出資している関係から、声掛けがあった。置き配と保険の親和性が高く、社会課題解決したいという思いが一致した」と経緯について語る。
 置き配の現状について、ライナフが行ったアンケート調査では「置き配導入対応後、置き配を利用したことがあるか」について、約6割が「利用したことがある」と回答している。「利用したことがない」と答えた回答者の理由としては、「盗難」「紛失」の不安を懸念する声が寄せられていることが判明した。
 さらに、LOCCO(東京都中央区、ロッコ)のデータによると、2021年1月から2022年3月の期間において、実際の「盗難」や「紛失」による盗難保険の適用率は0・0008%と、10万件に1件未満であることが分かった。「これまで置き配は、盗難時に誰が補償するのかが焦点となり、加速的に進んでいなかった。置き配盗難保険はこの課題を解決することができ、ラストワンマイルの課題解決策として提供を広げていく」(滝沢社長)

大和ハウス工業 カメラ付きの高機能宅配ボックス
 大和ハウス工業(大阪市北区、大和ハウス)は、業界初となる24時間防犯カメラ機能付きインターホンを搭載した戸建住宅向け宅配ボックス「Next-Dbox+S(ネクスト・ディーボックス プラスエス)」をナスタ(東京都港区)と共同開発し、4月から販売している。
 24時間監視カメラ機能を搭載し、玄関先の撮影・録画が可能。また、自動で応答メッセージが流れる「宅配専用ボタン」を用意。宅配業者と会話することなく荷物を受け取ることができる。
 さらに、専用アプリを使用することで、スマートフォンなどから来訪者の確認や応答もできる。その他、「リアルタイムで映像と音声の確認」、「録画記録の確認」、「自動応答メッセージの作成」、「通話記録の保存」、「呼出音を遮断するおやすみモード」など全機能を使用できる。
 ボックスには専用アプリ連動のスマートキーを搭載し、2タッチで開錠可能。大型郵便物やメール便も受け取り可能で、荷物の発送も可能。カラーバリエーションは8種を用意した。

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