不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2023.07.24 10:14

KPG タイムシェア別荘事業をスタート 軽井沢での新しい滞在提案
 カトープレジャーグループ(東京本社・東京都港区、KPG)はこの程、分譲と運営管理を行う本格的な別荘事業「GLAMDAY STYLE TEITAKU(グランディスタイルテイタク)」シリーズの1棟目となるタイムシェア別荘「空ノ庭」をスタートさせた。2024年に、軽井沢にタイムシェア形式やレンタルプログラム形式など、10棟の別荘事業を開発し、2023年8月より分譲を開始するもの。
 同物件は、扇平別荘地内の約2800㎡の敷地に佇む約280㎡のタイムシェア別荘。「軽井沢」駅より車で約10分に位置し、木や石を基調としたリビング・ダイニング・キッチン、3つのベッドルームと2つのバスルームを配置。200㎡以上の広さを有するテラスでは、ダイナミックな自然の中でリラックスした時間を過ごすことができる。また、フィンランド式のロウリュサウナを体験できるテントサウナや、テラスには2名の宿泊が可能なドームテントも配置する。
   同社はホテル、レストランなど、ここ数年で軽井沢の魅力を体感できる様々な事業を展開してきた。今回、別荘事業「GLAMDAY STYLE TEITAKU」シリーズが加わり、軽井沢での豊かな新しいライフスタイルを提案する。
 「GLAMDAY STYLE TEITAKU」は、セカンドハウスとしての新しいライフスタイルを創造し、魅力的な滞在を提案し続けるシリーズ。
 タイムシェア別荘は、1棟を24名のオーナーで、共有持分として所有する不動産。そのため、初期投資を抑えることができ、1口あたり年間で14日の滞在ができ、複数口での購入も可能。 
 オーナーにホテルのように快適に過ごしてもらえるよう、一人ひとりに寄り添ったホスピタリティを提供する。コンシェルジュが、ケータリング、BBQなどを手伝い、地元のスポットや観光情報、各種予約の手配、滞在中のハウスキーピング、メンテナンスは専属スタッフが行い、徹底管理する。
 同社は今後もさらなる展開を予定しており、2024年には、軽井沢の4つのエリアに新たに10棟のセカンドハウスが誕生する。
 同社は、「GLAMDAY STYLE TEITAKU」以外にも、すでに軽井沢で多数のプロジェクトを展開している。レストランは「つるとんたん UDON NOODLE Brasserie KARUIZAWA JAPAN」、信州の食材で作るスペイン王室御用達のレストラン「Jose Luis(ホセ・ルイス)」、また、ライフスタイルホテルとして「TWIN-LINE HOTEL KARUIZAWA JAPAN」が稼働しているほか、2023年12月には、スモールラグジュアリーリゾート「ふふ 軽井沢 陽光の風」と「ふふ 旧軽井沢 静養の森」が開業する予定だ。
 KPGが手がける代表的な旅館やホテルには、大正時代にかつての三井財閥の別荘として建てられた国の有形登録文化財「三井 翠松園」を料亭旅館へ新装した「箱根・翠松園」や、日本旅館の温もりとホテルのプライベートな空間を融合させたスモールラグジュアリーリゾート「ふふ」、沖縄の海を見渡せる全室オーシャンビューで広々とした客室の南国リゾート「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」などを運営している。

Airbnbが多様な生活様式をサポート
 世界最大級の旅行コミュニティプラットフォームのAirbnb(米国カリフォルニア州、エアビーアンドビー)の日本法人は、三菱地所(東京都千代田区)とポストコロナ時代の多様な暮らし・旅・ワークスタイルを支援していくことを目的に、2022年12月に包括連携協定を締結、協議を進めてきたが、このほど本格的に協働した取り組みを開始した。
 同協定では、まちにおける交流を促進し、国内外の多様な人材を惹きつける仕組みを共同で創出することを目指しているが、第1弾として、三菱地所グループは、賃貸借と日割り利用のハイブリッド運用をする次世代型レジデンス「(仮称)豊島区池袋4丁目計画」を始動させる。 
 同物件は、月単位の賃貸借で借りる通常の物件と、日割りで借りる物件が混在するハイブリッド運用とする予定。両社それぞれの異なる強みを生かしながら、三菱地所グループとAirbnbのユーザーが広範かつ新しいユーザー層にリーチすることが可能となり、レジデンスが所在する地域コミュニティのさらなる活性化を目指す。
   同物件の開発と運用は三菱地所レジデンスが行い、運営は三菱地所が100%出資するコリビング運営会社であるHmlet Japanが行う。同物件は7月18日に着工、入居開始は2025年を予定している。
 今後、日本国内の地方都市で遊休不動産の活用、地域人材・コミュニティの育成、長期周遊の仕組みづくりなども共同で検証。国内外の人流を起点とした新たな地域活性化のかたちを探るとともに、両社が互いに強みとするそれぞれの顧客層、資産やコンテンツ、さらに両社が展開するサービスを相互活用することで、新たなまちのにぎわいを創出し、国内外への情報発信も今後積極的に行っていく。

