不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2019.07.16 14:47

グローバルエージェンツ 新ブランドのライフスタイルホテルを開業 旗艦施設として期待
 全国にソーシャルアパートメント43棟、ライフスタイルホテル8棟を運営するグローバルエージェンツ(東京都渋谷区)は、7月下旬に福岡県博多市に新ブランドとなるライフスタイルホテル「THE LIVELY(ザ ライブリー)福岡」を開業させる。
 同ホテルは地下鉄空港線「中洲川端」駅徒歩1分に位置、延床面積9888・70㎡、客室数は224室、スマートポッド114室。
 同ブランドは、近年のホテルの提供価値の多様化に伴い、ホテルを「ただ泊まる場所」から「世界中から人と情報と機会が集まる場」と再定義した新たなライフスタイルホテル。3階には、ミレニアル世代向けに特化した宿泊施設「The Millennials(ザミレニアルズ)」の3号店もHotel-in-Hotel(ホテル・イン・ホテル)として同時にオープンさせる。
 同ホテル設計の最大のポイントは、ライフスタイルホテルの象徴とも言うべきバーを中心に据えた空間設計。大規模リノベーションにより1、2階を開放感のある吹抜けに、その中央にアイランド型のロビーバーを配した。
 バーを中心にエントランス、フロント、エレベーター、レストラン、ラウンジ、バンケット会場を配置し、従来のフロントを中心とした空間構成からバーを中心とした空間構成とすることで、ホテルとしての自由さと多様性を表現した。
   福岡市はMICEの開催数は政令指定都市としては東京に次いで8年連続全国1位となり、出張と観光の両軸を持っている国内でも屈指のマーケット。今後は福岡空港の増設も予定されており、さらなる成長が期待されている。一方で、市場としては宿泊主体型ホテルが大半を占め、泊まるだけではない「体験」に価値を置いたライフスタイルホテルは、THE LIVELYが福岡で初となる見込みだ。
 同社が展開するホテルブランドは、ホステルの雰囲気を体験できるホステルホテル「HOTEL GRAPHY」、旅先の1泊目で様々な現地情報に出会える「ESTINATE HOTEL」、ユニークなテーマで世界観を演出するブティックホテル「UNWIND HOTEL & BAR」、未来が見える宿泊体験がコンセプトのポッド型ホテル「The Millennials」の4つ。 5つめのホテルブランドとなる「THE LIVELY」は、同社がこれまで蓄積してきた知見をフルに活かして開発・運営する旗艦ライフスタイルブランドとなる。
   同社はホテルを「世界中から人と情報と機会が集まる場」と再定義し、「THE LIVELY」をより自由で、訪れる度に新たな発見に溢れるホテルにしていきたいという。

ホテルオークラがロシアに進出
 ホテルオークラ(東京都港区)は、ロシアに進出する。このほど、コンベンション、商業、オフィス等の施設の開発を手掛けるAEON CORPORATION(本社・ロシア連邦モスクワ市)と、同社がモスクワ最大の空港、シェレメーチエヴォ国際空港の南側の開発地に建設予定のホテルに関し、運営受委託基本条件合意書を締結した。ホテルオークラが運営を受託する予定のホテル敷地は、約7haとなる。
 ホテルは、延床面積 約3万㎡で、総客室数は約300室。標準客室面積は約35㎡を想定する。シェレメーチエヴォ国際空港に隣接するホテルの中では、随一の広さを誇ることになる。また、客室の他に、和食レストラン、オールデイダイニング等の飲食施設、様々な用途に利用できる宴会場と会議室、温浴施設等を備える。
 ホテルブランドとホテル名は、施設の詳細設計を進める中で、決定していく予定。日本的な温浴施設、本格的な日本料理とともに、日本に根差したホテルオークラグループならではの「和のおもてなし」により、訪れるすべての利用客に上質な空間と時間を提供していきたいという。
 シェレメーチエヴォ国際空港は、モスクワ市内から北北西に約25kmにある空港で、近年は新ターミナルの開業により、外国航空会社が乗り入れるようになり、ロシア最大の利用客数の空港となった。
 ホテルオークラは、これにより開業予定のホテルも含め、世界16の国と地域に87ホテルを展開するホテルグループになる。
 ホテルオークラの子会社であるオークラ ニッコー ホテルマネジメントでは、「オークラ ホテルズ & リゾーツ」、「ニッコー・ホテルズ・インターナショナル」、「ホテル JAL シティ」の3つのグループを運営しており、現在、国内45、海外25の合計70ホテル、総客室数2万2158室を展開している。
プリンスホテル 初の会員制リゾート
 プリンスホテル(東京都豊島区)は、初の会員制リゾートとして7月8日に「軽井沢 浅間プリンスホテル」(長野県北佐久郡)内に「プリンス バケーション クラブ ヴィラ軽井沢浅間」と、「プリンス バケーション クラブ 軽井沢浅間」を開業させた。また、併せて浅間山を望む景色を生かした温泉棟も開業した。
 同施設は開業に先立ち4月にはレストランをリニューアル、一般客室でもこれまでの季節営業から通年営業に変更し、浅間山を正面に望むロケーションを生かした新たなリゾートホテルに生まれ変わった。
 「軽井沢 浅間プリンスホテル」は、上信越自動車道碓氷軽井沢I.C.から5kmに位置。鉄骨・鉄筋コンクリート造3階建て、客室タイプはツインルーム14室、コンフォートツインルーム14室、スイートルーム2室。
 今回開業する「プリンス バケーション クラブ ヴィラ軽井沢浅間」は、木造平家建て、客室タイプは81㎡のヴィラ13棟、82㎡のドッグヴィラ2棟。共有制の会員権として全15棟、総口数180口を販売する。
   「プリンス バケーション クラブ 軽井沢浅間」は、鉄骨・鉄筋コンクリート造3階建て、客室タイプはツインルーム24室、トリプルルーム20室、ファミリールーム4室。ホテル客室を改装し、ファミリー層や3世代に対応した客室を用意する。預託制の会員権として全48室、総口数576口を販売。 
   「温泉棟」は、鉄筋コンクリート造一部丸太組構法、地上1階、地下1階建て。
「軽井沢 浅間プリンスホテル」は、ゴルフ場に隣接する隠れ家的リゾートホテルとして1997年に営業を開始して以来、ゴルフ利用客を中心に人気を博してきた。今回、従来の一般営業に加え会員制ホテルの機能を併せ持つことで、ファミリーや3世代をはじめとする様々な層の利用客のニーズに対応するホテルとしてプリンスグランドリゾート軽井沢の新たな選択肢を提案していく。

