不動産トピックス

クローズアップ スマートロック編

2022.05.23 13:28

 不動産テックのなかでも古参のスマートロック。様々な企業が参入をしており、競争環境は激しくなっている。コロナ禍で非接触が広がる中で需要を拡大。海外の事業者も日本市場に参入。細かいニーズに応える製品も出てきそうだ。

ブロックチェーン・ロック、中国・Lockinと提携 工事不要・落下なしDIY型スマートロック販売
 ブロックチェーンロック(東京都千代田区)はYuding Technology Inc(中国・北京、以下、Lockin)と提携。Lockinの日本総代理となった。第一弾として工事不要の落下しないDIY型スマートロック「G30 Smart Lock」、併せて物理キーボックス型のスマートロック「Lockin Smart Lock Box L1」を販売する。一般消費者の住宅での利用増が見込まれるほか、ブロックチェーンロックが展開する、カギの管理から予約・決済・チェックイン・解錠までを行えるKEYVOXクラウドサービスと連携し、ホテルやレンタルオフィス、レンタルスペース、コワーキングスペースなど幅広い空間ビジネスでの利用を狙う。
 Lockinは中国のジャオミや米国のWyzeにODM提供(委託者のブランドで製品を設計・生産すること)してきた。2015年に中国でスマートロックをリリース。同国内では800万以上のデバイスの導入実績があり、EUや北米を含む12の国・地域で事業を展開してきたという。
 今回の「G30 Smart Lock」は日本独自の錠前にも対応したグローバル市場向け商品。室内のサムターン部分を交換するだけで、既存のカギをスマートロックに変えることができる。またネットワーク接続ゲートウェイであるWi―Fiブリッジ、暗証キーパッドがセットとなっている。約10分で取り付け可能、単3電池で稼働するなどの仕様となっている。Lockinでは全世界で初年度売り上げを数十万台と見込む。
 18日にはメディア向けにオンライン発表会を開催。ブロックチェーンロックの岡本健CEOは「私の方からLockinに連絡し、信頼関係を築いて今回の提携につながった。信頼性の高いデバイスを安価に消費者へ提供していきたい」と話した。Lockinの陳彬CEOも日本でのスマートロックに対するニーズについて「他国と比べてもより高品質な商品が求められている」と分析。「ブロックチェーンロックと連携して、そのニーズに応えていきたい」と意気込みを見せた。

住宅管理でスマートロック活用広がり パナソニック ホームズ不動産は初年度7000台目指す
 パナソニック ホームズ不動産(大阪府豊中市)とミサワホーム不動産(東京都新宿区)は既存の賃貸住宅管理物件を対象に2022年5月よりスマートロックを順次導入していく。パナソニック ホームズ不動産は初年度7000台を目指し、ミサワホーム不動産では首都圏を皮切りにして全国展開を図っていく。スマートロック導入で入居者の利便性向上や賃貸物件の付加価値向上、さらに賃貸管理業務におけるセルフ内覧が可能になるなど、入居者、オーナー、管理会社それぞれがメリットを享受する。
 これまでの業界でのDXは「募集」、「内覧」、「申し込み」、「契約」等のフェースでの個別対応が一般的。18日に施行された宅建業法で義務付けられた契約締結前の需要事項説明書等の電子化はDX化を加速させそうだ。
 両社はプライム ライフ テクノロジーグループにあり、グループ横断で進める賃貸管理業務DX化の第一弾として位置づけられている。今後、各フェースでのDX化を推進・統合を測りながら、業務効率化と顧客起点での新たな価値創造を目指していく。

構造計画研究所 スマートロック新製品 FelliCaカード最大千枚登録可能
 構造計画研究所(東京都中野区)はビジネス向けスマートロック製品、入退室管理システムの「RemoteLock」ブランドを展開している。非接触ICカード技術「FeliCa」に対応するスマートロック「RemoteLOCK 8j―F(リモートロックエイトジェイ エフ、以下「8j―F」)」を19日、発売した。
 感染症対策のニーズに応えるために開発が進められてきた。従来の「8j」シリーズの「高いデザイン性」、「ドアの原状復帰が容易」、「引き戸対応」などの特徴に加え、交通系ICカードや社員証、会員証などのFeliCaカードを最大1000枚まで登録可能。施設利用者が快適に解錠・入室できる。来客時の個別対応やカードの発行・送付の手間も削減する。
 6月9日には製品紹介ウェビナーも開催する予定だ。

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