不動産トピックス

クローズアップ 遠隔デバイス編

2019.11.25 10:43

 不動産業界どころか、日本経済における大きな課題が「人手不足」と「人材育成」。双方の課題を解決し、業務の効率化やコスト削減につながる製品・サービスが注目を集める。遠隔で監視や作業支援ができれば、需要はさらに高まる。

ダイキン工業/フェアリーデバイセズ 現場業務の作業効率と品質向上 遠隔作業支援ソリューション
 ダイキン工業(大阪市北区)と東大発のベンチャー企業・フェアリーデバイセズ(東京都文京区)は21日、フェアリーデバイセズが開発したスマートウェアラブルデバイス「THINKLET(シンクレット)」を活用した、遠隔作業支援ソリューションを開始した。
 以前からダイキン工業は空調機の保守点検やメンテナンスなどの業務において、現場業務に携わる熟練エンジニアの人手不足、それに伴うコスト増や機会損失、非コア業務の負荷などの解消・改善が大きな課題であった。また昨今はサービス業務の品質向上に向けて、世界各国でのエンジニアの早期育成も急務となっている。これらの課題解決に向けて同社は、フェアリーデバイセズが持つ音声認識やエッジAI、データ解析などのデジタルテクノロジーに着目。ダイキン工業がグローバル規模で培ってきた現場の知見と結び付け、サービス業務における課題を共同で解決する連携を開始した。
 具体的には、フェアリーデバイセズが開発したスマートウェアラブルデバイス「シンクレット」及びテクノロジースタック(APIやAIエンジン等のプラットフォーム)と、ダイキン工業が開発した業務支援Webアプリを組み合わせ、熟練したエンジニアが遠隔地の作業者をサポートし教育できる遠隔作業支援ソリューションを取り入れる。国内外の作業者一人ひとりの技術力や判断力を向上させ、高効率で手戻りのない高品質な現場業務を実現。同時に優れたサービスエンジニアの早期育成にも繋がる。
 21日には「丸の内二丁目ビル」4階のコワーキングスペース「point 0 marunouchi」にて、記者発表会を開催した。ダイキン工業のテクノロジー・イノベーションセンター長である米田裕二氏は「現在、当社全体の従業員数は約7万9000人で、海外従業員比率は80%を超えます。また事業展開は150カ国以上で、生産拠点も100拠点以上と、グローバルな総合空調メーカーとなりました。その分、国内外におけるサービスエンジニアの早期育成に時間が掛かり、かつ熟練具合にも違いが見られました。フェアリーデバイセズのシンクレットを使用すれば、現場の技量が不足したスタッフであっても、熟練したスタッフからの口頭での遠隔指示や備え付けられたカメラ映像でミスを防ぐことができ、かつ現場の映像や作業内容をデータとして蓄積もできます。現場のスタッフは首に掛けるだけなので、手を塞がずスムーズな作業が可能です」と語る。
 またフェアリーデバイセズの代表取締役・藤野真人氏は「『シンクレット』は、皆様が持つスマートフォンとほぼ同じ機能。機能性や汎用性の高さを生かせば、設備メンテナンスだけでなく、建設・工事の現場や交通作業など、様々なシーンに役立てることが可能です。コネクテッドワーカーの創出を通じて、作業効率と作業品質の向上に繋がりました」と語る。

バッファロー・IT・ソリューションズ ライトで入居者の安否を確認
 メルコホールディングス(東京都千代田区)グループのバッファロー・IT・ソリューションズ(東京都千代田区)は、賃貸住宅オーナーや管理会社向けの居室見守りサービス「まもるむ」を提供している。賃貸集合住宅入居者の異変の可能性を、3日以内にオーナーなどへ通知する。
 ハローライト(東京都千代田区)が提供する通信機能付き電球「HelloLight(ハローライト)」と、バッファロー・IT・ソリューションズのコールセンターを活用した安否確認を組み合わせ、日常生活から異変を検出する。
 設置は簡単で、トイレの電球を「ハローライト」に交換するだけ。ライト自体が通信機能を持っているため、Wi-Fiインターネット環境も不要。トイレの明かりのスイッチをON/OFFしたことをライトが認識し、2日間トイレの電球がON/OFFされていない場合はコールセンターで検知して安否確認が行われる。

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