宿泊特化型求人プラットフォーム無料掲載
 ホテル・旅館がリーズナブルな価格で利用できる宿泊業界特化型求人プラットフォーム「YADO CAREER」を運営しているライフゲート(東京都新宿区)は、新たに無料で求人掲載ができるプランを開始した。
 同サービスは、昨今問題視されている宿泊業界での労働人口問題を解決するためにオープンしたもの。一般的な求人メディアでは簡易的な情報しか掲載できない事が多くあるが、この媒体では「企業情報」、「従業員情報」、「求人情報」を自由に編集できるのが特徴。また、「正社員」、「契約社員」、「アルバイト」や業種も含め、無制限での募集を掲載する事が可能だ。毎月定額で契約する場合、その他費用は不要。
 SNSを中心とした施設様ごとの求人広告や、サイト内でのタグ機能等、SEO対策を徹底する事で、恒常的に広い業界、年齢層のターゲットにリーチが可能。業界離れが進んでいる宿泊業界での労働人口の増加を加速させる為に、様々な施策を行うことで、潜在層の求職者の参入が期待できる。
 現在、宿泊業界は訪日外国人客の増加、国内旅行の増加、東京五輪開催など追い風が続いており、上昇傾向にあるが、人材不足は社会問題にまで発展しており、改善策は見出せていないのが現状だ。
 同社は、旅行業界全体が発展するには、はじめに宿泊業界の「働く」を改善することが必要だと考えた。今後は業界初のサブスクリプションをはじめ、他媒体に比べ、よりユーザーが利用しやすいサービスの展開をしていく予定だ。
 宗政英傑社長は話す。「今後当社は、他業界の特化型プラットフォームへの参入だけでなく、オフラインの飲食業界への参入も視野に入れております。ネットが一般になっている現在だからこそ、リアルも同時に変革を起こしていき、よりお客様に寄り添っていけるサービスの普及に尽力していきたいと考えています」。

ホテル雅叙園東京リニューアル
 2018年12月に創業90周年を迎えたホテル雅叙園東京(東京都目黒区)では、6階に位置する和室計12部屋を改修し7月4日にリニューアルオープンすることとなった。  客室コンセプトは「和敬清心」。茶室のわびさびに代表される精神性や自然への思い、光の演出などを現代のスタイルでデザインに反映させている。
 今回の和室リニューアルに伴い、茶席で使用される「風炉先屏風」をイメージしたヘッドボードに西陣織を張り込み伝統的な日本の文様や草花を誂えた。また、茶室へ導く露地の地固めとして植えられるヤブコウジを寝室の壁に配している。
 各部屋には「出雲」や「武蔵」など日本の地名が付けられており、部屋の名前に合わせた異なる文様や日本画を配置。玄関に飾られる日本画や小物のデザインには国内の若手アーティストの作品を用いることで、日本の伝統工芸の新たな一面を発信する場としての機能も備えている。
 具体的には、621号室「大和」は正倉院の螺鈿鏡など平城京で栄えた奈良~天平時代の高貴な柄を使用。622号室「出雲」は縁結びの国。縁起の良い亀甲模様や末広がりの扇柄を使用。623号室「武蔵」は西洋のレース柄や古典文様をアレンジした柄を使用。新たな文化が花開く情景をイメージした。

「熱川ハイツ」が伊東園ホテルズに
 温泉旅館・リゾートホテルを運営する伊東園ホテルズ(東京都豊島区)ではこのほど、静岡県の熱川温泉「熱川ハイツ」を伊東園ホテルズとしてリニューアルオープンさせた。
 同ホテルは全76室、プール、卓球、個室カラオケ、カラオケラウンジ、大浴場、露天風呂を併設する。
 同施設は熱川温泉の中で一番の眺めを誇る。全室がオーシャンビューで、露天風呂からの景色も海が一望できる。
 同社は新規出店や既存ホテルのリニューアル改装工事を順次進めている。リーズナブルな料金を基本とし、「夕朝食バイキング+夕食時アルコール飲み放題付」プランをはじめ、本格和食を提供する「和食膳」プランなど、多様なスタイルの施設を運営している。

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