不動産トピックス

クローズアップ リモートワーク編

2022.02.14 10:24

 一都三県ではコロナ禍以降、山手線よりも外側の地域にシェアオフィスやコワーキングが増えた。リモートワークやサテライトオフィス等の役目を持ち、中には築古ビルの空室利活用や新たなコミュニティ形成にも繋がっている。郊外型とも言われるリモートに適したオフィスの近況とは。

京浜急行電鉄のシェアオフィス兼コワーキングスペース 沿線ワーカーや住民を主なターゲットに
 京浜急行電鉄(横浜市西区)は、多様な働き方を意識したシェアオフィス兼コワーキングスペース「RoomUs 金沢文庫」の開始を発表。今月1日に京急本線「金沢文庫」駅前の「金沢文庫京急ビル」3階で開業した。
 「RoomUs 金沢文庫」は、保有する不動産(オフィスビルなど)を活用しながら沿線利用者の利便性向上と昨今のワークスタイルへの対応を想定しながら始めた取り組み。施設周辺に暮らすワーカーや住民のリモートワーク、フリーランスや起業・副業でのオフィス、学生の勉強場所、地域活動での利用も想定し登記にも対応している。従前京急建設(横浜市西区)の事務所として使用されていた154・74㎡を退去後に改修。席数25席(フリーデスク11席、個室デスク10席、WEB会議専用ブース4席、4人用の会議スペース1カ所)と休憩に利用できるカフェスペースで構成し、他社のシェアオフィスやコワーキングスペースよりも広々とした空間になった。フリードリンクやWi―Fi、複合機、シュレッダー、月極ロッカー、ポストを備え、営業時間は年中無休で7~23時。運営はグループ会社のRバンク(東京都目黒区)が担当する。
 生活事業創造本部の西室和貴氏は「オフィスのコンセプトは『安心で快適なサードプレイスを自宅近くに』。沿線を利用するワーカーや住民を主なターゲットに、近年のライフスタイルの多様化に合わせて、会員制のコワーキングスペースを金沢文庫エリアに造りました。利用料金は1カ月フルタイムでの利用に加えて、平日と休日利用の其々のフル、モーニング、デイ、ナイトといった時間指定のプラン、20分100円のドロップインも行っています」とのこと。また野村不動産(東京都新宿区)のシェアオフィス「H1T」と契約する会員も利用できる。
 京急電鉄は金沢区エリアにおいて、横浜市と2018年に「京急沿線(横浜市南部地域)における公民連携のまちづくり推進に関する連携協定」を締結。富岡・能見台地区を中心に、新たな輸送サービスの実証実験や今後のまちづくりに関するコンセプトブックを取りまとめたほか、子育てしやすい魅力溢れるまちづくりの一環として、「京急富岡」駅構内に可動型完全個室のベビーケアルーム「mamaroR」を設置するなど、沿線地域の魅力向上に向けたまちづくりを行ってきた。また「金沢文庫」駅の乗降客数は19年度時点で約7万人でありながら、近隣にシェアオフィスやコワーキングスペースが見られず、テレワーク需要にも対応できていなかった。保有物件に空きスペースが発生したこともあり、「RoomUs 金沢文庫」の開設に繋がっている。
 同社は今後もコワーキング事業において、沿線を中心に交通利便性の高い駅周辺や京急グループの所有する不動産の活用など、多様な視点とカタチで展開を検討しているとのこと。沿線に「RoomUs」の拠点が増えていくと思われる。

シェア・コワーキング向けのデスク フリーアドレスデスクに適した大型サイズ
 サンワサプライ(岡山市北区)は、シェアオフィスやコワーキングスペース用に好適なデスク「EHD-MTG270100LM」を発売した。
 天板サイズが幅270cm、奥行き100cmと一般的なデスクより大きく、シェアオフィスやコワーキングスペース用のフリーアドレスデスクとして導入するのに適したサイズ。会議用デスクとしても、少人数の打ち合わせから大人数での会議まで対応できるため、様々なシーンで使用できる。
 天板は、配線スペースの有無による2通りの取り付けが可能。デスクの中心部を開けて天板を設置すると、タップなどを収納スペースが現れる。配線したタップを収納スペースに設置することで机上の見た目もすっきする。中心部を合わせて天板を設置すると収納スペースが隠れ、フラットなデスクとして使うことができる。
 木目調天板とブラックフレームのシンプルなデザインで、大きさのわりに圧迫感もなく、明るい北欧テイストの空間を演出。また、同社製の吸音フェルト卓上パーティション「SPT-DPFシリーズ」を取り付けることで、個人のスペースを確保することができる。周りの声や音が届きにくくなり、集中しやすい環境の構築にも適している。

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