不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2020.02.26 22:32

WRO 老舗温泉旅館をリニューアル リゾート施設の再生や取得を加速

 企業向けに福利厚生・社宅管理代行を展開している東証一部上場企業のリログループ(東京都新宿区)のグループ会社のワールドリゾートオペレーション(WRO、同)では、今春、「磐梯熱海温泉 清稜山倶楽部」(福島県郡山市)を新屋号「ゆとりろ磐梯熱海」として新たなコンセプトにてリニューアルオープンさせる計画だ。同社の今後の展開を探る。
「ゆとりろ」ブランド全国で10店舗に拡大
 同施設はJR磐越西線「磐梯熱海」駅からタクシー5分に位置する。部屋数は31室。大浴場、宴会場、会議室、ラウンジを配置する。
 同社のブランドである「ゆとりろ」とは、全国に9店舗を展開する温泉を旅する和モダン旅館。ゆとりろ(Yu—To—Relo)の由来は、温泉(Yu)と(To)日本全国を旅する(Relocation)を意味する。「それぞれの宿では良質の温泉、癒しの空間、地産地消の美食、地方の魅力を再発見していただけます」(同社)という。 
 今回のリニューアルより、名水処で知られる磐梯熱海温泉の地で深沢の名水を生かした心躍るお料理の数々から良質な湯に加え、これまでになかったコンテンツを充実させていく計画だ。
 今後客室は更に10室を増室予定で、郡山からアクセスが良いこの地で新規市場を開拓するにより、磐梯熱海温泉エリアの活性化を目指していきたいという。 
 同社は2009年設立。もともと親会社が企業の福利厚生代行事業等を手掛けており、リゾートホテルへの送客も行ってきた。こうした経緯から、「これまでにも企業や健保組合などの財務負担になっている保養所などの再生案件や売却案件がありました。そこで当グループ力を生かした再生ビジネスを手掛けることとなった」(田村佳克社長)と話す。
 現在、こうした運営が立ち行かない施設は全国にまだ100か所以上あるといわれている。同社はこの市場をいち早く積極的に開拓してきた。「もちろん、既存の旅館の再生も手掛けていきますが、多くは客室が50室前後と比較的小規模なものが多く、他社が手掛けない施設が多いのが当社の特徴でしょう」(田村社長)。
改革約3カ月で黒字化経営を目指す
 基本は同社による取得だが、他にも「支配人派遣」「保証」といったコンサルティングから、「予約業務代行」「自社サイト集客拡大プログラム」「リノベーション・ブランド提案・支援」など、オーナーの意向に合わせた再生メニューを用意、「メルヴェール箱根強羅」のように90日間での黒字化を目指していく。
 具体的には「従業員が自ら考えて行動に移すという意識改革を現場に浸透させること」、「徹底した顧客分析により強化すべき点・改善すべき点を洗い出すと同時に、利用状況・エリア・施設の特性に合わせた明確なコンセプトを策定すること」、「食材・飲材の仕入れ原価適正化によるコスト削減」、「イールドマネジメントの導入や、ネットエージェントからの集客向上策、自社サイトの構築による集客比率のマネジメント等」といった方法を取り入れて再生する。
 リニューアルオープン後は、グループ力を生かし送客。リロ・グループは約400万人にも及ぶ企業の福利厚生サービス会員はじめとする1000万人規模の会員ネットワークを持っており、これが安定した送客につなげることができるのだという。
 また、最近では会員制リゾート事業との連携により、既存の別荘等とのシェアリングによって平日稼働を高めるなど、施設の稼働向上はもちろん、利用者の利便性向上も図っている。
 現在、箱根や熱海を中心に30か所近くで高級旅館を開発、運営しているほか、既存施設の再生にも実績を持っている。同社は今後も、年間2〜3棟ペースで施設を増やしていく計画だ。一部の買収した施設に関しては、3〜5年かけ、価値を高めて投資家などに売却していく考え。実際、購入時よりも4倍の価格で売却できたケースもあったという。
 「年間2棟から3棟購入、1棟売却、といったペースで進めていきたい」(田村社長)。

