不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2018.03.19 10:22

and factory  IoT体験型宿泊施設5店目を神田に スマホで室内操作可能
 同施設はJR山手線「神田」駅徒歩8分に位置、面積は514・97㎡、RC造6階建て、施工はロンテック。部屋数はIoTダブルルーム2室、ダブルルーム6室、シングルルーム3室、スマートドミトリー42床。
 新施設では、大崎電気工業が提供するスマートホーム向けIoTサービス「ホームウォッチ」と連携。このシステムは、遠隔からスマートフォンで家電製品を制御したり、室内の環境状態を確認したり、ドア・窓開閉センサーにより外出時の異常を知らせるなど、スマートフォンから家の中を自由にコントロールすることができるもの。またヤフーが提供する、さまざまなIoT製品やWEBサービスのAPIを集めた事業者向けプラットフォームサービス「myThings Developers」との連携やスマートスピーカーも活用する。これによりエンターテインメント性とホスピタリティが増し、さらに進化したIoT宿泊体験を提供できるようになる。
宿泊・旅行者同士とのコミュニケーションも
 同社が展開している「&AND HOSTEL」は、最先端のIoTデバイスを1カ所に集結させ、近未来のIoT空間を提供する体験型宿泊施設。またIoT体験だけではなく、宿泊者同士のコミュニケーションが活発なホステルならではの出会いや集いも楽しめる「世界とつながるスマートホステル」だ。
 具体的には、IoTルーム宿泊者に対し、チェックイン時に鍵ではなく専用のスマートフォンを貸与する。独自に開発したIoTプラットフォームアプリ「&IoT」を用いて、ドアキーの開錠施錠はもちろん、テレビやエアコンなど居室内の様々な家電の操作が可能。
 また、「外出」「リラックス」「集中」「おはよう」「おやすみ」「シアター」モードで、宿泊者がスマートスピーカーに声をかけると、居室内のIoTデバイスが作動し利用シーンに応じた快適環境が瞬時に整う。例えば、就寝時にスマートスピーカーに「おやすみ」と話しかけると、照明の光量が調節され、リラックスできるアロマが香り、カーテンが閉まり、エアコンが快眠モードに変更されるなど、就寝に適した環境を整えるために複数のデバイスが一斉に作動する。
 更に、「変換プラグ欲しいんだけど」「チェックアウトは何時?」などホステルの利用環境について話しかけると、備え付けのスマートスピーカーが答えるほか、センシング技術やクラウドデータとの連携により、天候、防災情報の通知や、「ラウンジに人が集まって来たようです。ちょっとのぞいてみませんか?」などリアルタイム情報を提供する。
プラットフォームアプリ ホテルチェーンも採用へ
 同社では、これまで自社で50以上のアプリを開発しており、ユーザー視点に立ったUI/UXの設計・開発力が強み。その強みを活かし、最先端のIoTデバイスを一元管理できるプラットフォームアプリ「&IoT」を開発し「&AND HOSTEL」に導入し宿泊空間の体験価値を高めてきた。
 昨年より大手ホテルグループ、外資系ラグジュアリーホテルなどがIoT化導入を開始。また自動車メーカーによる旅館プロデュースなど、人手不足などを背景に宿泊施設のスマート化事例の発表が相次いでいる。
 こうした中同社では、2016年8月の「&AND HOSTEL FUKUOKA」を皮切りに、2017年4月「&AND HOSTEL ASAKUSA NORTH」、同年5月「&AND HOSTEL UENO」、2018年1月「&AND HOSTEL AKIHABARA」と次々とオープンさせてきた。 同社ではさらに出店を加速させていく方針で、2018年内を目処に同ブランドで10店舗程度の開業を目指しているという。また、アルメックスと共同で簡易宿所向けの宿泊管理システム「innto」を開発。2018年3月よりサービス提供を開始する予定だ。

ホスピタリティオペレーションズ 「スマイルホテルプレミアム」札幌に開業
 全国でホテルやスキー場、ゴルフ場などを運営しているホスピタリティオペレーションズ(東京都千代田区)は、相次いで新ホテルをオープンさせる。
 3月1日には「スマイルホテルプレミアム」ブランドの2店舗目となる「スマイルホテルプレミアム札幌 すすきの」(北海道札幌市)をグランドオープンさせた。
 同ホテルは、地下鉄東豊線「豊水すすきの駅」徒歩約1分に位置し、客室はダブルルーム142室、ツインルーム141室、バリアフリーツインルーム1室の合計284室。全室無料Wi―Fi・有線LAN完備のほか、ランドリーコーナー、飲料自動販売機、駐車場などを併設する。
 同社は「スマイルホテル」ブランドで全国展開しているが、今回の「スマイルホテルプレミアム」は、スマイルホテルのアッパーブランドとして、「シックで落ち着いた色合いの内装に、使い心地や機能性にこだわった備品と上質なアメニティを取揃えているのが特徴です」(同社)という。
 同社はまた、サンホテル日田が大分県日田市で経営する「サンホテル日田」について、フランチャイズ契約を締結。これにより、「サンホテル日田」は「スマイルホテル大分日田」として、4月1日にリブランドオープンする。「スマイルホテル」としては全国46店舗目となる。
 同ホテルはJR「日田駅」から徒歩約7分。客室は、シングル、スタジオシングル、デラックスシングル、ツイン4タイプで合計100室。屋外には喫煙スペース、レストランのほか、電気自動車用充電スタンドを併設する。また長期宿泊者向けにクリーニングサービスやコインランドリーなども併設する。

