不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2022.01.24 10:22

星野リゾート 「OMO」ブランド新店
 星野リゾート(長野県北佐久郡)では、北海道小樽市に「OMO5小樽 by 星野リゾート」を開業させた。
 同ホテルは、JR小樽駅より徒歩約10分に位置、施設構成は北館が地上7階建て、南館地上3階建て。客室はバス・トイレ別で全92室、OMOベースと呼ばれるフロント・ラウンジ、カフェ&ダイニング、大浴場・サウナを併設する。
 「ソーラン、目覚めの港町」をコンセプトに、港町「小樽」の知られざる歴史や文化、食の魅力を届けることで、小樽のレトロな街並みを楽しみ尽くす滞在を提案。小樽市指定歴史的建造物をリノベーションした建物に泊まりながら、小樽の新たな一面を再発見してもらいたいという。小樽は、古くからニシン漁が盛んで朝の港では「ソーラン」という掛け声が聞こえ、活気に溢れていた。また、北海道の玄関口として金融や商社が建ち並ぶなど、経済の中心地として発展してきた街。現在、小樽は札幌から日帰りでも楽しめる観光地として親しまれているが、同ホテルは宿泊することで小樽の歴史や文化、食の魅力の新たな一面を再発見できる旅を提案していきたいという。
 同ホテルが位置しているのは、多くの歴史的建造物が並ぶ「北のウォール街」と呼ばれるエリアで、小樽観光の拠点に適した場所。小樽市指定歴史的建造物の「旧小樽商工会議所」をリノベーションした南館、機能性とデザインを追求した北館の2館で構成されている。南館には、旧小樽商工会議所で使われていた階段はそのまま残し、棚や鏡台などもインテリアとして館内に配置した。北館にあるOMOベースでも、旧小樽商工会議所で使用していた消火栓や鍵を装飾として取り入れた。
 南館の3階に位置する「OMO カフェ&ダイニング」は、旧小樽商工会議所の大会議室だった場所を改装したレストラン。スペイン料理をアレンジしたメニューを提供する。港町の小樽を象徴するニシンを使用したパエリアは、消費が低迷するニシンの魅力を再発見すべく、地元の協力により開発したメニューだ。朝食では、スペイン料理の定番であるチュロスやトルティージャを目の前で仕上げて提供する。
 同ブランドでは、ホテルを中心とした街全体をひとつのリゾートとして捉え、利用者にはホテルにこもらず、どんどん街に出かけてほしいと考えている。そのため、「ご近所ガイド OMO レンジャー」が実際に宿泊客を近所に連れて行くツアーを用意している。

ワシントンホテル 「ワシントンプラザ」ブランド22年ぶり出店
 ワシントンホテル(愛知県名古屋市)は、3月1日に「札幌ワシントンホテルプラザ」(北海道札幌市)を開業させる。
 同ホテルは、将来の北海道新幹線延伸や駅前再開発により一層の利便性向上が期待されるJR「札幌」駅から徒歩約2分の好立地に位置する。デザインコンセプトは“豊かな大地の空気を取り込む、心地よい落ち着きを感じる空間”とし、ビジネスはもとより、家族や友人同士で利用えきる各種タイプの部屋を用意した。朝食は新鮮な地元食材を使用した様々な料理をバイキングで提供する。
 客室は、豊かな自然をイメージする木目調を主とした、シンプルでぬくもりのある3タイプを用意。シングルルームは140cm幅のベッドと、使い勝手を向上させたデスクやソファを設置。ダブルルームでは160cm幅のベッドを設置、ツインルームはバスルームとトイレを独立させている。また40インチのテレビで動画なほか、客室のテレビと宿泊客が持参したパソコンやゲーム機器などを接続することができ、パソコンの画面をテレビの画面に映し出したり、客室のテレビでゲームを楽しむことができる。客室空調は、好みの室温設定が可能な「個別空調」タイプ、全客室枕元に「USBコンセント」を設置、全客室に加湿機能付空気清浄機を設置した。
 同社は近年「R&Bホテル」ブランドを中心に出店してきたが、同ホテルは、駅前立地を生かして、ビジネスユースのみならず、観光目的で訪れる幅広い利用を期待して、22年ぶりに「ワシントンホテルプラザ」ブランドでの開業となった。 
 現在同社では、全国でワシントンホテルプラザ、R&Bホテルを合計43施設運営しており、札幌市での出店は、「R&Bホテル札幌北3西2」に次ぎ2施設目となる。
 「ワシントンホテルプラザ」は、1969年の1号店開業以来、53年の歴史があり、全国の多くのビジネスパーソンが利用している。部屋タイプは主にシングル、ツインの部屋を保有しているほか、一部のホテルには、飲食店や宴会場を併設し、幅広い顧客ニーズに対応している。

