不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2023.10.23 10:27

星野リゾート 2024年に新たに4施設開業「星のや」「界」「OMO」「BEB」計72軒に
 「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」の5ブランドを中心に国内外68施設を運営する星野リゾート(長野県北佐久郡)では、2024年に新たに4施設の開業・1施設のリニューアルを予定している。これにより計72施設の展開となる。
「OMO5東京五反田」「界 秋保」など
 「街ナカ」ホテル「OMO」は4月に「OMO5東京五反田」(東京都品川区)、6月には「OMO7高知」(高知県高知市)、夏に北海道・函館市に進出と、計3施設を開業・リニューアルオープンする。また温泉旅館「界」は4月に「界 秋保」(仙台市太白区)、秋に「界 奥飛騨」(岐阜県高山市)をオープン。
 その他同社では、「星のや」、リゾートホテル「リゾナーレ」、ホテル「BEB」など、5つのサブブランドを展開している。同社ならではの地域性を活かした滞在の提案や、ユニークな体験など、独自のおもてなしのあり方を進化させ、世界に通用するホテル運営会社になることを目指していく。
 「OMO5東京五反田by星野リゾート」は、客室数188室。「五反田」駅から徒歩5分に位置し、オフィス・シェアオフィス・イベントホール・商業施設から構成される「五反田JPビルディング」内、地上60~100mの高層階にある。コンセプトは「夜景とご馳走のパラダイス」で、高層階からの夜景と名店も多い五反田グルメを満喫する過ごし方を提案する。
 「OMO7高知by星野リゾート」は、客室数133室で四国初進出となる。食事、客室、アクティビティを通じ、高知の文化を存分に体感できる。
 同ブランドは、「テンションあがる『街ナカ』ホテル」をコンセプトに、全国15施設で展開。スタッフが提案する街の楽しみ方はもちろん、ホテルの中で過ごすだけで街の空気を感じるさりげない演出を施している。2023年4月に「OMO5熊本」(熊本市中央区)、7月には「OMO3浅草」(東京都台東区)を開業させている。
 「界 秋保」は、客室数49室。同施設は「界」ブランドの23施設目で、東北エリアでは青森県・大鰐温泉の「界 津軽」に続き2施設目、宮城県には初進出となる。
 「界 奥飛騨」は、豊富な湯量と山林資源という山の恵みと、それを活かす匠の技術によって発展してきた飛騨地域の歴史と文化を感じられる空間、体験を提供予定だという。
 同ブランドは、「王道なのに、あたらしい。」をテーマに、和の趣と四季の美しさを会席料理やもてなしに織り込みながら、客室、温泉などは今様の快適な空間を追求。日本の風土と本物の日本文化を体験できる上質な空間の中で旅の想い出を演出している。現在、国内に22施設、今後全国に30施設を目標に展開していく。

海外進出も積極的 国際的な運営会社へ
 「星のや」ブランドは、2005年に開業した「星のや軽井沢」を始め、「星のや京都」、「星のや竹富島」は国内外の顧客から広く支持されている。2015年「星のや富士」、2016年「星のや東京」に続き、2017年は「星のやバリ」、2019年には海外2施設目となる「星のやグーグァン」を開業。2020年には沖縄本島に「星のや沖縄」を開業させた。 
 「リゾナーレ」は、北海道、栃木県、山梨県、静岡県、大阪府、沖縄県の国内6カ所、グアムの海外1カ所に展開するリゾートホテルブランド。2022年に「リゾナーレ大阪」を開業し、2023年には「リゾナーレグアム」を開業させた。 
 「BEB(ベブ)」は、「居酒屋以上旅未満 みんなでルーズに過ごすホテル」をコンセプトに、20代~30代の若い世代をメインターゲットにしたホテルブランド。2019年2月「BEB5軽井沢」、2020年10月「BEB5土浦」の開業に続き、2022年7月に「BEB5沖縄瀬良垣」を開業させた。

