不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2022.08.29 10:44

ケン不動産リース ”山楽”ブランド国内で6棟目
 ケン不動産リース(東京都港区)グループで、国内・海外に34軒のホテルを展開するプレミアホテルグループ(東京都港区)は、12月に石川県金沢市に「THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA」を開業させる。
 同ホテルは同じ金沢市内では「金沢白鳥路 ホテル山楽」に続く2軒目のグループホテル、自社の山楽ブランド系列では那須・鬼怒川・神戸・京都と同金沢に続く6軒目のホテルとなる。
 ホテルコンセプトは「Timeless & Connect」。時を超えて繊細で優美なかがやきを放ち続ける古都・金沢から想起し、その魅力により多く触れることのできるホテル創りを行うという誓いを込めて、「Timeless(永遠に続く、不朽の)&Connect(繋がる)」をデザインやサービスを設計した。 
 同ホテルは、敷地面積4057㎡、延べ面積1万6105㎡、地下1階、地上6階建て、客室数全215室うちスイートルーム13室。料飲施設ほか、クラブラウンジ、スーベニアショップ、ランドリー、授乳室、駐車場を併設する。
 歴史ある金沢郵便発祥の地であり、日本郵政グループ金沢ビルの跡地に建てられた同ホテルは、旧ビルにもみられた郵政建築の特徴である「庇」のイメージを建物全体に施したほか、外観のアクセントに金沢近代建築の流れを汲む煉瓦様式を採用。 
 ホテル中央には6段の滝が流れる中庭を配置。ホテルに足を踏み入れた瞬間に目の前に広がるほか、客室や館内からも眺望できるなど、ホテルにいながらも金沢の四季の移ろいを楽しめる造りとなっている。
 中庭を眺望するスイートやガーデンツインのほか、大人数にも対応のコネクティングルームなど多彩に用意した客室は全室32㎡以上。黒を基調とした空間に上品な金色や加賀五彩、金沢の伝統工芸の要素が浮かびあがる趣向を凝らしたデザインとした。
 全室に九谷焼の茶器やシモンズベッドを導入しているほか、兼六園の「藤の花」、加賀友禅の梅染と加賀藩藩主前田家の家紋にちなんだ「梅の花」、稀少伝統工芸の「加賀水引」を優美に描いたベッドボードを印象的に配した。
 プレミアホテルグループは、首都圏中心に高級不動産業を展開するケン・コーポレーショングループが運営するホテルグループ。自社ブランドに加え、ハイアットやマリオットなど、世界有数の外資系ブランドチェーンと提携したホテルを自社所有・自社運営を軸に展開。現在、国内は全国に25施設、海外はグアムを中心に9施設、計34施設・約8700室を展開している。7月には、沖縄本島に「琉球ホテル&リゾート 名城ビーチ」を新規開業、来年秋には「ヒルトン横浜」を開業する予定だ。

ルートインジャパン 新潟県と愛媛県に相次ぎ開業
 総合ホテルチェーン「ルートインホテルズ」を運営するルートインジャパン(東京都品川区)は、相次いで施設を新規開業させた。
 新潟県見附市にグループ店舗数325店舗目のホテルとして「ホテルルートイン見附―中之島見附インター―」を開業。 
 住んでいるだけで健康で幸せになれるまちづくり「スマートウエルネスみつけ」を掲げ、住み心地の良いまちづくりを中核に据えた取り組みを行う新潟県見附市に初出店する。
 同ホテルは、JR信越本線「見附」駅より車で約5分の好立地でありながら、駐車場無料・朝食バイキング無料等さまざまなサービスを提供する。
 客室は、シングル・ツインの通常タイプから、ルートインタイプでは初の二段ベッドを備えたファミリールームなど、ビジネスから観光、帰省など、幅広い需要を期待している。
 コンフォートルームでは、寝具大手西川の「AiR」を完備。また、ルームシアターが無料で視聴できる。 
 一方、愛媛県四国中央市には、グループ店舗数326店舗目のホテルとして「ホテルルートイン四国中央―三島川之江インター―」を開業。 
 製紙・紙加工業においては日本屈指の生産量を誇り、紙製品の出荷額日本一の「紙のまち」でもある四国中央市に初出店となる。
 同ホテルは、松山・高松・高知・徳島の四国内主要都市にほぼ1時間で移動できる四国交通の要衝に位置。ビジネス拠点として、また四国4県への観光の拠点としての需要を期待している。