WBFホテル&リゾーツ 4月までに京都・横浜で2店舗開業
 国内で27店舗ホテルを展開しているWBFホテル&リゾーツ(大阪府北区)では、相次いで新築ホテルをオープンさせる。2月28日には「ホテルWBF五条堀川」(京都府京都市)をオープン。
 同ホテルは、京都市営地下鉄烏丸線「五条」駅より徒歩13分で、客室数は全118室。
 五条堀川に位置し、最寄のバス停から乗り換えすることなく、京都観光名所である清水寺への移動も可能。一部客室からは京都タワーを一望することもできる。 
 また3月28日には「ホテルWBF横浜桜木町」(神奈川県横浜市)をオープンさせる。
 同ホテルは、JR線・横浜地下鉄線「桜木町」駅から徒歩5分に位置、地上14階建て、客室数は全277室。
 ホテルWBFグループでは初の神奈川県進出となり、みなとみらい・横浜中華街・横浜元町・山手などへの観光にも便利な場所に立地、ビジネスから観光までの需要を期待している。
 カジュアルで開放的なロビーラウンジ、中華粥や点心を含む横浜らしいビュッフェ形式の朝食を提供する2階レストラン、また11階〜14階のハイフロアには飲み物を提供する専用ラウンジを設ける。
 同グループは、2004年より沖縄、2009年より北海道で運営を開始した「ホテルラッソグループ」を前身とし、2016年より「ホテルWBF」へ順次リブランドのうえ、全国展開しているホテルチェーン。
 2020年1月現在、主力の「ホテルWBF」ブランドのほかに、天然温泉付リゾートホテル「琉球温泉瀬長 島ホテル」(沖縄)、関西発のグランキャンピング施設「パームガーデン舞洲 by WBF」(大阪)等の宿泊施設を全国に38軒展開している。今年はは北海道、神奈川、大阪、京都、沖縄に合計7軒のホテルが開業する計画で、2020年末には全国45施設規模のチェーンに急成長する見通しだ。

TKPがアパFCで福岡初進出
 貸し会議室大手のティーケーピー(TKP 東京都新宿区)では、アパホテル(東京都港区)のFCとして、福岡県福岡市に九州エリアへのホテル初出店となる「アパホテルTKP 〈博多東比恵駅前〉」をオープンさせた。
 同ホテルは、福岡市地下鉄空港線「東比恵」駅より徒歩1分に位置、構造・規模は鉄骨造、地上12階建て、客室はシングル・ダブル205室、デラックスツイン1室の合計206室。TKPが建設し、アパホテルが掲げる「高機能」「高品質」「環境対応型」のコンセプトを合わせた新築の「新都市型ホテル」となる。
 1階には朝食・昼食会場としても利用可能なレストラン「TKP Cafeteria」、2階〜12階が客室で、アクセスの至便性による観光需要と、TKPグループの運営する博多駅至近のカンファレンス施設と併せることによりMICE・宿泊研修や出張等のビジネス需要を期待している。
 今回、初の九州エリアへのホテル開業により、TKPでは、福岡県内にある全25施設、149室、9351席のTKPグループの会議室・フレキシブルオフィスと連携し、宿泊や料飲を伴う多目的なニーズに応えることで付加価値を高めていく。
 同社はアパホテル最大フランチャイジーとして、同ホテルをはじめ、札幌、仙台、東京、川崎、大阪、福岡でもホテル運営・計画を進めており、2020年夏の東京オリンピック開幕まで2020年には全10棟、2010室となる予定だ。
 今後もフランチャイズ契約によるホテルの運営や、アパホテル内の宴会場をTKPが運営するなど、様々な形で連携を取り、戦略的な展開を図って行く考え。 
 TKPは、空間再生流通企業として今後も会議と宿泊を融合したハイブリッドなホテルの開発を進めていく。

分散型民泊モデル確率目指す
 いろは(東京都品川区)では、京都府京都市南区西九条唐橋町に、エステサービスを提供する宿泊施設「Kamon Inn Karahashi」を2月9日よりオープンさせた。京都・東寺エリアでの宿泊者の地域回遊をさらに促進し、分散型民泊のモデルエリアの確立を目指していきたいという。
 同施設は、近鉄京都線「東寺」駅徒歩4分に位置、地域に密着した、旅のトータルプランニングを提供する宿泊サービス。地域を象徴する家紋を用いた一軒一軒表情が異なる宿泊施設を、京都を中心に展開している。
 コンセプトは、「自分に優しい時間を」。従来の宿泊サービスに加えて、エステサービス「Sakura」を提供するのが特徴だ。
 同施設では、「分散型民泊」という考え方で民泊を運営し、町と一体になった宿泊体験の提供を推進。これは、特定のエリアで複数の宿泊施設を構え、地域回遊を促進する仕組みで運営する民泊のこと。食事や入浴、娯楽など、宿の中で完結していた宿泊関連サービスをエリア内に分散させることで、宿泊者が町を歩くきっかけを生み出していく。これにより、宿泊者と町の接点の最大化により空き家活用による地域貢献を目指していこうというのだ。
 同社はこれまで京都・東寺エリアでは「Karahashi」を含む5棟の宿泊施設を展開し、カフェの運営や近隣銭湯との連携に取り組んできた。


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