不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2023.08.14 10:41

TKP 宿泊サービス事業を第二の柱に 「ISHINOYA熱海」をリニューアル
 貸会議室運営を中心とした「空間再生」事業を展開しているティーケーピー(TKP 東京都新宿区)ではこのほど、新中期経営計画を発表。2013年より開始した宿泊サービスを貸会議室に次ぐ第二の柱として位置付け、積極的な展開を図る。
 現在、同社はアパホテルのFC、旅館を中心に直営施設を全国21か所で運営しているが、既存施設の改修や新規出店を進めていく計画だ。コロナ禍で開催が見送られてきた、企業による宿泊研修の需要は回復基調にあり、対面での人事研修についても再評価されてきている。こうした状況中、同社は今後も全国の施設ネットワークや施設運営・不動産開発のノウハウを活かし、宿泊研修事業を強化することで、総合的な空間サービスの付加価値を高めていきたいという。
 4月には、ラグジュアリーホテル「ISHINOYA 熱海」(静岡県熱海市)を、全室温泉付のスイートルーム仕様としリニューアルオープンした。
 同施設は、JR「熱海」駅より車で10分に位置、全22室。熱海エリアで相模湾を一望できる高台に位置する多目的のラグジュアリーホテル。個人客はもちろん、ビジネスシーンにも対応できるよう会議室3室を始め、通信環境やデスクを用意しており、法人客の宿泊研修に合わせた機能性とリラクゼーションを兼ね備えた。 
 34室を22室にすることで客室を拡張するのに合わせ、全室を温泉付のスイートルーム仕様とした。大浴場にはサウナを完備しているものの、一部客室にもサウナと水風呂を設置し、プライベート空間を提供する。エントランス部分にはオープンカフェを設置するほか、会議室や外観、屋上などの整備も行った。
 同社はまた、新規ホテル開発の一環として、大分交通(大分県大分市)と連携する。ホテル建設・開業用の土地を長期にわたって賃貸借する契約の締結を締結する。
 同社は既に、大分県内では、別府市にある上人ヶ浜公園整備運営事業の設置者に選定され、県内の経済活性化に向けた取り組みを進めているが、今回、大分交通が大分県大分市に所有する約680㎡の土地について、TKPが長期で賃貸借契約を結び、その土地の有効活用をおこなうこととなった。
 TKPは、今回契約する土地にアパホテルを建設・開業することを前提に検討を進めることで観光需要の受け皿を広げ、さらなる事業拡大の可能性を検討していきたいという。
 同社は創業以来、遊休不動産を活用して空間を再生し、付加価値を加えた総合的な空間サービスを提供する、空間再生流通事業を展開してきた。
   六本木の小さな貸会議室から開始した同事業は企業の働き方やオフィスに対する価値観の変化を背景に急拡大し、現在全国に約240施設の貸会議室や宿泊研修施設を展開、国内大手企業を中心とした年間利用顧客数約3万社の顧客基盤を有している。

西武・プリンスホテルズワールドワイド 「プリンス スマート イン」名古屋に 2024年初頭にリブランド開業
 西武・プリンスホテルズワールドワイド(東京都豊島区)では、2024年初頭に名古屋市栄エリアに「プリンス スマート イン 名古屋栄」を開業させる。同ホテルは2021年に営業を終了したホテルを改装のうえ、同社が運営を受託し、宿泊特化型ホテルブランドとしてリブランドするもの。
 同ホテルは敷地面積約998・5㎡、延床面積約6534・2㎡、鉄骨造、地上10階、客室数は245室を予定している。「栄」駅と「伏見」駅の間に位置し、オフィス街と名古屋有数の繁華街である栄からのアクセスが良く、ビジネスとレジャー両面で利便性の高い立地にある。
 同社が名古屋市でホテルを運営するのは2017年にグローバルゲート内に開業した「名古屋プリンスホテル スカイタワー」に続き2店舗目、「プリンス スマート イン」ブランドのホテルとしては初の出店となる。 同社は2022年4月1日に「西武・プリンスホテルズワールドワイド」として新たなスタートを切り、ホテル運営に特化したアセットライトな事業運営を展開。今後現在の国内外86ホテルから250ホテル規模への事業拡大を目指している。その中で「プリンス スマート イン」は宿泊特化型のホテルブランドとして、国内の多店舗化を加速する役割を担っており、積極的な新規出店を続けている。
 今回開業する「プリンス スマート イン」はデジタル世代と呼ばれる若年層をメインターゲットとした当社の宿泊特化型ホテルブランド。ICTやAI技術を導入した非接触型のサービスを基本とし、予約からチェックアウトまで、スマートフォン一台で完結するシームレスなサービスの提供により、ニューノーマル社会で求められる「安全・安心」と若年層の利用客が求める“スマートな滞在ニーズ”を同時に実現させる。

