不動産トピックス
今週の一冊
2022.11.28 11:26
返済能力と融資効果を正確に伝えるポイント
元メガバンク支店長だから知っている 銀行融資の引き出し方
著者:川居 宗則
出版:幻冬舎メディアコンサルティング
発行:2022年11月9日
価格:990円(税込)
著者はメガバンクに32年間勤め、融資業務を中心に審査部門では事業再生にも携わった経歴を持つ。現在は融資・補助金に強い専門家として中小企業の資金調達支援に取り組んでいる。
銀行が融資を実施するにあたり、重要視するのは「貸したお金がきちんと返ってくるか(返済能力)」と「貸したお金が企業にどのようなメリットをもたらすのか(融資効果)」の2点であると著者は述べる。その上で、本書は銀行融資を上手に引き出すテクニックを解説する。資金調達の第一歩、銀行へ融資の相談に行く際から、既に銀行側の「値踏み」は始まっている。融資担当者は雑談の中から人柄をチェック。また、身なりや持ち物などからお金の使い方を把握するのだろいう。様々な面から相談者を見極め、「お金を貸す相手」として信用できるか否かの判断を行っているのである。そして、経営者自身の金融リテラシーから企業が置かれている現状の把握や成長性なども十分に考慮する。
一方で著者は、これまでの「銀行が融資先を選ぶ時代」から「融資を求める企業が銀行を選ぶ時代」へと変化すると語り、自社に合った銀行選びをできるかどうかが、資金調達をスムーズに行うポイントとなるとする。融資担当者との付き合い方も重要。数年単位で担当者が変わるため、担当者ごとに異なる考え方や能力を把握した上で、信頼関係を上手に構築するスキルが経営者には求められている。