不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2020.08.24 17:23

TKP 「温泉」×「旅行」×「ミーティング」リゾート施設開業 法人企業の宿泊研修ニーズを期待
「ISHINOYA熱海」多彩なタイプ全34室
 貸し会議室大手のティーケーピー(TKP 東京都新宿区)では9月16日、静岡県熱海市に露天風呂付客室や研修設備を備えた多目的な宿泊スタイルのラグジュアリーホテル「ISHINOYA熱海」をオープンさせる。
 同施設はJR「熱海」駅より車で10分、熱海エリアで相模湾を一望できる自然豊かな高台に位置する。「市街地の喧騒を離れ非日常のひとときを過ごしていただける多目的のラグジュアリーホテルです」(同社)という。
 多くの客室から相模湾のオーシャンビューが可能になるよう設計されており、露天温泉付きスイート、デラックス和洋室、テラス付き客室などの合計34室を配置する。温泉と景色をゆったりと楽しめる個人客はもちろん、ビジネスシーンにも対応できる会議室3室を始め、通信環境やデスクを用意しており、法人企業の宿泊研修にも適した機能性とリラクゼーションを兼ね備えているのが特徴だ。
 施設内には、アクティブラウンジ、タタミラウンジ、テラスラウンジ、ライブラリーラウンジと4種類の寛げるスペースを設け、露天温泉大浴場、貸切温泉風呂、レストラン、バー、フィットネスルーム、カラオケルームを完備する。
ビジネスホテルではアパホテルと協業
 同社は現在、ホテル・宿泊研修事業として、24拠点の宿泊施設を運営している。
 用途に合わせた利用ができるよう出店を進めており、例えば、都市型で同社が展開する会議室・研修室とのパッケージで好評を博しているのがビジネスホテル、「ISHINOYA熱海」は、「温泉」「旅行」「ミーティング」をキーワードにしたリゾートセミナーホテルという位置づけだ。
 ビジネスホテルに関しては、アパホテル(東京都港区)のフランチャイジーとして、2014年8月に全203室の「アパホテル〈TKP札幌駅前〉」(北海道札幌市)を皮切りに、全国の主要都市を中心に10棟を展開している。
 この7月にオープンさせた全215室の「アパホテル〈上野広小路〉」(東京都千代田区)は、地下鉄銀座線「上野広小路」駅、「末広町」駅から徒歩2分に位置、上野や秋葉原が徒歩圏内にあり、ビジネス・観光の宿泊需要の獲得を見込んでいる。 
 客室は全室禁煙で、アパホテル独自の「新都市型ホテル」の標準仕様として、全室50型以上大型液晶テレビを設置。館内案内をテレビ画面上に集約表示したほか、自身のスマホから動画や写真などをテレビに映すことができる「ミラーリング機能」などを備えている「アパデジタルインフォメーション」を導入した。
 最先端のIT開発として、全予約経路対応、スマホ決済にも対応するチェックイン機に加え、クレジット決済に特化した小型の卓上型チェックイン機を導入。アパホテル公式サイトにて事前にクレジットカード決済をすることで、当日のチェックイン手続きが大幅に簡素化を実現させた。
 一方、前述のリゾートセミナーホテルでは、伊豆長岡に温泉旅館「石のや伊豆長岡」、熱海、箱根強羅、軽井沢、湯河原、葉山、高松に宿泊研修施設「レクトーレ」全7施設を展開。平日は企業の研修、週末は個人の利用客を中心に宿泊と会議のハイブリッド化を実現してきた。
 今回の「ISHINOYA熱海」は、2015年開業で2000坪の日本庭園に22室の離れの客室を擁する「石のや伊豆長岡」に続いての2軒目の「石のや」ブランドとなる。

