不動産トピックス

クローズアップ 照明編

2019.07.08 17:42

 照明分野では、LEDの登場によって省エネ性が一気に高まり、LED照明の導入がビルでは当たり前の状況となった。さらに昨今では、デザイン性や防犯対策など、様々な機能が加わった商品展開が進んでいるようだ。

電源不要のソーラー式ライト 防犯・コスト削減に効果
 ビル・マンション等のリフォーム工事を実施するにあたり、テナント入居者から寄せられる夜間照明に関わるクレームは大きく分けて3つあるという。照明器具の製造・販売を行うリーカップス(東京都中央区)の井上博巳社長は次のように話す。
 「『(照明をつけないと)暗くて危ない』、『(照明をつけると)誰もいないのに眩しい』、『電気代がもったいない』。この3つが3大クレームとされています」
 これらの問題を解決する商品として同社が開発したのが、「ソーラー式セキュリティライト」である。同製品は専用のソーラーパネルを用いて太陽光でバッテリーに充電するため、電源は不要。コンセントの場所や配線を気にする必要もない。さらに特徴的といえるのが動作特性で、暗くなるとほんのり常夜灯になり、人が来ると強く発光する。そして人がいなくなると常夜灯に戻る。常夜灯とセンサーライトの特性を合わせ持っているのだ。
 「ソーラー式でありながら、700ルーメン(60W白色電球相当)の明るさを有し、照度は十分で、大容量バッテリーを搭載しており朝まで点灯可能です。製品は取り付ければ運転は全て自動制御で、メンテナンスは不要です。また、リフォームに限らず、補助照明や看板や植樹のライトアップなど幅広い用途に使用が可能です」(井上氏)
 価格は専用パネルとセットで1万8000円(上代)となっており、同社では今後、製品の拡充に努めていきたいとしている。

オフィス・ホテルなどの設置に最適 パナソニック「スマートアーキ」シリーズ拡充
 パナソニック(大阪府門真市)のライフソリューションズ社は、「建築に自由を与える。」をコンセプトに展開している建築照明器具「スマートアーキ」の品揃えを拡充。まぶしさを抑えながらもコンパクト・ハイパワーでムラのない美しい光の「グレアレスダウンライト」、「グレアレスユニバーサルダウンライト」の高ワットタイプ合計280品種を新たにラインアップし、今月1日より発売している。同製品は高い空間価値が求められるホテルや、オフィス、公共空間のエントランス、吹き抜け空間などに適している。
 高い空間価値が求められる場面においては、照明器具の存在は感じさせず、必要なところにのみ美しい光を提供することが求められている。同社は器具の存在を感じさせない商品として「スマートアーキ」低ワットタイプを2017年に発売。ホテルやオフィスなど、高級感がありクオリティの高い空間において広く採用されている。今回発売を開始した高ワットタイプは、同社独自の放熱設計技術により埋込穴直径100mmとコンパクトでありながら高出力を実現。さらに光学設計技術によりムラのない美しい光で空間を演出。用途に適した幅広い配光角など、幅広い品揃えとなっている。

竹中工務店 独自開発のエネマネシステムとオフィス照明を融合
 竹中工務店(大阪市中央区)は、独自開発したエネルギーマネジメントシステム「I.SEM」を用いて、オフィス照明への直流給電による次世代給電方式を確立し、BCP対応・デマンドレスポンス・直流給電を組み合わせた「I.SEM+DCPS」を、大阪市北区の「栗原工業ビル」に初導入した。
 近年、省エネルギーやBCP対策などの目的で、太陽光発電などの再生可能エネルギーと蓄電池を組み合わせたビル用電力需給システムが普及している。これらの電源は直流電力を供給し、また多くの電気機器は直流電力で動作している。しかしながら、ビル内の配電網は一般的に交流であるため、直流から交流、又は交流から直流の変換による電力ロスがこれまで生じていた。
 同社独自の技術である「I.SEM」は、分散電源である利ニュース蓄電池、太陽光発電、電気自動車等の電力を直流電力のまま取り込み、電力自由化に対応したエネルギーマネジメント、エネルギーコストの最小化、再生可能エネルギーの利用、BCP等のための合理的なエネルギー利用を可能とする。今回、「I.SEM」と直流電源対応の照明器具と組み合わせることで、直流電力を直流のまま給電し、従来生じていた変換ロスを定格時約10%低減することが可能になった。この照明器具はパナソニックに依頼して新規開発したものを採用している。また、非常用発電機とも連携可能であり、BCP対応・デマンドレスポンス・直流給電を組み合わせた全国初のシステムを実現している。

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