東急ホテルズ 羽田空港・多摩川対岸に新ホテル
 東急ホテルズ(東京都渋谷区)は、羽田空港の多摩川対岸に立地する国際戦略拠点・キングスカイフロントに"The WAREHOUSE"をコンセプトとする「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」を6月1日にオープンする。
 同ホテルは、「ただ泊まるだけのホテルではなく、サイクリング・ランニングといった『リバーサイドアクティビティ』や気分転換のエクササイズ、多摩川を眺める大浴場でのリフレッシュ、羽田空港夜景を一望しながらルーフトップテラスで一杯など、思い思いのライフスタイルで自分らしくリラックスしたご滞在が楽しめる様々な機能も備えています」(同社)。
 施設は、打ち放しのコンクリート、木材やスチールなどの素材を意匠として取り込みながら、シンプルな中にも機能性とデザイン性を追求していくという。
 客室は、ダブルルームは19㎡、ベッド幅140~160cm、ツインルームは24・3~26・9㎡、ベッド幅11㎠台。
 また、川崎周辺で回収された使用済みプラスチックを原料に川崎臨海部で作られた低炭素水素をホテルにパイプラインで送り、電気や熱など約3割のエネルギーとして活用する世界初のホテルになるという。
 同ホテルが位置するキングスカイフロントは、東京の空の玄関口である羽田空港へのアクセスが良く、多摩川の自然環境がすぐそばに感じられるユニークなロケーションを特徴とし、世界的な成長が見込まれるライフサイエンス・環境分野のグローバル企業や研究開発機関が集積、研究者・技術者が数多く就業し、また世界中からドクターや研究者が訪れる新しい開発エリア。 同社では今後、5月1日に638室の「東京ベイ東急ホテル」、10月に約180室の「渋谷ストリームエクセルホテル東急」、2019年には約360室の「大阪エクセルホテル東急」、2020年春には約230室の「横浜みなとみらい東急REIホテル」のオープンを計画している。

ナインアワーズが「℃」ブランド2号店
 ナインアワーズ(東京都港区)は、ヴィエント・クリエーション(東京都港区)と、独自のサウナと睡眠に特化した新たなサービス「ドシー(°C)」の2号店をオープンする。  4月20日に開業する「ドシー五反田(°C五反田)」(東京都品川区)は、昨年12月の恵比寿に続くもの。延床面積891・57㎡、敷地面積127・44㎡、客室数は男性のみ164室。
 「ドシー」では、宿泊や仮眠といったトランジットサービスに加えて、"ロウリュ"とウォームピラー(冷水)をセットにしたサウナサービスを提供する。「サウナを原点から見直し、本場フィンランド式のあり方をベースに、日本らしいクリーンで気持ちの良いサービスに再定義することで、これまでサウナにあまり縁のなかった若年層や女性にとっても、日常の中でごく手軽に味わえるリフレッシュの道具にしたいと考えております」(同社)。
 同施設のサウナは、本場フィンランドに倣い、室内は高めの90°C前後に定温管理しながら、熱したサウナストーンに利用客自身でミント水をかけてじんわりと蒸気浴を楽しむ"ロウリュ"体験を提供する。また、クールダウンには水風呂ではなく、体にまとわりつくように水流を制御した水の柱が頭上から流れるTOTOのウォームピラーを、冷水専用にコントロールして提供する。

「泊まれる本屋」ホステルを新宿で
 不動産のセレクトショップR―STORE(アールストア 東京都品川区)では、2018年春「泊まれる本屋」をコンセプトに、訪日外国人観光客や国内旅行者をターゲットとしたホステル「BOOK AND BED TOKYO」第5店舗目を、東京都新宿区・新宿コマ劇前広場にオープンさせる。
 同ブランドは、一昨年11月に第一号店として池袋にオープン。セレクトショップ「1LDK」やパジャマメーカー「NOWHAW」、「トラベラーズファクトリー」などとのコラボレーションなどでも話題になっている。 
 以降、2016年12月2日京都店(京都市東山区)、2017年1月21日には池袋本店増床、同4月29日には福岡店(福岡市中央区)、同10月5日には浅草店(東京都台東区)と展開してきた。
 同社の調査によれば、利用者の85%が20代~30代、男性30%・女性70%。利用目的別では、国内旅行客33%、国内出張客4%、海外旅行客33%、都内近郊客29%となっている。

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