不動産トピックス

クローズアップ コロナ対策編

2020.05.11 15:51

 ウィルス対策には様々な方法がある。接触を防ぐ、来訪者に発熱の症状はないかのチェックといった水際対策から、空間の除菌や非接触のドア開閉など。最新の技術を用いた製品・サービスをご紹介。

発熱スクリーニングカメラ オペレーター付きのレンタルプランも有
入口で複数人同時に非接触チェック
 防犯カメラのトリニティー(名古屋市中区)は4月、非接触かつリアルタイムに複数人の音頭測定を誤差±0・3度で測定できるサーマルカメラシステムの予約販売・レンタルを開始した。この「発熱スクリーニングカメラ」は、建物の入口に三脚を置き据え置いて使用する。制御するパソコンなどを合わせて一式で150万円からとなる。屋外では機能しないため、屋内(もしくは半屋内)での利用に制限される。レンタルサービスでは、カメラ操作や発熱者を発見・対応するオペレータースタッフ1名の配置費用も含めて15万円/半日。サーマルカメラは非接触かつリアルタイムに複数人の体温を測定することができるカメラ。防疫として公的機関でも活用されているサーマルカメラシステムをパソコン1台あればすぐに使用可能。半日からレンタルできるパッケージも予約受付を開始している。サーマルカメラとは非接触検知にて、誤差±0・3℃の精度で体温を検知できるカメラ。約3m(精度を保つ距離)でリアルタイムかつ複数人を検知できる。
 オペレーター付プランでは、防護服や飛沫防止のサンバイザーを装着したオペレーターが発熱者の選別を行う。発熱していない人間が直射日光などで一時的に顔の表面温度が上がり誤作動する可能性があるため、サーマルカメラによって発熱が疑われる人物に、きちんと検温を行ってもらうなど再度の確認が必要。代表取締役の兼松拓也氏は、「現在、大手の工場などで導入が進んでおり、今後はテナントビルや商業施設での運用もスタートするかと思われます。クラスターを防ぐための抑止的効果も期待できる装置だと思います」と語る。

建物内の非接触での移動・生活を実現 ビル・マンション向けタッチレスソリューション
 日立製作所(東京都千代田区)と日立ビルシステム(東京都千代田区)は、新開発の画像解析サービスをはじめとした製品・サービスを「タッチレスソリューション」として体系化し、順次展開する。
 「タッチレスソリューション」はビルやマンションなどで、エレベーター等の共用設備に手を触れずに移動することを可能にする、人との接触の機会を低減する等、建物内の非接触での移動・生活を実現する。
 今回新たに開発した防犯カメラ等で顔認証を行う画像解析サービスや、ハンズフリータグ(携帯するだけで入退室が可能なタグ)の活用により、建物エントランスの自動ドアやセキュリティゲートの通過、エレベーターの呼び出しや行先階の登録、入退室管理システムの開錠等が手を触れることなくでき、非接触での建物内移動が可能になる。
 また、画像解析サービスの人流解析機能により、エレベーターホールに向かう人数や混雑状況を把握。5月18日に発売する人流予測型エレベーター運航管理システム「FI-700」と連動させることで、エレベーターの待ち時間を低減し、出勤時間帯等の混雑を軽減することもできる。
 4月20日に発売したヒューマノイド型ロボット「EMIEW4(エミューフォー)」は、卓上型端末「EMIEW-TT(エミューティーティー)」と組み合わせて、受付・案内・巡回監視などのビル内業務を一部代替することができる。病院や福祉施設では「EMIEW-TT」が来訪者を検出し、音声案内や画面情報で簡易的な問診を実施。「EMIEW4」が来訪者を誘導して案内するといったサービス提供が可能になる。対面業務にでの感染リスクと業務負担軽減に期待がもてる。

紫外線利用の屋内空間除菌装置
 カナミックネットワーク(東京都渋谷区)は、医療機関、介護事業者、学校・保育施設、飲食店等に対して、コムラック(埼玉県三郷市)が製造する屋内空間の紫外線殺菌装置「UVCエアクリーンmanager」の販売を開始した。
 ウイルスは密閉空間で3時間ほど生存するという研究結果も出ており、空間除菌の重要性が増してきている。
 同製品は、ウイルス除去率99・99%という高い殺菌力を持つ紫外線(UV-C)殺菌装置。独自の水平照射構造により、室内の上部に集まる細菌・ウイルスに対して、殺菌効果を持つ紫外線(UV-C)をダイレクトに照射することができる。殺菌空間と生活空間が分離され、人体に紫外線が当たる危険性が無いため、人がいる屋内でも安心安全に24時間365日の連続殺菌が可能。コロナウイルスへの効果も検証済み。
 設置には室外機器や屋外への排気ダクト等が無いため、面倒な配管工事が不要。壁面や天井へ簡単に設置することができる。
 同製品の設置前・設置後に有償で浮遊菌の検査もできる。浮遊菌数が一定値以下に減少すれば「空気環境測定実施証明書」が発行される。同証明書は他施設との差別化ともなり、施設の環境管理PRに活用できる。

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