不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2021.08.30 14:08

大手チェーン店が名古屋に出店攻勢 2027年のリニア開通後の需要期待
アパホテル駅前3棟目 客室数は403室
 アパホテル(東京都港区)ではこのほど、名古屋駅エリア3棟目となる403室の「アパホテル〈名古屋駅前〉」を開業させた。
同ホテルの2階には大浴殿「玄要の湯」準天然光明石温泉(人工温泉)を完備しており、ビジネスのみならず、国内レジャー、インバウンド、イベント需要など幅広い宿泊需要を取り込んでいく。
 客室は全室禁煙で、同社オリジナル「新都市型ホテル」の最新仕様であり、全室に設置している50型以上の大型液晶テレビには、「アパデジタルインフォメーション」を導入し、館内案内をテレビ画面上に集約表示している。
 現在、アパグループ創業50周年を記念して、国内の直営アパホテル全店および一部FCホテルの全客室でVODを標準サービスとして無料化している。同ホテルでも、宿泊客は滞在中、映画・アニメなど200タイトル以上が無料で見放題となる。
   また、全客室の大型液晶テレビはHDMI接続に対応し、10階以上の客室では、照明スイッチ、空調リモコン、コンセント、USBポート等とともにHDMI端子を枕元の集中コントローラーに集約することで利便性を高めた。テレビ会議やゲーム、動画等を大型テレビに映し出すことができ、テレワークや日帰りプランにも適した仕様となっている。
 「このホテルは、中部地方最大のターミナル駅の名古屋駅徒歩4分の交通アクセス至便な駅前立地。2027年にはリニア中央新幹線の開業が予定され、今後ますます発展が見込まれる名古屋駅エリアにおいて3棟目であり、名古屋市内最大のアパホテルとなる」(元谷外志雄代表)。 最先端のIT開発として、全予約経路対応のチェックイン機に加え、1秒チェックイン機を導入。事前にオンライン決済し、「アパ直」予約で部屋選択を完了することで、当日のチェックイン手続きを大幅に簡素化することができる。
 ルームカードキーを投函するとリアルタイムでチェックアウト処理が行われるエクスプレスチェックアウトポストも設置するなど、ゲストの時間を大切にする「アパトリプルワンシステム(1ステップ予約・1秒チェックイン・1秒チェックアウト」)により、「非接触」、「待たない」、「並ばない」を実現したストレスフリーのアパオリジナルデジタルサービスを提供する。 
 同ホテルの開業により、現在愛知県内では10ホテル2448室、名古屋市内では8ホテル2286室のアパホテルが運営中となる。

スーパーホテルは地元とのコラボも
 スーパーホテル(大阪府大阪市)は、8月5日に国内166店舗目となる「スーパーホテル名古屋天然温泉新幹線口」を開業させた。
 同ホテルは、JR東海道本線「名古屋」駅太閤通口より徒歩約7分に位置する。建物はRC造11階建て、客室数110室。
 名古屋港水族館や名古屋市東山動植物園などと提携し、観光客や地元からの宿泊を狙っていく。
 例えば、「東山動植物園チケット付きプラン」は、東山動植物園チケットがセットになったプラン。「高層階・トレインビュープラン」は、9階から11階はJR東海道新幹線や在来線がよく見えるため、鉄道ファンに訴求する。その他、愛知県民限定プランなども販売し、リフレッシュ目的の近場宿泊を提案していく。
 「オリジナルカクテルが作れるホテル」として様々なリキュールをラウンジに用意。自分好みの酒作りを体験できる。その他、ノンアルコールカクテルリキュールやワインなども揃っており、好きな食事を持ち込んで酒と一緒に楽しむことができる。
 天然温泉「名城金鯱の湯」は、名古屋駅付近のホテルで唯一天然温泉。池田さくら温泉から運んだ湯は疲労回復や健康増進など様々な効能が期待できるため、免疫力活性化をサポートしながら、旅行気分も味わってもらおうというもの。
 女性客には専用のフロアを設置。客室はすべて「レディースルーム」で、美容ブランド「ReFa」のシャワーヘッドやドライヤー、枕専門メーカー「じぶんまくら」とコラボした枕など女性の身体にフィットする寝具をはじめ、女性の美容と健康に配慮したアイテムを提供する。

