不動産トピックス

クローズアップ テナントサービス編

2021.03.22 14:21

 優良なテナントに長期間入居してもらうためには、ビルを利用することの満足度を高めていくことが必要だ。テナントの満足度をあげるにはどのようなサービスがあるかだ。ウィズコロナ・アフターコロナも踏まえ、紹介する。

遊びで人間関係構築の「バヅクリ」 ビルオーナー向けサービスの提供開始
 プレイライフ(東京都港区)が昨年7月より提供している、法人向けオンラインチームビルディングサービス「バヅクリ」が好評だ。これまでにサイバードやみずほフィナンシャルグループ、三井住友海上火災保険、アイシン精機など約130社がサービスを利用している。昨年11月には東急不動産と連携して、同社が運営するビルのテナント向けに「バヅクリ」を提供。これまでに10社以上が利用しているという。
 そのなかで、3月2日に不動産事業者向けのサービス提供を発表。これまで企業内の人間関係作りに特化していた「バヅクリ」が、ビルのテナント間のコミュニケーションツールとしてビルオーナーやデベロッパーへの提供をはじめていく。
 サービス発表日同日。プレイライフ代表取締役の佐藤太一氏はサービス発表も兼ねたウェビナーに登壇。サービス提供で連携していくIPPO代表取締役社長の関口秀人氏、またデベロッパー側からも三菱地所と東京建物の社員が登壇した。
 佐藤氏は「50社以上のデベロッパーやビルオーナー企業の関係者が参加し、大きな関心を寄せていただきました」と話す。約2時間半のウェビナーだけでは話が尽きず、終了後は舞台を「クラブハウス」に移して、様々な話が展開されていった。そのなかでデベロッパーやビルオーナー側の悩みも出てきた。その背景にあるのはコロナ禍だ。
 「テレワークが広がりを見せる中で、ハードのみでテナントを誘致する難しさに直面しています。彼らの共通した認識として、今後コロナ禍が収束してもオフィスとテレワークのハイブリットがより広がっていくと見ています。そのなかでリアルな場所であるオフィスではこれまで以上にコミュニケーションが促進される空間が選好されることが予想されます」
 ここでいう「コミュニケーション」は社内の人間関係だけでなく、同じビルやエリアにいる企業やワーカーとの交流も含まれる。実際、大手シェアオフィス運営会社ではコミュニケーションマネージャーを置いて入居者同士の関係作りに注力している。
 プレイライフが提供するビルオーナー向け「バヅクリ」はコロナ禍が生み出した課題に対する解決策のひとつとなりそうだ。このサービスは遊びを通して、人間関係を築いていくことができるのがポイントだ。くだけた形で遊ぶことで、ヨコの関係だけでなく、タテの関係もつくっていくことができる。  ビルオーナー向けサービスではこれに一工夫加えて、「バヅクリ」にSNSのような機能を追加していく。「目指すところはたとえばビルのテナントの経営者から社員までが交流する機会を作ったり、ノウハウを共有したりする場にしていくことです」(佐藤氏)。
 すでに導入に向けて具体的に交渉してるデベロッパーもある模様。中長期的にはビル内だけでなく、エリア版「バヅクリ」にも発展させていく構えだ。

管理受託するビルの入居企業向けにPCR検査キット
 サンフロンティア不動産(東京都千代田区)では管理を受託しているビルの入居企業向けの新たなサービスとして、先月22日より「新型コロナウイルスPCR検査キットお届けサービス」を開始した。
 同社プロパティマネジメント部門では東京都心を中心に400棟を超えるオフィスビルの管理を受託している。コロナ禍において、入居企業で新型コロナウイルス感染者が発生した際にはウイルス除去作業など、同社グループがあげてサポートしてきた。
 今回、サービスを開始した検査キットは理化学研究所と神奈川県衛生研究所などの共同研究グループが開発した新型コロナウイルス次世代PCR検査法、PCR/SmartAmp(スマートアンプ法)としてSS Dnaformが提供するもの。
 PCR検査キットは電話一本でサンフロンティア不動産が即日入居企業へ届け、入居企業は届いたPCR検査キットで検体を採取し24時間以内にSSダナフォームへ提出する。検査結果はSSダナフォームへ到着後、当日中もしくは翌営業日までに申込者宛に通知メールが届く仕組み。
 PCR検査キットの料金は月々の賃料や管理費の請求書に合算して請求する。

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