不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2019.04.01 17:20

アパホテル最上級グレードブランド開業「アパホテルプライド<国会議事堂前>」全500室
全面断熱一体工法 全面御影石張り採用  アパホテル(東京都港区)では3月19日、同社最上級ブランドである「プライドシリーズ」の第1弾として、「アパホテルプライド〈国会議事堂前〉」を開業させた。
 同ホテルは、東京メトロ千代田線・丸ノ内線「国会議事堂前」駅より徒歩1分で、司法・立法・行政各省庁の最高機関が集う日本の中心と言える場所に位置。
 建物はS造(一部RC造)、17階建建て、客室数はスタンダードルーム486室、ツインルーム12室、デラックスダブルルーム1室、デラックスツインルーム1室の合計500室(全室禁煙)。ホテル最上階17階には天井テラスを配置する。  外装にはカナフレックスコーポレーションと共同開発した、世界で初めての全面断熱一体工法「APA ECO UNIT SYSTEM」を採用、風格を重んじた全面御影石張りとした。最上階17階には大浴場・露天風呂「玄要の湯」[準天然光明石温泉(人工温泉)]、国会議事堂や都心の夜景を一望できる展望テラスを設けた。
    客室は全室禁煙で、最上級グレードにふさわしく、家具に高級感のある黒鏡面塗装やレザー張りを施し、照明付きガラス棚やデスクとベッドの間のデザインカーテン、オリジナルシャンデリアを設置した。
 ベッド下にスーツケース等を収納できるスペースを確保したオリジナルベッド「Cloud fit SP(クラウドフィット エスピー)」をスタンダードルーム全室に配置。リュックサック等を掛けるフックを設けた多機能姿見を設置し、空間を立体的に活用しているのが特徴だ。
 また、同社独自の新都市型ホテルの客室標準仕様に加え、全室50型以上の大型4K液晶テレビを設置したほか、「アパデジタルインフォメーションプラス」を導入し、ホテルの館内案内をテレビ画面・客室設置の専用タブレットに集約表示した。これはホテルの館内案内をテレビ画面・客室設置の専用タブレットに集約表示するもの。
 自身のスマホからYou Tubeの動画や写真などをテレビに映すことができるミラーリング機能や、精度の高い人流センサーを用いた大浴場の混雑状況表示が可能になった。 
 増加する訪日外国人の対応としては、日本の最新ニュース等を24時間英語で放送する「NHKワールド JAPAN」をアパホテルで初めて導入し、全室無料放映するほか、上層階の客室には、ほぼ全世界のプラグに対応するユニバーサルコンセントを採用した。
チェックアウト処理自動化で業務効率化
 チェックイン時間短縮のため、業界で初めてとなる全ゲスト予約に対応したオリジナル「自動チェックイン機」に加え、アパホテル会員、クレジットカード支払いに限定した卓上型自動チェックイン機「スマーレ」を初導入。
 ルームカードキーを投函すると自動でチェックアウト処理が行われるエクスプレスチェックアウトポストを業界で初めて導入し、チェックアウト処理の自動化を実現した。
 正面入り口のメインエントランス側敷地内には、千代田区コミュニティサイクル「ちよくる」のサイクルポートを設置。東京10区に広がるサイクルポートでの自転車の貸出・返却が可能で、利用客の利便性向上に寄与する。
 開業に先立ち、3月16日には、抽選で300室を無料招待する試泊会を実施したところ、過去最高の1万9000件を超える応募があったという。
 開業当日に行われた開業記者発表では、アパグループ代表である元谷外志雄が、「当社が推し進めるブランドアップ戦略にとって重要な位置づけのホテルの一つとなる。2010年4月1日の中期五ヵ年計画『SUMMIT5(頂上戦略)』始動以降、東京都内に80ホテルの展開を行い、2018年のグループ連結決算は経常利益362憶円と30%近い利益率となった」と話した。
 同社はアパホテルネットワークとして、建築・設計中、海外、FC、パートナーホテルを含めれば全国最大級の502ホテル8万3742室を展開している。