エフエー インバウンド回復見据え民泊
 エフエー(北海道札幌市)は、訪日外国人観光客数の回復後を見据えた民泊施設「Citson Garden」を札幌市内にオープン。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、北海道内への外国人観光客はコロナ禍以前と比較し98%減少した。一方、日本政府観光局の統計で北海道は、2019年の外国人観光客数は都道府県別で全国8位で、インバウンドは北海道の産業の大きな柱だ。そのため外客数回復時に外国人を迎える体制が衰退していては道内経済に深刻なダメージになるのは明らか。同社では、訪日外国人観光客向け民泊施設の運営を通じて、インバウンド回復時の観光産業の一助となることを目指していく。 同施設は昨年12月に最初の「Elbivue」がオープン。5月に「Dimaryp」と「Egnorts」が開業、6月15日には4施設目となる「Citson Garden Laventos」がオープンした。
 「Citson Garden」ではASEAN地域の生活・旅行文化に配慮した高級感あふれる広い間取りに、大人数がストレスなく長期滞在できる室内施設を完備するなど、北海道を訪れる外国人旅行客に満足してもらえるようにデザイン。
 普段の生活スタイルを崩さず家族で滞在しながら、日本文化に触れられるよう配慮している。
 同社では今後、より一層日本文化を体験してもらえるよう、自分たちで着付けができる着物や、淹れ方のガイド付きのお茶なども導入していく計画。また、ハイヤー会社と提携し空港からの送迎サービスや、入り口にiPadパネルを設置して入室できる仕組みの導入など、完全非接触で感染リスクを抑えられる取り組みも進めていく。

ヒルトン×大和ハウスで新施設 ”ダブルツリー”ブランド関西初進出
 ヒルトン(米国:バージニア州)と大和ハウス工業(大阪府大阪市)は、「ダブルツリーbyヒルトン大阪城」の運営受託契約を締結。同ホテルはヒルトンが運営し、2024年春の開業を目指す。 
 同ホテルは大阪で3軒目のホテルとなる。関西初の進出となる「ダブルツリーbyヒルトン」は、世界49の国と地域に615軒以上のホテルを展開しているヒルトンの中でも急成長中のアップスケール・ホテルブランドだ。
 同ホテルは、日本経済新聞社と大和ハウス工業が進める大阪市中央区の日本経済新聞社旧大阪本社跡地の複合施設「大阪・大手前一丁目プロジェクト」の施設内に位置。ホテルは、施設の6階から20階まで15フロアに展開する。大阪城に最も近いホテルの一つで、最寄りの天満橋駅から徒歩約5分に位置する。
 全377室の客室の他、レストラン・カフェバーやロビーラウンジなどの料飲施設、フィットネス・プール、エグゼクティブラウンジ、宴会・会議室4施設などを兼ね備える予定だ。
 今後大阪では2025年に「大阪・関西万博」の開催が予定され、国内外から多くの旅行客が大阪を訪れることが予測される。ヒルトンは大阪におけるアップスケール・ホテルへの需要に対応し、グローバル・ホテルオペレーターとしての実績とサービス品質が評価され、今回の契約締結に至ったという。
 ヒルトンは、世界119の国と地域に6600軒以上のホテルを展開している。現在、18のグローバル・ブランド・ポートフォリオを展開している。ゲスト・ロイヤルティ・プログラム「ヒルトン・オナーズ」の会員数は1億1800万人以上を有し、ヒルトンの公認予約チャネル経由で直接予約したヒルトン・オナーズ会員は、客室を自分で選択できるデジタル・チェックイン、デジタル・キーなどを会員登録直後から利用可能になる。

カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント 「新マンスリープラン」販売
 カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント(東京都港区)では、8月1日以降にチェックイン、12月1日までにチェックアウトし、30泊以上宿泊をする利用者を対象に、通常料金より安価で宿泊できる「新マンスリープラン」を上野公園、大宮、大阪なんばの施設限定で販売している。
 同プランは、ビジネスの長期出張やテレワーク、プライベートでの仮住まいなど様々な目的に合わせて活用できるマンスリープラン。
 通常宿泊料金よりも安価に泊まれるだけでなく、「カンデオホテルズ大宮」、「大阪なんば」では設置されているスカイスパ・サウナを毎日何度でも利用することが可能だ。
また、「カンデオホテルズ上野公園」では、近隣にある公衆浴場「ひだまりの泉 萩の湯」を、安価で利用できる。
 同社ブランドの特徴である高層階からの眺望、立地やセキュリティ、衛生面やサービス、スパ・サウナが入り放題など、カンデオホテルズの魅力を存分に味わいながら、初期費用・家具備品の購入・水道光熱費は不要で滞在体験を提供していきたいという。

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