不動産トピックス

クローズアップ フレキシブルワークスペース編

2022.03.07 18:04

 シェアオフィスやサテライトオフィスの開業が相次いでいる。中には他とは一味違う、個性的なものも存在する。今回は働く人の癒しに繋がる工夫を凝らした、フレキシブルオフィスを取り上げる。

まちの遊民社 犬猫のいるコワーキングスペース「シャンミーユ」開業 仕事に悩む若者のキャリア支援の場としても活躍
 一般社団法人であるまちの遊民社(静岡県富士市)は2月22日(猫の日)に、コワーキングスペース「シャンミーユ」を静岡県富士市米之宮町に開業した。
 まちの遊民社は市民の社会参画を目的として2009年に設立した。シニア世代から若者の社会参画支援、動物愛護団体などの各種調査まで様々な観点から社会貢献を進めている。
 シャンミーユを開業したのも社会参画事業の一環。「富士市コワーキングスペース等整備費補助金」を活用し、同法人の事務所となっていた部屋と、隣接する市民活動団体の事務所の計2室を改装。昨年11月から工事を始め計15席の自由席に2区画のレンタルオフィス、また電話用ブースを1区画設けた。
 そんなシャンミーユの大きな特長はなんといっても、人間だけでなく犬1匹猫2匹が「勤務」していること。部長「みいや」と課長「米丸」の2匹の猫が常駐するほか、犬専務「クロロ」が週2日出勤し、利用者の癒しとなっている。代表理事の篠原千津美氏は「当法人のスタッフがみんな動物好きだったこともきっかけの一つです。犬猫がスタッフとして参加することで、利用者の皆さまも楽しく仕事ができるのではないかと思いました」と話す。
 米丸とみいやはともに、同法人と付き合いのある動物愛護団体に紹介してもらった保護猫。篠原氏が引き取っており、毎日篠原氏の自宅から1人と2匹が一緒に出勤をしている。開業してはや1週間。猫たちもすっかり溶け込み、利用者からの反響は上々の様子だ。
 「富士市では都心に比べコワーキングスペースが定着しておらず、実際に利用者が来てくれるか心配していました。ですがSNSや新聞で見て『犬猫に一目会いたい』という方をはじめ予想以上の方々が足を運んでくださっています」(篠原氏)。 改修した2室のうち一室には犬猫が入ってこないため、動物アレルギーや犬猫が苦手な人でも作業ができる。またフリードリンクや冷蔵庫・レンジ機器も用意。リラックスしながら仕事を進められることも魅力だ。料金はドロップイン利用で2時間550円、一日通しで1100円、月額利用で5500円。自由席のうち4席定員のデスクは複数名の予約で会議室利用も可能。個人での仕事や作業利用の他、カルチャースクールや勉強会などセミナー開催の問い合わせも出始めている。
 さらに青少年のキャリア支援に力を入れてきた同法人の強みを生かし、キャリア相談員によるキャリアカウンセリングを事前予約により有料で受けることができる。同法人による人脈はこれからもシャンミーユの運営に生かしていく予定で、「弁護士との相談の場」などの準備も進められている。
 「小学校~高校向けに、例えば職業調べ学習の際に子供たちが興味のある分野の職業人の方を紹介したりなど、当法人では若者のみならず学校のキャリア教育のサポートなどもしています。今回のコワーキングスペースでもこういったネットワークを生かし、多様な分野の方同士が繋がる機会になればと考えています。単なる場所貸しではなく、交流を通じて人と人とが繋がれる場としても貢献していきたいです」。
 シャンミーユはバス停「米の宮公園東」から徒歩1分、噴水のモニュメントが目印の「米の宮公園」、全国浅間神社の一つ「米之宮浅間神社」至近に立地する。米之宮町に訪れた際には、犬猫に癒されながら仕事をしてみてはいかがか。

REALab第2弾の「二子玉川」3月18日オープン JTとの初コラボ喫煙可能なフロア設置
 三菱地所リアルエステートサービス(東京都千代田区)は、個室型サテライトオフィス「REALab」の第2弾「REALab powered by point 0 二子玉川」を今月18日に開設する。
 REALabは、昨今需要が高まっている多様なワークスタイルへの対応や個室型で個人ワークに特化した法人会員向けの個室型サテライトオフィス。第1弾は立川で開設した「REALab powered by point 0 立川」で、15分330円(税込)による従量課金制のオフィスである。自宅でのリモートに依存することなく快適な環境で仕事に集中でき、外出時の利用や時短、効率化を可能にした。特にリモートワークには欠かせないWEB会議が可能な個室を用意。セキュリティはもちろん、オフィス内の除菌や空気環境の安心も実現し、昨今注目の顔認証といった非接触操作も取り入れた。具体的な感染症対策としては、ストリーマ技術を採用した空調で空気中のウイルスを抑制。個室内にキレイな空気を提供しつつ、エントランス及び全個室で顔認証による「非接触+ストレスフリー+安心感」を提供する。また人間工学に基づいたオフィス家具で働く姿勢をサポート。自然音によるマスキングで、音漏れ防止も実現した。
 今回新たにオープンする「REALab」は前述の機能に加え、日本たばこ産業(東京都港区、以下JT)との初コラボ。東急田園都市線・東急大井町線「二子玉川」駅から徒歩6分に位置する「EXPARK二子玉川」の2階・3階に開設し、3階を喫煙可能なフロア(20歳未満の立入り禁止)とする。内容はフロアの一角に「喫煙専用室」を併設。フロアを移動せずとも喫煙可能な環境をワーカーに提供でき、かつ加熱式たばこのみ使用可能な個室も導入する予定だ。背景には2020年4月施行の改正健康増進法が挙げられ、改正健康増進法の全面施行に伴い喫煙所の減少が散見された。この様な状況を受け同社は望まない受動喫煙を防止しつつ、喫煙ワーカーの働く環境満足度向上の取り組みとして喫煙フロアの設置を決めた。
 今回WEB会議可能な個室を26室用意し、3階フロアには加熱式たばこのみ使用可能な個室を13室用意する。営業時間は8時~21時までで年中無休(ビル休館日や年末年始を除く)。施設運営はpoint 0(東京都千代田区)が務める。

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