「SEKAI HOTEL」全国展開を本格的に開始
 リノベーション事業を手がけるクジラ(大阪府大阪市北区)のグループの、SEKAI HOTEL(大阪府大阪市)では、2019年4月度より、各拠点ごとに地元企業とパートナーシップ契約を締結、全国展開を本格的に開始する。
 各拠点に地元企業を中心としたパートナーシップ契約を締結し、「SEKAI HOTEL」ブランドのライセンスを貸与。
 パートナーとなる事業者はひとつのエリアの運営主体となり、同ホテルのライセンスとノウハウを生かし地域の活性化を推進する。初期段階では、同社からもスタッフを出向させ、海外向けのPRや土産などの商品開発は、同社が主体となって行っていく。 
 地域のステークホルダーである自治体、金融機関、地元資産家、大学、地元企業とも連携を図る。現在は神奈川、富山、滋賀、愛媛、福岡など様々な地域を検討しているという。
 同社が展開している「SEKAI HOTEL」ブランドは、街の「ORDINARY(日常)」にフォーカスしたまちごとホテルをコンセプトにしたもので、大阪府内に2拠点を展開している。「SEKAI HOTEL Nishikujo」は、大阪の中心地やUSJへのアクセスの良さに加え、地域の喫茶店のモーニングや地域の銭湯を無料で提供するサービスを展開している。
 一方、「SEKAI HOTEL Fuse」は、50年以上の歴史がある商店街をまちごとホテルと見立て、飲食店を中心に10店舗以上の店舗と提携を結び運営してきた。
 地方創生は数年前から国家戦略としても進められ、企業や自治体によって全国各地で様々な施策が実施されてきた。中には成功例事例もあるものの、汎用性のある地方創生のプラットフォームと呼べるものはまだ多くはない。
 クジラでは、これからの地方創生にはこの汎用性のあるプラットフォームが必要であると考え、まちごとホテル化することで空き家問題の解決・地域活性化を目指す「SEKAI HOTEL」を展開してきた。

ワシントンホテルが名古屋で
 ワシントンホテル(愛知県名古屋市)では、6月25日に「R&Bホテル名古屋新幹線口」(愛知県名古屋市)を開業させる。
 同ホテルは、JR「名古屋」駅太閤通口より徒歩約5分に位置。敷地面積1227・27㎡、延床面積4669・73㎡、鉄骨造、地上13階建て。客室は全室シングルの262室。建設は矢作建設工業が担当した。
 「名古屋」駅は多方面へのアクセスに優れ、JR在来線や東海道新幹線、名古屋市営地下鉄が乗り入れており、国内の出張、旅行需要はもちろん、インバウンドの宿泊需要も高いエリアとなっている。
 今回同ホテルでは、R&Bホテルチェーンでは初めて、40インチの壁掛けテレビを設置したほか、PayPay、WeChatPay、AlipayでのQRコードによる決済サービスの開始、交通系ICカードを使ってカンタンに施解錠ができるシステムや、ロビーに無人大型荷物一時保管装置「バゲッジポート」を設置するなどの工夫を施した。
 現在、同社の直営ホテルでは名古屋市内に204室の「R&Bホテル名古屋錦」、205室の「R&Bホテル名古屋栄東」、308室の「名古屋栄ワシントンホテルプラザ」を運営しており、既存施設と合わせると客室数は979室となる。今回R&Bホテルブランドでは初めて名古屋駅エリアへの出店となる。
   また同社の新規ホテル開業は3月の「R&Bホテル京都四条河原町」(京都府京都市)に続き、R&Bホテルとしては全国23店舗目となる。
   同社では、今後も大都市圏の立地の良い場所に積極的にホテル展開をしていく予定だ。

栃木・川治温泉宿のリニューアル完了
 温泉旅館・リゾートホテルを運営する伊東園ホテルズ(東京都豊島区)では、栃木県の川治温泉「一柳閣本館」のリニューアルを完了した。
 同施設は「川治温泉」駅から徒歩で約20分または送迎車で約5分。客室数は全124室。
 今回のリニューアルでは、大浴場を一新したほか、バイキング会場にライブキッチンを設置するなどした。
 同社は「気軽に、気楽に、身近に温泉。」をコンセプトに、「温泉という日本の文化をもっと多くのお客様に知ってほしい、そして何度も足を運んでほしい」という思いから、リーズナブルな料金を基本とし、「夕朝食バイキング+夕食時アルコール飲み放題付」プランをはじめ、本格和食を提供する「和食膳」プランなど、多様なスタイルの施設を運営している。 同社は現在、新規出店や既存ホテルのリニューアル改装工事を順次進めている。 
 同社は、「365日同一料金1泊2食付」という独自の料金システムを採用し、全国で48カ所の温泉宿を運営している。

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