プロスタイル旅館 サードプレイスに対応
 総合不動産プロポライフグループの子会社、プロスタイル旅館(神奈川県横浜市)が運営する「PROSTYLE(プロスタイル)旅館 東京浅草」(東京都台東区)は、ビジネスパーソンおよびその家族を対象に、ホテルが自宅・職場に次ぐ心地よいコミュニティである“サードプレイス”になることを目指し、住居を借りるよりも安価な金額で利用可能な連泊特別プラン「STAY HOTEL」の提供を開始する。
 昨今の新型コロナウイルス感染症の防止策として、国内でのテレワークの普及は急速に拡大している。実際、同社が都内に在住する20~40代のビジネスパーソン2003名を対象にした独自のインターネット調査によると、「週一回以上テレワークを実施している」人は45・7%だった。 さらに、その人々に自宅以外のテレワーク先として興味・関心がある場所を尋ねると、46・6%が「ホテル・旅館」を選ぶ結果となった。その理由は「気分転換できそう」68・1%、「集中できそう」67・3%が上位にあげられるなど日常とは異なる空間を求める傾向のほか、「温湿度環境」「作業環境(デスク・椅子)」「防音環境」「睡眠環境」が良さそうという機能的側面にも期待寄せられていることが分かった。
 このような需要がある中、旅行・観光以外の新たな用途として、ホテルに住む感覚での活用を提案すべく、同社は「STAY HOTEL」プランを開発した。
 素泊まり5泊6日で1室最低2万円からという料金設定のため、光熱費・清掃費のほか初期費用なども付帯費用として発生するウィークリーマンションと比べても、安価なプランとなっている。高いコストパフォーマンスに加え、同ホテルの魅力でもある、全客室畳敷の和の空間での快適なテレワーク環境を提供する。
 同ホテルは、日本の伝統文化を感じられる街「浅草」に位置し、“下町体験のできる日本旅館”をコンセプトに、2019年12月に開業した。「ホテルでは決して叶わない、旅先の我が家」を提供すべく、靴を脱いで過ごせるよう全室畳を敷いたデザインのほか、露天風呂や庭付き付きタイプの部屋を一部用意している。

ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ デラックスフロアオープン
 ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ(東京都港区)では、開業25周年を記念し、今春レギュラーフロアの客室をリニューアルし、今夏デラックスフロアをグランドオープン、およびエグゼクティブフロアを増床した。
 旧レギュラーフロアの客室は、1995年9月1日の開業時から守り続けているインターコンチネンタル ホテルズグループの最上級ブランドに相応しい、世界基準の「安心・安全・快適」の追求はそのままに、都内随一を誇る海辺の景観を提供できる設備を整え新たに「デラックスフロア」としてグランドオープンした。
 また18・19階の2フロアのみだった「エグゼクティブフロア」は、宿泊者のニーズに応え新たに14・15階が改装されて加わり、大幅に増床した。どのカテゴリーにも木目調のデザインを多く取り入れ、木のぬくもりが感じられる温かみのある雰囲気へと生まれ変わった。目の前に広がる東京湾や隅田川の絶景を楽しめるデイベッド風ソファや、ダイニングテーブルを兼ねる大型のワーキングデスクを採用。ビジネスエグゼクティブから女性グループ、ファミリー層まで、幅広い利用を期待している。
 「デラックスフロア」は、都内随一を誇る海辺の景観からインスピレーションされた穏やかな「凪」を和紙に墨絵で表現したアートウォールを施し、木の温もりを感じるアクセントウォールが安らぎの空間を演出。ミニバー、ネスプレッソマシン、アメニティ類を収納したサイドボード、手荷物をスマートに収納できるベンチチェストを配した。
 「エグゼクティブフロア」では、同様に海辺の景観からインスピレーションされた「波」のうねりを和紙に墨絵で表現したアートウォール、ベッドサイドには木の温もりを感じるウォールを一面に施し、リラックスできる落ち着いた雰囲気を演出。
 全室にウォーターフロントの眺望が楽しめるデイベッド風のソファ、寛ぎを演出するラウンジチェアとブックシェルフを配し、都会に居ながらもリゾート気分を味わえる空間へ生まれ変わった。更に上質でスマートなクローゼットタイプのルームバー、手荷物をスマートに収納するベンチチェストを設置した。

京王グループ 「ウィズコロナ」システム導入
 京王グループの京王プレリアホテル札幌(北海道札幌市)では、新型コロナウイルスなどの感染症予防とサービス向上を目的に、8月1日からホテル館内共用部で、AI清掃ロボット「Whiz」の稼働を開始した。また、8月18日から、同グループホテルでは初となる非対面のセルフチェックインも開始した。
 AI清掃ロボットは、ソフトバンクロボティクス製AI清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」を採用。ロビーフロア、各階廊下、エレベーターホールで稼働する。
 同機器は、ボタン操作1つで各階共用部の清掃を自動で行う。床面のごみや埃の除去はもちろん、新型コロナウイルス 量の削減にも効果があることが実証されているという。目に見えるごみや汚れは清掃員が、目に見えない微細なごみやウイルスはAI清掃ロボットが行うことで、清掃品質の向上を実現させた。
 一方、非接触・非対面のセルフチェックインでは、オムロンソーシアルソリューションズ製セルフチェックイン端末「スマーレ」を採用する。   
 事前に精算した利用者限定で、セルフチェックインが可能になる。 
     これまで対面のチェックインでは、約5分かかっていたチェックイン時間をこのセルフチェックインによって1分以内に短縮することが可能となる。

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