不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2021.02.15 11:50

バリューマネジメント 古民家・町家再生施設 太宰府に2棟オープン
 バリューマネジメント(大阪府大阪市)が運営する「VMG HOTELS & UNIQUE VENUES」は、歴史的な邸宅や町家を改修した分散型ホテル「HOTEL CULTIA 太宰府」に新たな宿泊棟「好古亭」「梅花」の2棟9室を3月27日にオープンさせる。
 今回新たに営業を開始する2棟は棟名由来を持ち、それぞれの棟を「好古亭(こうこてい」、「梅花(ばいか)」と名付けた。「好古亭」は明治前期に建築された歴史ある建物であり、太宰府市の「歴史的風致形成建造物」にも登録されている。また平安時代の歌人、小野好古の名前にちなみ、「古(いにしえ)を好む」にもかけている。 もう1つの棟「梅花」は、元号「令和」の命名に大きく関係している平安時代の歌詠の会「梅花の宴」に由来している。
 各部屋は外観・梁など歴史ある佇まいはそのままに、水回りやベッドなど宿泊に必要な機能を整備し、昔ながらの趣とモダンかつ高品質な空間を融合した施設となっている。また、今の時代に適したニューノーマルな旅において、ソーシャルディスタンス、三密回避の旅を楽しめるよう、小規模分散型ホテルとして安心安全の滞在を提案する。
 年間の観光客が約1000万人を超える太宰府だが、日帰りが主流で通過型観光中心という課題がある。同ホテルは、滞在時間を増やしたいと考える太宰府市への課題解決を事業目的のひとつとし、2019年10月に西日本鉄道や三井住友ファイナンス&リース、福岡銀行などが共同設立した太宰府Co―Creationが事業主体となり、同社が委託を受け運営をスタートした。  
 同施設は、太宰府1300年以上の歴史を感じられる空間を演出する。また周辺施設と連携し、太宰府天満宮の夜間貸切正式参拝や九州国立博物館のナイトツアーなど、太宰府だからこそ味わえる宿泊を通じた体験を提供している。
 同ホテルのグループブランド「VMG HOTELS & UNIQUE VENUES」は”まだ見ぬ時と出会う場所”をコンセプトに、地域に息づく歴史や文化に触れる体験と、究極の個別化されたおもてなしの提供により、心の豊かさに気づける機会の提供を目指している。同ホテルは今後も増床を計画しており、最終的に7~8棟、30室を目指し展開していく。

森トラスト 室内環境清浄プログラム導入
 森トラスト(東京都港区)は、米国の旅行誌「コンデナスト・トラベラー」の「リーダーズ・チョイス・アワード」での上位入賞など、数々の世界的なホテルアワードを受賞している東京都心の外資系ラグジュアリーホテル「コンラッド東京」に、7つのステップで包括的に室内環境を清浄化するプログラム「Pure wellness room」を導入した。
 最上級ラグジュアリーホテルへの導入としては、昨年10月に導入した「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都」に続き2軒目となり、首都圏にある外資系ラグジュアリーホテルでの導入事例としては初となる。
当社はこれまでに「東京マリオットホテル」や「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都」をはじめとした計4軒のホテルと、オフィスや保育施設等に同プログラムを導入している。さらに2020年12月には、日本最大級の人間ドック・検診予約サイトを運営するマーソと販売代理契約を締結し、全国の医療機関に対して同プログラムの販売を行っている。
 新型コロナウイルス感染拡大により安心安全な空気環境への社会的関心が高まる中、部屋や食事を選ぶように「空気を選ぶ」という選択肢はニーズが高まると予想される。今後も高級ホテルを始めとした様々な宿泊施設に対し、ニューノーマルにおけるホスピタリティの一つとして同プログラムを提案することで、新しい時代の安心安全な滞在環境の普及促進を図っていく。
 同社は米国のPure Solutions LLC(Pure社)と、包括的なプロセスで室内環境を清浄化しクリアな状態を維持する同プログラムの日本独占販売店契約を昨年10月29日に締結し、今般高まりを見せているクリーンな空気環境の実現という社会的ニーズを捉え、自社運営施設への導入と外部への販売を推進している。

ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ 新ブランドが今春に始動
 ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ(東京都港区)では「ACCESS by LOISIR HOTEL Nagoya(アクセス・バイ・ロワジールホテル 名古屋)」を2021年春に開業させる。
 同ブランドは現在、沖縄県「ロワジールホテル & スパタワー 那覇」と愛知県「ロワジールホテル 豊橋」で展開しているLOISIR HOTELを都市型でスマート&カジュアルにモデルチェンジした新ブランド。ブランドのコンセプトは“都市の旅の、フットワークを軽やかにする拠点”。「訪れた方に街の空気を肌で感じていただき、快適な宿泊体験をお届けするサービスを充実させます」(同社)。
 宿泊者が無料で利用できるレンタルサイクルや、客室へテイクアウトできる朝食、必要なものを自身で選べるアメニティなどのサービスを提供する予定だという。また館内のWi―Fi環境の充実や、スマートフォンで簡単に事前チェックインができるスマートチェックイン機の導入を予定しており、都市型の快適な旅をサポートするホテルになる。
 今回新規開業する「ACCESS by LOISIR HOTEL Nagoya」は既存ホテルをリブランドし、「ACCESS by LOISIR HOTEL」の1号店としてオープンする。名古屋市営地下鉄「栄」駅より徒歩8分とビジネスの拠点として便利な場所にあり、久屋大通公園やテレビ塔も徒歩圏内であるため、観光の拠点としても多くのニーズ獲得を期待している。
 同社は、「雨庵 金沢」「ザ・スクエアホテル」「ホテル・アンドルームス」「ロワジール」「ロイヤルパインズホテル浦和」「チサン」など12個のホテルブランドを有し、国内50カ所、海外1カ所、7280室のホテル宿泊部門および売店部門・料飲部門・大浴場・スパの運営、アセットマネジメント、フランチャイズ運営などの事業を展開している。
 また同社は、宿泊施設や地域経済の活性化と再生支援のため、事業再生支援チームを発足。国内外のホテル運営で確立した独自の運営モデルと複数ブランドを活かし、運営会社の変更を伴う事業再生や承継支援、運営会社を変更せずに収益向上を図る運営支援、送客支援なども行っていく。その他、金融機関や投資ファンド等のネットワーク構築や、宿泊施設の雇用維持、地域経済の活性化についても積極的に取り組んでいる。

グランドニッコー東京ベイ 舞浜 スカイバンケット改装
 グランドニッコー東京ベイ 舞浜(千葉県浦安市)では、ホテル最上階の12階に位置するスカイバンケット「ラ テラス」の改装を行い、天空のバンケットをコンセプトとした宴会場にリニューアルした。
 同施設は両サイドに大きな窓を備え、日中は陽ざしに煌めく東京湾や、視界の良い日は富士山を望むことができ、夕方から夜にかけてはライトアップした東京ベイエリアの夜景も楽しめる眺望が特徴の会場。
 今回の改装では、「晴れやかな空を自由に浮遊する雲のように開放的な心地よさが宿る天空のバンケット」をコンセプトとし、陽光に輝く「雲」をイメージしたカーペットや、壁面に飾られた印象的なゴールドのオブジェにより会場全体のイメージを一新した。
 また、改装により利用可能な会場面積を拡張。ウエディングや宴席など、さまざまな時間やシーンに合わせ、柔軟な使用展開が可能になるとともに、新型コロナウイルス感染症対策として利用者同士の距離を十分に確保しながらパーティを開催することができる。

カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント 「大阪三菱ビル建替え計画」に参画
 カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント(東京都港区)では、オーエム4特定目的会社が開発し、三菱地所(東京都千代田区)がプロジェクトマネジメント業務を推進する「(仮称)大阪三菱ビル建替え計画」で建設されるオフィス・ホテル主体の複合ビルにホテルオペレーターとして出店する。
 同ビルは2021年10月に着工され、完成すれば地上32階、延床面積約6万6000㎡規模となる。ホテル部分は17階~31階で、2024年夏にカンデオホテルズチェーン内で最大かつ国際級ホテルとして総客室数548室のものとなる。
 同ホテルの特徴は建物最上階に誕生する地上135mの日本最大級の高さに建設される展望露天風呂を備えた「天空のスカイスパ」。客室は18階~31階で、全ての客室から大阪市内の眺望を楽しむことができる。同ホテルはカンデオホテルズチェーンのフラッグシップホテルで、レストラン・バー・フィットネスなどを兼ね備えた国際級ホテルとしての水準を満たすホテルとなる予定だという。
 カンデオホテルズのコンセプトは、世界で唯一の“4つ星ホテル”。上質さと使いやすさを両立しながら、その両方を兼ね備えることで、今までのホテルではかなえられなかった感動を創造することをコンセプトとしている。現在全国22店舗を展開している。

アパホテル 大田区内4棟目FCで
 アパホテルネットワークとして全国最大の662ホテル10万2159室を展開するアパグループ(東京都港区)はこのほど、東京都大田区の「ホテルシンシア東京蒲田」の取得契約を締結した。
 同ホテルは、京急本線「京急蒲田」駅より徒歩3分に位置し、羽田空港まで京急線で最速10分、また都内中心部や横浜へのアクセスも優れたビジネスやレジャーに適した立地となる。敷地880・71㎡、延床3835・05㎡、鉄筋コンクリート造陸屋根、12階建て、客室は全144室。
 今後、全客室に通信速度とセキュリティの面で優れたWi―Fi無料接続、BBCワールドニュース無料放映、VODの導入、ベッド寝具をデュベ仕様への変更などを行い、2021年3月19日より「アパホテル〈京急蒲田駅前〉」としてオープンさせる予定だ。
 同ホテルは、大田区内で4棟目のアパホテルとなる。今後も同社は、ホテルの取得や都内を中心とした駅前立地でのホテル開発を行い、アパホテルネットワークの拡充を目指していく。

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