三五工務店 一棟貸しヴィラを小樽で
 北海道産の木材を使用し住宅建築、商業建築を行う三五工務店(札幌市北区)は、同社がプロデュースした「山郷(さんごう)春 Villa -SHUN-、香 Villa -KAORU-」を7月22日、北海道小樽市春香町にオープンさせた。
 同施設は、北海道で暮らす日々を一棟貸しヴィラで表現、山の中の住宅地で日常が体験できる。建物に寄り添うように森が、5分ほど車を走らせれば海があり、登山やマウンテンバイク、ホーストレッキング、マリンスポーツ、海水浴、ゴルフ、夜景、工芸体験など様々なアクティビティが楽しめる施設だという。
 札幌やニセコからのアクセスも良く、北海道内を訪れる際の拠点としても利用可能。旅行以外にも研修や映画、ドラマ、動画の撮影場所としての利用もできるという。
 一棟貸しヴィラとしての運用に加え、会社の福利厚生で社員が別荘として利用、住宅建築・商業建築・新事業を検討している人に向けた宿泊体験のできるモデルハウスとして、これからの観光というマーケットを見据えたビジネスモデルと価値を創る考えだ。
 二棟はそれぞれ特徴があり、例えば「春-SHUN」は、ハイグレードな内装と、薪ストーブ越しに見る大開口の窓が特徴。冬には雪の景色を眺めながら薪ストーブで暖をとることができる。

箱根ホテル小涌園 環境負荷軽減への取り組み
 7月12日にグランドオープンした箱根ホテル小涌園(神奈川県足柄下郡)では、「かながわ木づかい運動」に賛同、取り組みを進めている。
 この運動は、神奈川の木を使い森林を守り育てていくもの。箱根小涌園は、9室の旅館からスタートし、箱根の発展とともに歩みを進め75年が経つ。今後も自然と共存して豊かな森を大切にしていきたいと考えたことからこの運動に賛同した。
 具体的には、ロビーに県産の杉をあしらった柱を使用、フロントカウンター、スタンドライトおよび大浴場のドライサウナには県産のヒノキを利用しており、施設全体で木のぬくもりが温かさを演出する。
 また、環境の負荷が軽減できるよう旧ホテルの廃棄物の再利用や環境にやさしい素材を使用することにこだわり、SDGsの取り組みを行なっている。
 旧ホテルを解体する際に発生したコンクリートの瓦礫を駐車場路盤へ再利用。場内で粉砕し、砕石骨材として再利用することで、場外ダンプ削減、産廃量を削減し、環境負荷を低減させた。
 動きやすさを重視したユニフォームの素材は、トウモロコシ由来やペットボトル再生繊維など環境配慮型素材を使用している。
 箱根小涌園は、日帰り温泉施設「箱根小涌園ユネッサン」を中心に、その周りにある3つの宿泊施設(箱根小涌園 天悠、箱根小涌園 三河屋旅館、箱根小涌園 美山楓林)と2つのレストラン(蕎麦 貴賓館、鉄板焼・しゃぶしゃぶ 迎賓館)からなるエリアの総称。箱根小涌園の始まりは、1948年、9室の旅館「箱根小涌園(現・蕎麦 貴賓館)」の開業がルーツであり、藤田観光グループ発祥の地。

トラスト・ユー クチコミ返信文作成をAIで
 クチコミ管理分析プラットフォームを提供するTrustYou GmbH(ドイツ・ミュンヘン、トラスト・ユー)は、クチコミ返信文の作成をAI(人工知能)でサポートする新製品、responseAI(レスポンス・エーアイ)をリリース。
 同商品はAI技術を活用し、ゲストが宿泊施設に関して投稿するクチコミに対して施設側から返信する文章を自動生成し提案するシステム。クチコミ管理分析ツール、TrustYou Analytics(トラスト・ユー アナリティクス)のクチコミ返信機能は、クチコミ受信トレイに組み込まれているため、今回のresponseAIの製品リリースと同時にクチコミ受信トレイもアップデートされる。
 responseAIは、AI技術を活用し、ゲストから個別に届くクチコミの文脈に即した返信文を自動生成。それにより、宿泊施設のクチコミ管理担当者は、ゲストから届く様々なクチコミコメントに迅速に返信、回答することが可能となる。また、施設からの返信コメントを待つゲスト(クチコミ投稿者)の待ち時間も短縮。宿泊施設のスタッフがゼロから返信コメント文を作成する手間を省き、投稿されたクチコミコメントに対して文脈に合った適切な文章案を自動生成するため、返信コメント用の文章を考え、作成するために必要な時間を、通常の約75%削減することができるという。
 同社は、世界200以上の旅行サイトに掲載されている70万軒以上の宿泊施設に関するクチコミやレビュー(評価)に関するデータを収集、多言語で分析、視覚化、指標化し、旅行・ホスピタリティ業界の企業の品質管理やビジネスの意思決定と業務効率の仕組化をサポートしている。

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