ロードスターキャピタル 「アルフィット ホテル アンド バー アカサカ」オープン
 ロードスターキャピタル(東京都中央区)は、東京都港区の「赤坂パロスビル」を2023年1月に取得、ホテル部分のリニューアルオープンに向けて改装工事を行ってきた。このほど、客室部分等の改装工事を終え、「ALFIT HOTEL&BAR AKASAKA(アルフィット ホテル アンド バー アカサカ)」として10月14日より宿泊営業を開始した。
 同ホテルは、東京メトロ千代田線「赤坂」駅の他、東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王」駅等、4駅4路線が利用可能な立地に所在する宿泊特化型ホテル。赤坂エリアは、永田町・霞が関地区や虎ノ門・溜池山王地区、また六本木地区等に隣接し、都内屈指のビジネス・商業・観光エリアとして多くの日本人及び訪日外国人が訪れる。  同社は、新型コロナウィルス感染症による各種制約が解除された後には、人の往来が活性化し、宿泊需要が急激に高まることを予見し、2022年よりホテル領域にも注力している。そこで2023年初めには「赤坂パロスビル」を取得し、ホテル部分のリニューアルオープンに向けて改装工事を進めてきた。 
 同ホテルは、敷地面積540・01㎡、延床面積3117・17㎡、地下1階付6階建て、客室数52室、バーを併設する。
 国内のホテル業界は2023年に入ってから回復基調にある。中でも都内の宿泊需要は特に強く、東京都における2023年7月の延べ宿泊者数は845万人泊超と、2019年同月比で+24・7%、2022年同月比で+74・4%となった。
 同社が2022年より保有している千代田区所在の「ネストホテル東京半蔵門」(東京都千代田区)は、既に国内外からの観光客による旺盛な宿泊需要を受け、物件取得時の想定を大幅に上回る賃料収入を得ている。今後、中国からの団体旅行客も一層本格化することが想定され、同社では都内の宿泊需要はさらに高まるものと予測している。

イシン・ホテルズ・グループ 「the b」ブランドを大阪にオープン
 イシン・ホテルズ・グループ(東京都中央区)は12月1日、大阪府新世界エリアに「the b hotels」15施設目となる「the b 大阪新世界」を開業させる。
 同ホテルは大阪メトロ御堂筋線「動物園前」駅より徒歩4分に位置し、客室数は、全224室。同ホテルがある新世界エリアは、日本人だけでなく、訪日観光客にも広く知られる観光スポットとして、国内外から多くの観光客が訪れる。昔ながらの大阪下町の雰囲気と、世界中から親しまれる串カツやたこ焼きなどのB級グルメや賑やかな看板/射的/昭和を感じることが出来る飲食店など、下町ならではのディープな魅力が多く存在する人気のエリアだ。
 同ホテルは2021年に新規開業した「Willows Hotel 大阪新今宮」を「the b hotels」として新たにリブランドしたもの。賑やかで活気のある新世界のエリアにありながら、ホテル館内はシックでラグジュアリーな雰囲気を感じられるデザインが特徴だ。
 2022年から全国の「the b hotels」ブランドで展開している無料軽食サービスtottette(トッテッテ)を「the b 大阪新世界」でも提供する。贅沢でボリュームのある食事ではなく、片手で持てる手軽さと美味しさにこだわった、小腹を満たせるちょうどいいサイズをコンセプトとしている。同ホテルでも、テーマに沿ったいくつかの種類の軽食を提供予定だという。

Karakami HOTERLS&RESORTS 北陸エリアに初進出
 Karakami HOTELS&RESORTSは、8月10日に「山中温泉 風味吟撰の宿 厨八十八」を取得した。この取得によって創業以来初となる北陸地方への進出を果たす。これまで有限会社ゑびなが大切にしてきた情緒や想いを受け継いでいきたいという。
 同施設の前庭「田園テラス」は、米の名産地石川県ならではの田園の原風景が非日常の安らぎを提供するだけでなく、夜には幻想的なライティングによって、リラクゼーションスポットとなる。 
 客室は「風にそよぐ竹の葉音に耳を傾けながら ほっと心休まるひとときを」をコンセプトに、全室から竹林を眺めることが可能。掘り炬燵や露天風呂、テラス付きなど、宿泊者の好みに応じた客室が選択可能だ。
 館内中心部に設けられ、料理人が料亭街内の厨房で調理した造りたて料理を提供する料亭街「厨」では、カウンター割烹席で素材を吟味した八品の会席料理コースを提供する。

シマダハウス 「酒蔵」テーマに新施設
 シマダハウス(東京都渋谷区)は、京急本線「京急川崎」駅から徒歩7分に位置する、宿泊施設「SAKE Kura Hotel 川崎宿」を開業。グループ会社の吉川醸造の日本酒をメインに、ラウンジにてセルフサービスで清酒を提供する。
 同ホテルは、敷地面積196・39㎡、延床面積723・13㎡、1984年10月竣工。全17室で、1階にSAKEフリースペースを配置する。フロントラウンジには川崎宿にちなんだ浮世絵アートなどを展示。宿場町とKuraを新しく解釈した空間デザインを採用した。 「枡での乾杯から始まる宿泊体験」をコンセプトに訪日外国人の需要を期待している。宿泊客は、SAKE BARにてチェックインし、全員に宿泊の手形として枡を提供する。日本酒飲み放題、足湯や貸切風呂、客室でも日本酒を楽しむことができる。日本酒だけでなく、折り紙、着物、アートなど日本文化体験も提供していく。
 シマダグループは東京、神奈川、沖縄石垣島に8施設のホテルを運営しており、「SAKE Kura Hotel 川崎宿」はグループで10施設目となる。

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