藤田観光 テナントサウナ開設
 藤田観光(東京都文京区)グループが運営するグランピング施設「藤乃煌 富士御殿場」(静岡県御殿場市)では、宿泊者が施設内で体験できるアクティビティとしてテントサウナを7月25日より開始した。
   御殿場市内の宿泊施設では初設置となるテントサウナは、藤乃スイートキャビン専用と予約制で宿泊者が楽しめるよう2ヵ所に設置。テントサウナはエクスプロ社製で断熱性と保温性に優れた人気の製品を使用し、なかには安全性を高めるため、異常な熱を察知すると自動的に電源が落ちる電気ストーブを設置している。
 また、グループ施設のある長崎県五島市のツバキを使ったオリジナルアロマでサウナ愛好家に人気のセルフロウリュウを提供する。
 サウナに欠かせない水風呂には、藤乃煌の地下1500mより汲み上げた井戸水を使用し、水温は13℃。外気浴用にはゼログラビティ(無重力)チェアを用意、木々に囲まれたロケーションと満天の星空の下「至福のととのい」を体感できる。

ウェルス・マネジメントグループ ニセコエリアでヴィラタイプ開発
 ウェルス・マネジメントグループ(東京都港区)では、これまでスモールラグジュアリーホテルの戦略的な開発・運用を軸に事業展開を行ってきた。同社はこのほど、同事業で培ったノウハウや実績を活用して、レジデンスに居住しながら世界的なラグジュアリーホテルの施設やサービスを利用することが出来る「ホテルブランデッドレジデンス」の開発案件を推進する。
 既に開発着手中の「北海道(ニセコ)」と取得予定の「長野県白馬村」のエリアで、ヴィラタイプとコンドミニアムタイプを視野に入れて検討を進める予定だ。同社は今後、「ホテルブランデッドレジデンス」案件の規模は100億円程度を目指して開発に取り組んでいく。
 「ホテルブランデッドレジデンス」とは、世界的なラグジュアリーホテルの名前を冠したレジデンス(区分所有建物)のこと。レジデンス部分に居住しながら、世界的なラグジュアリーホテルのハイグレードな施設やサービスを利用できる。

西武・プリンスホテルWW 「プリンス スマー トイン 大阪淀屋橋」
 西武・プリンスホテルズワールドワイド(東京都豊島区)は、秋頃に大阪・淀屋橋に「プリンス スマート イン 大阪淀屋橋」を開業させる予定だ。
 同ホテルはユニゾホテルが現在運営している「ホテルユニゾ大阪淀屋橋」を同社の次世代型ホテルブランド「プリンス スマート イン」としてリブランドするもの。
 同ホテルは、大阪メトロ御堂筋線「淀屋橋」駅から徒歩約1分の位置にあり、大きなビジネス街に近いうえ、大阪有数の繁華街である梅田やなんば、心斎橋からもアクセスしやすい立地にある。
 333室の客室を有し、ビジネス・観光両面で機能的に幅広く利用することができる。同社が大阪市内でホテルを運営するのは初めてとなる。
 同社は2022年4月1日に「西武・プリンスホテルズワールドワイド」として新たなスタートを切った。
 ホテル運営に特化したアセットライトな事業運営により、今後概ね10年で現在の国内外86ホテルから250ホテル規模への事業拡大を目指している。その中で「プリンス スマート イン」は宿泊特化型の次世代型ホテルブランドとして、国内の多店舗化を加速する役割を担っており、10月13日には「プリンス スマート イン 博多」(福岡県福岡市)、11月22日に「プリンス スマート イン 那覇」(沖縄県那覇市)を開業するなど、新規出店が続いている。 
 さらに2023年春にはアメリカ・ニューヨークに「ザ・プリンス キタノ ニューヨーク」をリブランドオープンするなど、国内外での拠点拡大を加速させている。今後も「日本のプリンスホテルから世界のプリンスホテルへ」を目指し、グローバルホテルチェーンとしての地位を確立するため、出店を加速させていく。
 同ブランドは、デジタル世代と呼ばれる若年層をメインターゲットとした当社の次世代型ホテルブランド。ICTやAI技術を導入した非接触型のサービスを基本とし、予約からチェックアウトまで、スマートフォン一台で完結するシームレスなサービスの提供により、ニューノーマル社会で求められる「安全・安心」と若年層が求める“スマートな滞在ニーズ”を同時に実現させる。
 2021年には「プリンス スマート イン 京都四条大宮」(京都府京都市)、今年は「プリンス スマート イン 京都三条」(同)を開業、関西エリアでも積極的な出店を進めている。今後も地方都市、新幹線停車駅や地方空港周辺都市等、同社ホテルが出店していないエリアを軸に出店を進めていきたいという。

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