不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2021.11.08 12:11

ベッセルホテル開発 地域活性化貢献にクラウドファンディング 愛媛・松山の新築施設で
 全国でホテル事業を展開するベッセルホテル開発(広島県福山市)は、12月1日に開業予定の「レフ松山市駅 by ベッセルホテルズ」にて、11月20日までの期間、地域活性、環境問題への挑戦などを目的にクラウドファンディングを実施。「伊予鉄ルーム」を作り、一人でも多くの人に興味を持ってもらい、出資者と一緒にホテルを作りあげ松山の街をホテルから盛りあげていきたいという。
 ホテルは、愛媛県・松山市駅に隣接するということもあり「THE STATION」をコンセプトとしている。「建設の際約60年間、地域の皆様から愛され、地元の方々の生活の一部として共に歩んできた、伊予鉄道の引退車両があることを知りました。この車両をホテルでリユースさせていただき、『ご宿泊のお客様や地域の皆様に喜んでいただきたい』、『観光に来られる方に魅力を伝えたい』、『ホテルも地域を盛りあげる一翼を担いたい』などの思いを伊予鉄道様へ提案し、快くご承諾を得ることができました」(同社)という。
 引退車両の運転席・床材・つり革・パネルなどを使用した「伊予鉄ルーム」を2室作る。加工・設置する費用として、1室あたり約750万円の費用が必要だという。  クラウドファンディングプロジェクトは、11月20日までの期間で、主なリターン品は、朝食付の「伊予鉄ルーム」に宿泊できる権利のほか、名前掲載の権利を提供する。目標金額は100万円。
 客室は、コンセプトルーム「伊予鉄ルーム」をはじめ、全8タイプの部屋を用意。日本三大絣のひとつ「伊予絣(いよかすり)」という木綿生地の染織物を各客室に使用し、地域性を感じてもらえるデザインにしている。
 同社は大手企業との協業により、出店を増やしてきた。同社含めたベッセルグループは100年近くの歴史があるが、もともと広島県福山市の一地方企業のため、全国展開していくためには、パートナー企業との協業が不可欠だった。
 ここ数年、地道な営業と実績を高めたことで、今ではゼネコン・不動産会社・鉄道会社・投資ファンドなどとのパイプが固まり、優良な土地の情報が入手できるようになった。
これまでの施設は新築が殆どだが、既存ホテルの再生にも対応していく。その場合は人口30万人以上の都市で、客室数80室以上が基準。一方、新築ならば、主要駅から徒歩5分圏内で、客室数130室などが条件だ。同社では、既存物件の取得や賃貸借、運営受託など様々な契約形態によって出店を加速させていきたいという。

アコー 東京・京都でリブランドオープン 全国で21店舗まで拡大
 フランス・パリを拠点とし、世界110カ国に5000を超えるホテルやレジデンスを展開する世界最大級のホスピタリティーグループであるアコーは、10月28日に「イビススタイルズ東京銀座」(東京都中央区)、11月13日には「イビススタイルズ京都四条」(京都府京都市)を相次いでリブランドオープンさせる。 2020年11月にオープンした「イビススタイルズ名古屋」(愛知県名古屋市)に続き、国内6軒目のイビススタイルズブランドとなるこの「イビススタイルズ東京銀座」は、東京メトロ「銀座」駅から徒歩5分に位置、客室数全224室。14m2からのコンパクトながらに、滞在を快適にするアメニティを揃えている。レストランとコインランドリーを完備し、個人旅行からファミリー利用まで、あらゆるゲストのニーズに応えられるホテルだ。
 一方「イビススタイルズ京都四条」は、京都市営地下鉄烏丸線「四条」駅より徒歩4分、地上10階、全281室。古都・京都の四季折々を感じられるエントランス・ロビー、コインランドリー、1階にはコーヒーショップ「タリーズ」を併設し、ビジネスマンから観光客までのニーズを見込んでいる。
 開業に際し、アコー東南アジア、日本、韓国の最高経営責任者ガース・シモンズ氏はこう話す。「日本での継続的な成長は、アコーのさらなるグローバルなディストリビューションネットワークの拡大を確実にすることと共に、観光セクターでの長期的な将来への自信を再認識することになります。銀座は外国人が訪れる2番目に人気のあるエリアであり、文化の中心地京都は主要な観光地です。これら2つの象徴的な都市の中心地にあらたに開業することにより、旅行者も地元のお客様も、これらの新しいスタイリッシュなエコノミーホテルの創造的な雰囲気に魅了されるでしょう」。
 この2軒の開業により、アコーの国内ホテルネットワークは、札幌2軒、東京4軒、新浦安、横須賀、名古屋2軒、京都5軒、大阪4軒、那覇2軒を含む計21軒となる。同社は現在、Mギャラリー、スイスホテル、プルマン、ノボテル、メルキュール、イビススタイルズ、イビス、イビスバジェットの8ブランドを展開している。