湯快リゾート グランピング施設オープン
 湯快リゾート(京都市下京区)では、2023年に20周年を迎えるにあたり、新たな取り組みの一つとしてグランピング施設をオープンさせる。
 同社では、三重県「鳥羽彩朝楽」に屋内グランピングルームを備えていたが、このほど屋外グランピングを4ホテルに新設することとなったもの。対象ホテルは、福井県「あわら温泉青雲閣」、三重県「伊勢志摩彩朝楽」、和歌山県「南紀白浜温泉白浜御苑」、長崎県「平戸千里ヶ浜温泉ホテル蘭風」。
   ウッドデッキを備えた大型テントを設置し、気軽にキャンプ気分を体験できる。風呂は館内の温浴施設で、また食事はレストランでバイキングを利用可能だ。 
 本格的なテントの中には、北欧風のテイストで揃えたソファーやアウトドアチェアー、寝具を配置。南京錠や金庫なども用意し、外出時や就寝時のセキュリティ面にも配慮した。

大江戸温泉物語ホテルズ 「プレミアム」シリーズを加速
 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(東京都中央区)では、6月1日より「大江戸温泉物語Premium」シリーズを展開しているが、このほど3棟目となる「大江戸温泉物語Premium 城崎温泉 きのさき」(兵庫県豊岡市)をオープンさせた。
 同ホテルは、兵庫県の日本海側に位置する城崎温泉に位置する。
 到着時や風呂上りなど、滞在中にいつでも利用可能な暖炉ラウンジを新設。中央に暖炉を設え、窓の向こうに穏やかな円山川を望む温かみ溢れる空間で、ラウンジでは、生ビールやハイボール、地元・兵庫の地酒を含むアルコール、コーヒーなどのソフトドリンクやアイスキャンディーを追加料金無しで提供する。
 周辺観光地「玄武洞」をイメージした大浴場「げんぶの湯」にはスチームサウナを新設した。サウナ内の椅子座面には、座る位置によって異なる効能が期待される薬石を設置。自然治癒力の向上が期待される麦飯石、新陳代謝を促進する花玉石など目的に合わせて選ぶことが可能だ。
 一部の客室は快適性を追求した、和モダンタイプにリノベーション。窓際のソファはベッドにもなるため、最大4名で1室に宿泊可能。
   また、同社が展開する温泉リゾートホテルブランド「TAOYA」が九州に初進出する。8月1日に「TAOYA西海橋」(長崎県佐世保市)をオープン。
 大村湾と西海橋を望む絶好のロケーションに建ち、テラコッタカラーの建物やプールを備えた中庭など、異国情緒あふれる「大江戸温泉物語 西海橋コラソンホテル」を、同社が手掛けるオールインクルーシブの温泉リゾートホテルとして、リブランドさせたもの。
 「TAOYA」シリーズは2019年4月に開業した三重県鳥羽市の「TAOYA志摩」が第一号。今年4月には第2館目として「TAOYA日光霧降」(栃木県日光市)、6月には開業約400年の歴史をもつ旧・岩沼屋をリブランドし「TAOYA秋保」を仙台の奥座敷・秋保温泉にオープンさせた。

ライフタイムスペース 古民家をリノベーション
 LIFE TIME SPACE合同会社(東京都江東区)は、国宝犬山城(愛知県犬山市)の城下町にある築100年の古民家をリノベーション。この地域では初めてとなる古民家一棟貸の宿「游月庵」を7月28日にオープンさせた。
 近年市内では、「犬山」駅西口に鉄道会社系列観光ホテルの開業、犬山城下の木曽川河畔に外資系ブティックホテルの開業など、滞在型観光需要の開拓が進んでいる。そうした中、歴史ある城下町では初めてとなる古民家一棟貸スタイルでの「游月庵」開業が、観光需要の多様化への対応に寄与し、城下町観光の魅力を一段と高めていけるものと期待している。
 建物は、建築年1923年(築100年)、切妻造平入2階建て、犬山市指定の歴史的建築物。延床面積80m2、最大宿泊者数5名。企画・プロデュースは城下町をよく知る地元企業、安達建築とニワ暮ラフト(造園)がコラボレーションした。

ブッキングリゾート 「ドッグラン付きヴィラ」
 ブッキングリゾート(大阪市北区)が運営する「リゾートグランピングドットコム」では、冨士五湖エンジニアリング(山梨県富士吉田市)が9月に開業する「ドッグヴィラ富士河口湖」の予約受付を開始。
 同施設は、プライベートドッグラン・客室温泉付きリゾート。全棟プラベートドッグラン完備で、全7棟2タイプの客室を用意する。全棟天然客室温泉・バレルサウナ付き。
 「スイートヴィラ」では、プライベート空間を提供する。最大定員8名、1棟貸切で、“専用ドッグラン”も全宿泊棟に併設。

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