OYO Japan 寝具メーカー大手と提携し健康まくらを無料貸し出し
 OYO Japan(東京都港区)では、「OYO Hotel(オヨ ホテル)」での、より快適な空間づくりとサービスの品質向上を目指し、寝具メーカー大手の西川(東京都中央区)と業務連携を開始した。第一弾として、全国にあるOYO Hotelが運営する北海道や福岡の8施設に対し、睡眠の質向上につながる西川の「医師がすすめる健康枕シリーズ」を無料で貸し出すサービスを提供する。
 同社は2019年に日本でサービスを開始した宿泊事業「OYO Hotel(オヨホテル)」の運営会社として、「好きなときに、好きな場所へ」というコンセプトのもと、全国各地に200以上のバラエティ豊富なホテルや旅館を「OYO Hotel」と「OYO Ryokan」の2ブランドで展開している。
 2021年3月から11月にメールにて両ブランド施設を利用したユーザー250人以上に対し、更なる品質向上を目的に調査したした結果、利用用途のうち57%がビジネス(出張、短期ワーケーション、リモートワーク含む)シーンで活用していることや、40代後半から50代半ばまでの男性利用が多いことがわかった。また、ユーザーが宿泊先を選定する際には、清潔感があり、快適な空間、価格、ロケーションの項目が上位を占めたという。
 同社はこうしたユーザーの属性や、需要を鑑み今回のキャンペーン開始となったもの。まず8施設から開始する。ロビーエリアなど館内に西川の「プレミアムまくらコーナーを設置する。宿泊者は、4種類のものから自身にあった最適な枕を、選んで部屋で試すことができる。

箱根小涌園ユネッサン 高温サウナルーム設置
 今年で開業20周年を迎えた全天候型の温泉アミューズメントパーク、箱根小涌園ユネッサン(神奈川県足柄下郡)では、採暖室(40℃前後)を高温サウナルームとしてリニューアルした。
 国産檜を全面に使用した内装で、窓の外に広がる景色と相まって、箱根の自然に溶け込んだかのような空間を作り上げた。室温は高温設定(約90℃)となっており、1日数回行われる「ロウリュウ」により発生するハーブの高温蒸気により、更なるサウナ活動をサポートする。サウナルームの目の前にある「龍の水辺」が冬季限定で、サウナ活動の生命の源と言われる「水風呂」とした。

テレワーク・テクノロジーズ 上場企業のテレワーカー送客
 テレワーク・テクノロジーズ(東京都中央区)は、空室に悩むホテル等へ6万人の上場企業テレワーカーを送客する、上場企業専用テレワーク個室予約新サービス「テレスペ」を開始した。利用側の上場企業法人会員は6万人を確保しており、オフィス縮小によるオフィス家賃の大胆なコストカット、全国の社員居住地近くに個室を提供する職住近接の実現など、人口減少社会における“上場企業総務部の新しい働き方導入”を支援していく。
 各ホテルには法人窓口があるものの、企業側は多重IDの管理に苦労しているという。企業が100ホテルと契約すると社員は100個のID/PASSを持つことになってしまう。一方、ビデオ会議等の普及により国内の出張・ビジネスでのホテル利用の回復は鈍く、インバウンドの回復も元通りになるまで2年はかかると言われている。利用企業のこうした課題を解決する。
 これまでもホテルワークに関する小規模な実験やホテルのテレワークプランは存在したが、従来はホテル側主導で空き時間を提供するプロダクトアウト型のサービスで、企業がオフィス代わりに利用するには難しい側面があった。結果、個人の単発利用にすぎず大きな市場とはなっていなかった。 
 今回同社ではホテル側ではなく、利用する法人側と2021年3月より対話を開始、実験を重ねて0から作り上げたマーケット主導型サービスを提供する。
 ホテルや地域の個室が収益を得ることにより、東京都心部に一極集中するシェアオフィスとは異なる経済圏を生み出し、将来的にはワーケーションや移住など地方との連携も視野に入れている。

KADOKAWA 「しろくまカフェ」コラボルーム展開 モントレ7カ所で
 KADOKAWA(東京都千代田区)は、埼玉県所沢市の「ところざわサクラタウン」内「EJアニメホテル」にて実施していた「しろくまカフェ」コラボルームを、ホテルモントレグループの札幌、仙台、大阪、神戸、博多、長崎の6都市計7ホテルで、アレンジバージョンとして1月6日より展開。
 「EJアニメホテル」は、「好きな物語に、泊まる」をコンセプトに、アニメやコミック、ゲームなどさまざまな作品とのコラボレーションルームを提供する体験型ホテル。各館でのコラボルームでは、EJアニメホテルと同じく、描き下ろしのキャラクターパネルや声優によるボイス、持ち帰り可能なコラボグッズを提供するほか、ホテルモントレオリジナルのオプションとして、ピクニックをテーマとした部屋で食事ができる「バスケットディナー」などを提供する。
 ホテルモントレはヨーロッパを中心とした様々なコンセプトで全国10都市に21ホテルを展開している。
 「ところざわサクラタウン」は、2020年11月に日本最大級のポップカルチャーの発信拠点としてKADOKAWAが埼玉県所沢市に開業した大型文化複合施設。書籍製造・物流工場や、KADOKAWAの新オフィス、イベントスペース、体験型ホテル、ショップ、レストラン、商業施設のほか、角川文化振興財団運営の「角川武蔵野ミュージアム」も建設。また、KADOKAWAと所沢市が共同で進める「COOL JAPAN FOREST 構想」、KADOKAWA・埼玉県・所沢市の三者で連携・協力する協定に基づき振興を図る「埼玉カルチャー観光共和国」の拠点施設にも位置づけられている。

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