不動産トピックス

今週の一冊

2019.04.09 11:07

どうすべきか増え続ける日本の空き家

世界の空き家対策 公民連携による不動産活用とエリア再生
著者(編著)米山 秀隆(著)小林正典、室田昌子、小柳春一郎、 倉橋透、周藤利一
発行日 2018年9月5日
発行所 学芸出版社
価格 2000円(税別)

 日本の所有者不明の土地を合わせると九州全土と同じ広さ。このショッキングな事実に危機感を抱いた人は少なくないはずだが、遅々として進まない空き家対策。根本の登記制度から見直し解決を図るには気が遠くなるような道のりが必要なのだ。 さて海の越え各国はどう対策を取っているのか。
 本書はアメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、韓国の空き家現状や対策が紹介されている。 耳が痛いのが各章のなかの「学ぶべき」各国の対策だ。例えばアメリカでは空き家が発生しにくい環境整備が整えられつつあり、ドイツでは所有者へ費用負担を義務づけ、「近代化命令・修繕命令」、「取り壊し・除去命令」が法制度化されており、イングランドでは「空き家管理命令」など政府の強制力が際立つ。
 さて異常に私権の強い日本は、いつまともな政策を打ち出せるのか。

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