楽天LIFULL STAY 子ども向け施設充実の新設オープン
 楽天グループの民泊事業会社である楽天LIFULL STAY(東京都千代田区)は、リビングの吹き抜け一面に張りめぐらせたアスレチック用のネット遊具やベッドルームに設置された屋内テントなど、子ども向けの設備が充実した「Rakuten STAY VILLA 箱根仙石原」南館(本施設・神奈川県足柄下郡)をオープンする。
 同施設は、御殿場ICから車で20分に位置し、部屋数5部屋。オーナーは楽天グループ、設計は東京アライブエステート、施工はイトーピアホーム、東京アライブエステート、楽天LIFULL STAYが運営を担当する。
 「Rakuten STAY VILLA 箱根仙石原」南館は、同年7月にオープンした北館と同じ無人運営による宿泊施設。全5部屋ある客室は2階建てのメゾネットタイプとなっており、ウッドデッキとあわせて約100㎡のスペースに、1室10名まで宿泊することができる。全ての客室に天然温泉風呂と足湯を備える。シックな内装で大人な雰囲気の北館に対して、南館はイエローやブルーなどの色合いを内装に取り入れ、子どもにも親しみやすいポップで明るい雰囲気に仕上げているのが特徴だ。その他にも、大型犬と泊まれる客室や、クラフトビールのサーバーとともにバーベキューを楽しめる客室など、旅行者の好みにあわせた様々なタイプの客室を設けている。
 「Rakuten STAY」は、民泊や簡易宿所の運営を希望する法人・個人の不動産オーナーに対して、楽天が「Rakuten STAY」ブランドを貸与し、楽天LIFULL STAYが、導入のコンサルティングから施工、清掃などの運用まで、委託会社の協力を得て一括して運用代行を行うサービス。

アパホテルが大阪・難波地区に6棟目
 アパホテル(東京都港区)では、大阪市浪速区の「難波南クリスタルホテル」を取得し、このほど、なんばエリア6棟目となる「アパホテル〈なんば南 大国町駅前〉」としてプレオープン。今後、営業を続けながら4室の増室工事を行うほか、ホテル館内外のリニューアルを進め、12月22日のグランドオープンを予定している。
 同ホテルは、大阪メトロ御堂筋線・四つ橋線「大国町」駅すぐ、鉄筋コンクリート造、地上10階建て、客室数は114室。大阪屈指の観光地である難波エリアにほど近く、「新大阪」駅や「梅田」駅へのアクセスも至便なことから、ビジネスだけではなく、国内レジャー、インバウンドなど幅広い宿泊需要を取り込んでいく。 
 今回のオープンにあたり、フロントロビーを1階へと移設させることによりホテル設備の利便性向上を図るとともに、シングルルームに快眠性を追求した1400mm幅のオリジナルベッド「Cloud fit(クラウドフィット)」を導入したほか、多様な宿泊需要に応えるためツインルームを増設した。
 客室には、事務所並みの明るさにこだわったシーリングライトを新たに設置。テレビ画面上に館内案内をデジタル表示した「アパデジタルインフォメーション」、通信速度とセキリティの面で優れたWi―Fi無料接続、BBCワールドニュース無料放映などを導入した。また、アパグループ創業50周年を記念して、国内の直営アパホテル全店および一部FCホテルの全客室で VOD(有料チャンネル)を標準サービスとして無料で提供する。
 更に同社は、NTTドコモが提供するスマホ決済サービス「d払い」のアプリ内で利用できる「d払い 予約・注文」でアパ直の予約サービスを開始した。
 d払いアプリでアパ直の予約を利用することで、アパホテルの予約、d払い決済まで完結することができる。d払いアプリで予約、決済を行うことで、通常時のdポイントに加え、購入金額の1%分のdポイントが還元されるキャンペーンも実施されており、d払いアプリを活用して新規顧客の獲得につなげていきたいという。

プライベートスウィート改修「おとぎの宿 米屋」
 田園風景が広がる高台の森にある全客室自家源泉掛け流しの温泉宿である「おとぎの宿 米屋」(福島県須賀川市)は別館11室を改装した6室のプライベートスイート「離れ88(はちじゅうはち)」をリニューアルオープンした。
 今回のリニューアルでは、美肌の湯を贅沢に愉しみ、自然と共に過ごす体験と、自分を大切にする時間を作り、利用者たちの本質を日常に持ち帰るための客室づくりを目指した。建材は木材を中心に使用し、塗料も自然環境に配慮したものを使用している。
 料理には、無農薬・有機栽培野菜や天然食材、オーガニック食材を使用し、「おとぎ」を感じるワンシーンが一品一品に表現されたおとぎ会席を用意している。再生エネルギーも導入しており、温泉の排湯熱を利用したヒートポンプやV2Xシステム等、灯油を一切使用せず、CO2排出量の削減も実現。アメニティに使用しているコスメはオーガニック認証取得のアメニティをセレクトし、人にも環境にもやさしい宿を目指した。
 米屋の原点である「お米」は、88の手間ひまをかけて作られる「豊かさ」のシンボル。「離れ88(はちじゅうはち)」での宿泊を通して、心穏やかに豊かな時間を過ごしてもらいという願いをこめた。

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