不動産トピックス

今週の一冊

2022.05.30 13:32

東京に資産を持つ価値を考える

2030年「東京」未来予想図
著者:市川 宏雄/宮沢 文彦
発行:2022年4月 21日
発行所:クロスメディア・パブリッシング
価格:1580円(税別)

 東京は「成長を続ける街」、「再開発が止まらない街」。なぜそれほどパワーがあるのか、どんな将来が待ち受けているのかを解き明かす本書は、都市政策の専門家と、「区分所有オフィス」を展開するボルテックス(東京都千代田区)代表取締役社長による。
 虎ノ門・麻布台、帝国ホテル建替えに象徴される日比谷・内幸町、日本橋再生計画といった今後の大規模再開発プロジェクトを紹介し、「東京一極集中が日本経済を支えている」と解説するChapter1では、2030年、東京の都市空間は独自の進化を遂げるという。
 地方との関係はどうか、海外ライバル都市との競争は、アジアの国際都市金融センターはどの都市が担うべきか、都市総合力でアジア随一、優秀な人材確保が課題、国際社会における東京の立ち位置、といった洞察を一気に畳みかけ、東京には「世界一、100年企業が多い」理由を事例と共に紹介し、読者は初めての視点で東京の価値に気づくことになる。
 2025年問題、世界的に人気の東京の不動産、改善すべき東京の弱点等に言及する最終章の著者対談は興味深い。手元に置いて読み込みたい一冊。

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